WBS 2019/5/9(木)
- 2019.05.14
- wbs
「ついに私の時代が来た」
トヨタ越え射程圏内
9日16時過ぎに始まった19年3月期のソフトバンクグループ決算会見。
孫正義会長兼社長は満面の笑みで次の通り語った。
「ソフトバンクグループの株主に20年くらいお待たせして申し訳なかった。
これからいよいよソフトバンクが本当に活躍する時代がやってくる。
やっとその構えができた。
だいぶ頭は薄くなりましたけど情熱は燃えたぎっている。
もう一回髪の毛がバーっと生えてきそうなくらい興奮している。
ついに来たぞ。「私の時代が来た」と燃えている。」
ソフトバンクグループの19年3月期の営業利益は前年比80.5%増の2兆3539億円と過去最高を更新。
8日決算発表したトヨタが2兆4675億円。ソフトバンクがトヨタ越えが射程圏内に入っていることを強く印象づけた。
ソフトバンクグループの株主価値を増やしていく成長エンジンになっているのはビジョンファンド。
80%の営業利益の伸びのほとんどがビジョンファンドから導かれた。
利益を大きく押し上げたのが運用額が10兆円規模のビジョンファンド。
営業利益の50%以上の1兆2566億円を占めている。
ウーバーテクノロジーズなど将来性の見込める企業に積極的に投資し、株式評価益が増加したことで利益につながっている。
孫会長は「ファンド1はうまくいった。ファンド2をこれから立ち上げていく。ファンド2の設立準備に入ることを初めて正式に公表したい。」
とソフトバンクビジョンファンドと同規模の新ファンドを設立すると発表。
株価も絶好調。18年12月26日は6947円だった株価が、2月に自社株買いをして以降5月9日時点では、1万1550円となっている。
ソフトバンクグループの純利期は3期連続で1兆円を超える。
20年3月期も1兆円を超える見通し。
ソフトバンクGが好調なわけ。
山川さん
5年前は大きな差があったのに、とうとうトヨタと肩を並べるところまで来た。
けん引役はファンド事業で、営業利益の半分を超えるところまで来た。
会見の中では、自分の頭の中の97%はファンド事業のことを考えているとおっしゃっていた。
営業利益の中身で行くと、投資した会社の含み益がほとんどなのでトヨタの営業利益とは質が違う。
この調子でいけば今期は抜くんじゃないかなと。
インターネットのトラフィックのグラフと世界のインターネット企業の時価総額は比例して伸びているというのが印象的。
自動車産業はこの間2倍にしか増えていないので、自分は伸びて入りるところに投資しているだけだということで
業態がバークシャー・ハサウェイ社のテクノロジー版に近くなってきているイメージ。
大混乱!?東京五輪チケット
シニアの申し込みに高い壁。
チケットを買うにはID登録が必要。
登録できてもすぐには見れない状況に。
午後14時には12万人以上が閲覧していて、待ち時間が1時間以上となっていた。
9日始まったチケット抽選申し込みは28日まで行われ、開閉会式や全競技(ボクシングを除く)が対象。結果は来月20日。
組織委員会によるとアクセス数は延べ約130万件。想定外のアクセスではないが、先着順の申し込みではないので時間の余裕のある時に対応いただきたいと。
実際は協議や日程を選び終えると、最後に050-xxxx-xxxxという電話番号が表示され、120秒以内に電話をかけてください。と指示される。
ID登録者の個人を特定し不正購入を防ぐ対策を盛り込んでいる。
家庭の中古品5兆円以上。
コメ兵がコメダ珈琲店と発掘へ。
経済産業省の調べによると、家庭で過去1年で不要になったものの推定価値は7兆6000億円。
現在取引されているリユース市場は2兆1000億円。残りの5兆5000億円が家庭で眠っている。
コメ兵は9日からキャンピングカーを仮設店舗として、時計・宝石などの査定や買取イベントを開始。
コメ兵の買取サービスでは鑑定中はコメダ珈琲店で休んでもらう。
初開催は去年10月に互いの創業地名古屋。
イベントはコメコメクラブともあだ名され、18年10月に15日間で500人集客した。
コメ兵によると全体の7割がコメ兵の買取を利用したことがない客だったので新しい接点づくりに。
イベント開催した横浜市青葉区は15年で65歳以上の人口が2倍に。
ライバルのフリマアプリ大手のメルカリはユーザーの7割が10~30代。ここにきて生前整理するシニア向けの対策に乗り出した。
コメ兵は対面査定でシニア層を取り込む考え。
フリマアプリは低価格帯や生活用品は売りやすいがブランド品は高額帯なのでフリマアプリに7割の不安を持っているという。
文大統領就任から2年。
経済低迷で広がる異変
24時間営業の代表のコンビニが深夜営業を中止している。
所得を増やす政策をしている文大統領。韓国の最低賃金は
17年6470ウォン(約620円)を8350ウォン(約800円)に引き上げた。
若者の失業率が10%を超える中、人件費高騰により採用を敬遠される悪循環に陥っている。
韓国南部の釜山のルノーサムスン自動車の製造工場では、生産ラインを停止するという危機的状況に。
4月の販売台数が前年比4割減。
その背景にあるのは、労働組合が基本給引き上げを要求して、18年10月から62回延べ250時間のストライキを繰り返している。
これがリスクとみられ、日産が委託していた日産ローグの生産台数割り当てが減らされたという。
労働組合は文政権の支持基盤の一つ。
ヒュンダイ自動車の元協力会社ではメーカーからの締め付けが厳しく工場閉鎖へ。
さらに、韓国の代表企業のサムスン電子。
1-3月期の連結決算では、主力の半導体やディスプレイの価格下落が響き、純利益5兆400億ウォン(約4800億円)前年比56.9%減。
サムスンの半導体の製造には多くの日本企業がかかわっている。戦々恐々としている。
文政権発足2年。
分配重視が裏目に。
高田さん
分配を重視しすぎたというところが歪を生んでいると思う。
政権発足当初から反財閥、分配を掲げてきた。
中国経済が減速し、半導体不振、韓国経済も落ち込む。
20代の失業率が10%近くまで来ている。
社会の閉塞感が出てきているというなかで文政権の支持率も落ちてくる。
一番問題なのは、分配を重視する中で成長戦略がないこと。
日本の民主党政権を思い浮かべるところがある。
最近、韓国のジャーナリストがヒアリングに来て、日本はなぜ立ち直れたかの聞かれることがある。
日本企業に就職したい若者も増えているという。
電池に続き住宅でもタッグ。
蜜月トヨタ&パナに勝機は?
お互いの強みを最大限生かすと強調したトヨタとパナソニックの幹部。
パナソニックとトヨタは同じ規模の出資をして新会社を設立。それぞれのパナソニックホームズ、トヨタホーム、ミサワホームを傘下に収める。
人口減少で住宅市場が減少する中、業界6位と10位の統合で統合後5位に浮上。
売上高17年度
トヨタホーム(ミサワホーム含む) | 5529億円(6位) |
パナソニックホームズ | 2442億円(10位) |
統合の目的は規模だけではない。
8日に豊田章男社長が「車単体ではなく車を含めた街全体、社会全体という大きな視野で考える」とコメント。
トヨタは人やモノの移動だけでなく、物販などにも使える新モビリティサービスの核となる自動運転車e-Paletteを発表。
一方パナソニックはIoT技術を生かしたスマートシティを各地で建設。
互いの強みを融合させ、住宅や交通、情報などすべてがつながった街づくりを目指す。
仲間づくりを進めるうえで、キーワードは「オープン&スピード」と章男社長。
北朝鮮、飛翔体2発を発射
北朝鮮は9日午後4時半ごろ2発の飛翔体発射。
飛翔体は短距離ミサイルとみられ、420キロと270キロ飛行したとしている。
今月4日にも発射しており、軍事力強化をアメリカや韓国などをけん制する狙いがあるとみられる。
韓国の文大統領は非核化に向けた対話と交渉の局面を困難にすると警告した。
防衛省では、アメリカや韓国などとしっかり連携して情報の収集・分析や警戒監視に万全を尽くすとした。
泉佐野市など4市町除外へ
来月から実施するふるさと納税の新制度で、総務省が泉佐野市など4つの市や町を除外する方向が分かった。
対象外の4市町は昨年11月以降、基準に反する過度な返礼品を贈り、多額の寄付を集めたのが理由だが、泉佐野市は地方分権に逆行すると反発している。
来月から始まるふるさと納税の新制度では返礼品を寄付額の3割以下の地場産品に限定している。
オプジーボの副作用追記
小野薬品工業は、がん治療薬オプジーボが脳に重大な副作用を起こしうると薬の添付文書に記載したと発表。
オプジーボを投与された11人に脳の機能障害を発症したとして、厚生労働省が副作用の追記を指示。
因果関係はわかっていないが11人のうち一人が死亡した。
トランプ氏「一歩も引かない」
米中協議瀬戸際の応酬
トランプ大統領は、「中国が米国の労働者の仕事を奪うのをやめるまで一歩も引かない。そうしなければ中国とビジネスはしない。中国が約束を破ったからだ」と演説。
アメリカが重視する知的財産権をめぐり合意文書案の修正を求めた中国を強く非難。
米通商代表部は2000億ドル(約22兆円)相当の追加関税を10%から25%に引き上げを発表。
協議ではどこまで中国が譲歩するのかが焦点となる。
中国側は関税引き上げが実施されれば対抗措置も辞さない姿勢
急な円高に警戒感も
高田さん
連休前に比べて2円以上円高になっている。
そもそもアメリカの金利が下がり日米の金利差が縮まっていたので本来で行けば円高になっていてもおかしくなかった。
円高のマグマをずっとためていたような状況なので動きやすくなる。
企業の先行きの見通しに冷や水をかける状態。
千代田化工が再建計画
千代田化工は三菱商事と三菱UFJ銀行から計1800億円の金融支援をうけることを柱とする再建計画を明らかにした。
アメリカ・ルイジアナ州のLNGプラント工事で費用が拡大したことで業績が悪化し、19年3月期は2149億円の最終赤字となった。
三菱商事は700億円で優先株を取得するほか、900億円の融資で財務面を支援する。CEOなどの役職を派遣する。
トレたま:ペットボトルビールサーバー
T.T.File-5007
オーケイ機工の岡本さんの手作り。
コックを強く握るとビールが。軽く握ると泡がでると本格的。
ペットボトルをクーラーボックスで冷やせばどこでも冷え冷えのビールが飲める。
ペットボトルにビールを入れるのが少し難点。
普通の缶ビールからゆっくり気泡が抜けないように慎重に入れる。
加えて、空気入れでもう一方のペットボトルに入れてその圧力で入れている。
日本は投資収益重視の
ソフトバンクモデルへ
いま日本企業の戦略がソフトバンクモデルといえるくらい、新しい日本のビジネスモデルになろうとしている。
従来は製造業が貿易で利益を確保するトヨタモデル。それに対して、ソフトバンクモデルは投資で稼ぐ形。
非常に安い金利で借りれて投資ができる。グローバルにどこにお金をつぎ込むか、ポートフォリオを考える。
これからの日本の姿かもしれない。
- 前の記事
WBS 2019/5/8(水) 2019.05.12
- 次の記事
WBS 2019/5/10(金) 2019.05.15