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WBS 2021/7/8(木)

東京に4回目の緊急事態宣言
東京五輪は首都圏無観客へ

東京都に4回目の緊急事態宣言が発令されることが今日正式に決まりました。
そして開幕が間近に迫る中、決まっていなかった東京オリンピックの観客の扱いについて、先ほど5者協議を開いて一都三県にある会場では無観客とする方針を固めました。

大会組織委員会でIOCのバッハ会長や小池東京都知事、丸川オリンピック担当大臣などによる5者協議が行われました。
これまでの方針から一気に舵を切り、首都圏の会場では無観客とする方針を固めました。

バッハ会長来日し、5者協議
東京五輪は首都圏無観客へ

オリンピックの開会式まで15日。
今日IOC国際オリンピック委員会のバッハ会長が来日しました。
これまで観客の扱いをめぐっては蔓延防止措置の解除を前提に最大1万人入れる方針だった組織委員会。
しかし解除どころか東京オリンピックは緊急事態宣言のもとで開かれることになりました。

完全無観客か一部は観客を入れるのか。
その方針を最終的に決めるため組織委員会や政府、東京都が話し合うと5者協議が今夜開かれました。

IOCバッハ会長
「手に手を取って皆さんと連携することで安心安全な大会に貢献することができる。」

東京五輪は首都圏無観客へ
1都3県以外は自治体判断

東京含む一都三県で開催される式典や競技については原則無観客とする方針です。
一方、その他の地域で行われる競技については観客を入れる方向で調整が行われています。
一方、橋本会長らは先ほどから関係自治体の担当者との協議を行っています。
東京オリンピックの歴史で初めて会場に人を入れないという決断が下った東京大会。
国内に対してもまた世界に対しても開催する意義を丁寧に説明する必要が残ります。

東京4度目の緊急事態宣言
ワクチンで前倒し解除も

午後7時東京新宿、街頭ビジョンには会見に臨む菅総理の姿が映し出されました。
政府は東京都に4度目の緊急事態宣言を発令することを決めました。
期間は今月12日から来月22日までです。
東京オリンピックは緊急事態宣言下での開催となります。

東京都の人の行き来が多い埼玉・千葉・神奈川と大阪では蔓延防止措置を延長。
沖縄県の緊急事態宣言の延長となります。

一方、北海道・愛知・京都・兵庫・福岡の蔓延防止措置は11日で解除します。
東京で再び宣言に踏み切る理由について菅総理は
「新たな変異株であるデルタ株の影響であり、α株の1.5倍の感染力があるとも指摘されています。」

その上で新型コロナワクチンの迅速な接種に全力をあげると強調しました。

菅総理はワクチンを一度でも接種した人が今月中に国民の4割に達する見通しだと強調。
宣言を前倒しで解除することもあり得ると表明しました。

小池都知事は
「都としても国とこの危機意識を共有するものであります」
4度目の緊急事態宣言で東京都は現在午後7時まで認めている酒類の提供を再び全面禁止に。
食店の営業時間は引き続き午後8時までとするよう要請する一方、大規模商業施設への休業要請は見送る方針です。

4度目の宣言、観光業界を直撃
夏休みの旅行どうすれば

緊急事態宣言は計算にも暗い影を落とします。
東京などでは夏休み期間のほとんどが宣言下となる見通しです。

都内の旅行代理店では昨日からキャンセルの連絡が相次いでいるといいます。
予約済みの旅行のおよそ3割がすでにキャンセル。
このところ増えつつあった北海道や沖縄など料金が比較的高い旅行の予約も含まれています。

夏の旅行需要の急激な落ち込みを予想し、日本航空は今日、国内線4072便の減便を新たに発表しました。
また第一生命経済研究所は今回の緊急事態宣言で失業者が55000人増加。
GDP国内総生産はおよそ1兆円減り、年率でおよそ3%を押し下げられると試算しています。

日本酒、生ビール、廃棄も
新たな一手、打ち出す企業は

酒を提供する飲食店も再び苦境に立たされます。
東京神田にある居酒屋を尋ねました。
今月12日以降は時間や人数を問わず酒類は一切提供できなくなります。

こちらの店、3度目の宣言解除後の先月21日、2ヶ月半ぶりに営業を再開したばかりです。
客も徐々に戻りつつあり、8月には沖縄フェアを企画するなど仕入れを増やし始めていました。
栓を開けた生ビールや食材の一部を廃棄せざるを得なくなる可能性があるといいます。

政府は今日、こうした飲食店への支援強化を打ち出しました。
要請に応じた飲食店に支給している協力金。
支給に時間がかかりすぎるとの批判を念頭に政府はこれを先渡しする制度を作ることにしました。

先行きが見えない飲食業界。
新たな一手に動き出した企業も。

酒の小売販売大手のカクヤス
実は売り上げの7割が飲食店への卸など業務用が占めていました。
飲食店での酒の提供がストップしたことで売上は激減しました。

そこでカクヤスは一般の家庭向け販売事業の強化を打ち出しました。
その一環として来週立ち上げるのが通販サイトカクベツ。
これまでのカクヤスの通販サイトでは大手メーカーのビールなどがメインでしたが、カクベツでは全国44の酒蔵などの酒を扱います。
カクヤスのサイトには酒類を好むおよそ145万人が登録していて、カクベツのサイトと連携することで、これまで東京などに販路を持たなかった酒蔵の酒を届けることを目指します。

緊急事態宣言下の五輪
スポンサーの胸中は

今日新たに公開されたこちらの施設。
アシックスが期間限定でオープンするこちらの施設
オリンピックの公式応援グッズなどが展示されています。

アシックスが東京オリンピックパラリンピック期間に合わせて応援グッズや最新技術を紹介するほか、出場する選手たちを身近に感じるための体験ブースなどを設置しています。
卓球の石川佳純選手とバーチャル上でラリーが出来るコーナー。
本来であれば大会を前にオリンピックを盛り上げる施設となるはずでした。

しかし、コロナ禍での開催をめぐって賛否両論。
様々な意見がある中、大々的なPRは難しい状況。
入場者数も制限します。

アシックスは大会の上位スポンサーであるゴールドパートナーの一社。
こうした状況をどう受け止めているのか。

オリンピックパラリンピックの担当者がテレビ東京のインタビューに応じました。

アシックス 松下常務執行役員
「もちろん、たくさんの方々に見ていただくという機会があるということは非常にありがたい話なんですけど、環境が環境なのでそれを言っても致し方ございませんし、もちろん色々なご意見を持たれてる方がおられるということは十二分に理解します。大会組織委員会並びにサポーターの方々が、安全安心の大会を開催するという風に言われてる以上、何があろうがどのような決定がなされようが東京オリンピックパラリンピックを支えて行きたい。」

さらに大会スポンサーであると同時にスポーツ用品メーカーとして選手たちを支える立場でもあるアシックス。
選手たちの大会にかける思いに寄り添うことも重要な使命だと言います。

「アスリートをしっかりと支えていきたい。われわれの熱意というか、やっぱりスポーツに向き合う真摯な姿勢というものを理解頂いて、その気持ちを汲んでいただいて、やれる仕事もある。こういうチャンスを最大限自分の糧にしようと思ってる社員がここで集まって仕事してる。」

特にその思いを強く持っているのが選手とともにオリンピックを目指して戦ってきた現場の社員です。

陸上用スパイクの開発に携わる小塚さん。
この4年東京オリンピックに向けてある選手のサポートに全てを捧げてきました。
それが桐生選手です。

2016年リオデジャネイロオリンピックで史上初となるリレーでの銀メダル獲得に貢献し、日本人初の100m9秒台も叩きだしました。
アシックスは桐生選手が高校生の頃からスパイクを提供しています。
小塚さんは四年前から桐生選手の担当となり、二人三脚でスパイクの改良を重ねてきました。
小塚さん達が開発したのは金属素材をカーボンにし、極限まで軽さを追求した一足。
先月東京オリンピック代表選考会も兼ねた大会に桐生選手はこのスパイクで臨みました。
自己ベスト9秒台が四人出場するハイレベルな戦いとなったら男子100M。
小塚さんも祈るように見守る中、いよいよ決勝のレースが始まります。
結果は5位。
100mでの代表入りを逃した桐生選手ですが、後日メダルの期待がかかるリレーメンバーに選出されました。

アシックスは公式ウェアも提供していますけれども、グッズの店舗販売ができなくなる事態も想定し、ECサイトでの販売強化も視野に入れているということです。

オフィス回帰に動く企業
ベネッセ会話が弾む場所に

東京都心のオフィスの空室率のグラフです。
発表された6月の空室率は16ヶ月連続で悪化し、6年10カ月ぶりに6%台となりました。

東京多摩市にオフィスを構えるベネッセコーポレーション。
社員の出社率を現在の3割から最大5割に増やすための大規模リニューアルを行いました。

固定席を廃止し、
フリーアドレス制を採用。
共有の打ち合わせスペースをおよそ3倍に拡大し、リモートワークの弱点だったコミュニケーション不足を補えるようにしました。
様々なタイプの部屋も用意し、会話が弾みやすい空間づくりを目指したと言います。

朝礼などで活用していた大ホールにも共有の机がずらり。
今日ここで打ち合わせをするチームがありました。

ベネッセは今後リモートと出社を半々にしたハイブリッド型勤務に力を入れていく考えです。

オフィス回帰の兆し
社内に並ぶ4000冊の本

新たな方法でオフィスを充実させる動きも。
今年3月にオフィスをリニューアルした人材コンサルティング会社。
中に入ると本棚が並んでいます
これまでセミナーや会議をしていたスペースをおよそ500万円かけて自由に使える執務スペースにリフォーム。
本棚にはビジネスや経営に関する本などおよそ4000冊が並んでいます。

東京都に再び緊急事態宣言が出されることから、出社率は当面3割程度に抑えるものの、オフィスの縮小や廃止は考えていないと言います。

アップルは週3出社要請
在宅利点も、対面が生産的?

一方アメリカでもオフィス回帰の動きが出ています。
アメリカのIT大手AppleのティムクックCEOは対面で仕事することの重要性を説き、週3日間出社するよう従業員に要請しました。
「テレビ会議で距離が縮まったのは確かだが、対面での活発なやり取りが創造性、我々がこれまで築き上げてきたものの感覚を見失っている。」

しかしこれに一部の社員が反発し、勤務形態をより柔軟にすべきとする意見書をクックCEO宛に提出しました。

日本、リモート導入の遅れ
背景と対策は?

原田さん
リモートはコロナ対応だけではなく、生産性の向上っていう意味合いがあるんですよ。
日本の企業の対応遅れてます。
テレマークの実施状況で情報通信について言えば、この業種は9割がテレワークをやっている。
製造業は4割、宿泊飲食サービスは3割で、医療・福祉については1割強になってしまう。

例えば介護を考えた時に、その業務をリモートでできるかって言ったらなかなかできない。
二つ目はセキュリティの問題。

私日本銀行の人に聞いたことあるんです。
ニューヨーク連銀が市場で日常的にやる業務について、職員が在宅でやってると。
日銀はそれは安全性の問題でできないと。

ある程度の投資をして、業務を吟味すれば相当リモートはできる余地があると私は思いますね。
経営者はセキュリティに投資をして、DXを進めようという気持ちを会社で示してほしいですね。

新型コロナ関連ニュース

新たに感染が確認された人の数は2246人でした。
そして今日発表されたワクチン接種の回数は819467回となっています。

コロナ禍の生活を支えた人々に感謝を示しました。
ニューヨークで7日、医療従事者や消防警察など感染リスクに直面しながら勤務に当たった人達に感謝するパレードが行われました。
ニューヨークでは市民の半数以上が必要回数のワクチン接種を終え感染は沈静化しています。

死者が400万人を超えました。
WHO世界保健機関のテドロス事務局長は新型コロナウイルスによる世界の死者が400万人を超えたことを明らかにしました。
変異ウィルスが猛威を振るいさらなる感染拡大が懸念される中、パンデミックの危機に瀕しているとして警戒を呼びかけています。

無念の思いを語りました。
住宅メーカーのアキュラホームはワクチンの職域接種について、当初予定していた3万人から13000人に縮小することを決めました。
アキュラホームは自前で会場や産業医を持たない取引先の企業などに接種機械を提供する計画でしたがワクチン不足を受けて方針を変えました。

宮沢社長
「国も大変でしょうけれども、なんとか上手に情報連携して共有しながら早期に行われることを期待したいですね。」

日本の金融市場本格参入へ

アメリカの巨大IT企業Googleが日本の金融市場に本格参入することがわかりました。
国内のスタートアップ企業pringを買収し、自社グループで送金決済サービスを始めるということです。
Googleが買収するプリンは2017年にみずほ銀行などが共同出資して設立した企業で、Googleはプリンの全株式を200億円から300億円で取得する方向で最終調整に入ったと見られます。

熱海の土石流、死者9人に

静岡県熱海市で発生した大規模な土石流で熱海市は新たに二人の死亡を確認しました。
死者は9人になり、残る安否不明者は22人となっています。
今日現場を視察した赤羽国土交通大臣は、盛り土の規模が計画を超えていたと指摘し、谷などを埋める盛り土の安全を確保するため、国として規制の在り方を検討する意向を示しました。

渋谷の食品売り場、全面改装

東急百貨店は渋谷駅に直結するエリアの食料品売り場を全面改装し10日グランドオープンします。
惣菜やスイーツなど104の店舗が入り、イエナカ需要を取り込みます。
出店する店舗の一つ、プランは都内に5店舗を展開するフレンチレストランで、コロナ禍で飲食業が厳しい中初めて商業施設に出店します。

事故車両修理代、AIが算出

損保ジャパンはイギリスのAIベンチャーと業務提携し、事故車両の写真をもとに修理代金を自動で算出するサービスを10月から始めます。
AIが事前に数億枚の画像データを学習していて、写真を数枚送ると数十秒でおおよその修理代金を算出。
これを基準とした保険金が数日後には支払われるようになるということです。

アメリカ緩和縮小を議論

アメリカのFRB連邦準備制度理事会は7日、6月のFOMC連邦公開市場委員会の議事要旨を公開しました。
議事要旨によりますと、量的金融緩和の縮小に向けた議論に着手した上で、景気の動向を見ながら必要に応じて資産を購入するペースを落とせる体制を整えておくべきとも認識を共有したとしています。
ただ緩和縮小の条件とする雇用の回復が目標から遠いとし、物価の上昇も一時的との認識は変えませんでした。

イギリスコロナ感染者増加
景気の回復シナリオに影響?

このFOMC議事要旨を受けて7日のニューヨーク株式市場では株高となったんですけれども、一転して現在取引が始まったばかりのNY株式市場3指数とも大きく下げる展開となっています。
イギリスで7日、新型コロナの新規感染者がおよそ6ヶ月ぶりに1日3万人を超えたことで、世界景気の回復シナリオが揺らぐとの見方が広がっています。

景気の回復期待に揺らぎ?

原田さん
ワクチンによってコロナ克服するっていうシナリオ、これに市場が丸乗りしていたっていう部分があって動揺してるんだろうと思うんです。
去年の春から、ワクチンによる景気回復ってのがマーケットの一番大きなシナリオだったわけですから動揺が大きい。
イギリスはワクチンを接種していない若者、この動きについてちょっと軽視しすぎてたんじゃないでしょうかね。
緊急事態宣言下でのオリンピックになるということも要因の一つになっているという声もあります。

海外でどう伝えられるかって言うと、今回の下落については過度の悲観は禁物だと思うんですけど、言葉のインパクトですね。
緊急事態宣言中のはemergency in Tokyoなんですよね。
だから大変なことが東京で起きたんじゃないかという風に伝えられた言葉のニュアンスの問題も一つあると思うんです。

二つ目は後ずれするんですけれど、景気は回復するんです。
今日本の場合、政府が3.7%に下方修正したんです。
いずれ景気は回復する。

三つ目はやはりマーケットがリスクを取りすぎて来てたっていうことが今ちょっと修正されてるんじゃないかなと思いますね。
金融政策についても緩和が続くということでどんどんリスクを取るっていう雰囲気。

こういう調整っていうのは行き過ぎた場合、健全な出来事なので、あまり悲観しなくていいんじゃないかっていうのが私の見方です。

東京都は無観客決定
他の地域も無観客の見通し

丸川オリンピック担当大臣は関係自治体との会議の中で、緊急事態宣言が発令される東京都の会場では無観客とすることで合意したと述べました。
また宣言が発令されない埼玉県や神奈川県・千葉県などでは首長と協議した上で対応を決めるとしていますが、多くの自治体で無観客となる見通しです。
そして首都圏で無観客となると今後議論となるのがチケット販売がなくなったことによる減収分を誰が負担するかです。
丸川大臣は以前、一義的には開催都市である東京都が負担すべきとの意向を示していました、東京都の小池知事は反発していた経緯もあり今後の調整は難航する可能性があります。
現在橋本会長や丸川大臣は関係自治体との協議に臨んでいます。
観客を入れるかどうかという開催に向けた最大の焦点は今日決着する見通しですが、今後は大会後に残る財政負担という新たな問題が浮上しています。

協力金先渡し可能に
運用するうえで課題は?

先ほど入ってきた情報ですけれども、西村大臣は先ほど酒類提供の停止や時短営業に応じない飲食店については、飲食店が取引する金融機関に情報を共有し、金融機関からも要請に応じるよう働きかけてもらうことを求める方針を明らかにしました。

Q:ここまでしないといけない状況なのかというところもありませんか?

原田さん

オリンピックも無観客であるからコロナを絶対止めたいってことなんだと思うんですが、協力金、やっぱり支払いが相当遅れてるんですよね。

現場にお金が協力金が届いていない。
営業の期間が4月12日か5月11日の分っていうのは申請が始まったばっかりなんですよ。
手続き終わったっていうのが4月の上旬の分ですから、お金をもらってなくて家賃や人件費が固定費としては毎月支払わなくちゃいけないっていう、そういう飲食店の状況に対して政府はどういう対応するのかってことはやっぱり非常に重要なポイントだと思う。

スピーディーにお金を出すってことが一番重要だと思うんです。
実際に6月30日、ついこの間申請が始まってる、4月分ですよ。
とにかく早く支給するっていうことが何よりも私は重要だと思うんですよね。

今回は簡略化するっていうルールを早く飲食店に対して提示をして、見通しがつけやすいようにするっていうことが政府の役割なんじゃないですかね。

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