WBS 2020/7/3(金)

東京124人が感染、どう見る?

今日の都内の新規感染者は124人。
昨日よりも17人増え、増加傾向が続いています。

感染者の内訳です。
年齢別にみると20代が最も多く60人。
30代と合わせて全体のおよそ8割を占めます。
また夜の街関連の人も58人含まれます。

小池知事が強調したのはPCR検査の実施数の増加。
緊急事態宣言が始まった頃は1000件ほどでしたが、今は2000件を超えます。

一方そのうちの陽性率はピーク時には30%を超えていましたが、今は5%程度にとどまっています。
つまり検査数が増えたことが新規感染者数の増加につながったという見方です。

ただ感染症が専門の堀教授は楽観論に警鐘を鳴らします。

「感染の拡大が加速している。2~4週間後には4月を超える流行になってしまうかもしれない」

別の専門家も

国際医療福祉大学 松本主任教授
「前みたいなステホームに戻れない。感染者を抑制するための打つ手がないので1日当たり200人を超えることもあり得る」

国際医療福祉大学 和田教授
「行動制限が緩まっていたため、このような感染拡大は想定していた。地域の皆様には感染対策を1段階強化してほしい」

専門家も懸念する感染拡大。
新宿区とともに感染者が増加しているのが繁華街池袋のある豊島区です。
都内で124人の感染者が発表された後、池袋のバーを訪ねてみると、客の姿はありません。

この店では客席にアクリル板を設置するなどし、ようやく感染拡大前の6割ほど客が戻ってきていましたが。

その豊島区を小池都知事が訪問。
池袋エリアの飲食店の経営者等に対しPCR検査を従業員に受けさせるよう求めました。
高野区長は池袋にある9つのホストクラブのすべての従業員にPCR検査を求める方針を明らかにしました。

経済を再開しながら感染拡大をどう防ぐべきか。

夜の街以外も、しかし休業要請は

東京港区で今日オープンしたビアガーデン。
去年に比べて席の数を3分の1にまで減らすなど感染防止策を実施。
あいにくの天候の中、今夜は6組が来店しました。

キャバクラやホストクラブなど接客を伴う飲食店をさす夜の街。
ただ最近ではそれ以外の一般的な居酒屋などでも感染は拡大しています。

直近2週間の平均では、およそ6割が夜の街以外の感染で、今日も9人が飲食店での会食の場で感染しています。

堀教授
「全く違う世界で生きてる人たちが勝手に完成してるということはなくて、行かない人達と触れ合わないわけではなくて、実は会社とか、いろんな空間で触れてる可能性があるということ

さらにオフィスでも6人が感染するなど、あらゆる場所での感染が広がれば都は再び休業要請をすることになるのでしょうか。

以前は国に先んじて外出自粛を呼びかけた小池知事ですが、国の対応を見守る姿勢を強調しました。

高機能マスク続々、使い捨ては価格下落

感染者数が増加する中、手放せないのがマスクです。
今意外な動きが出てきています

街中では使い捨てマスクの他、繰り返し使えるなど機能性を高めたマスクも多く見かけるようになりました。
スーツメーカーのコナカ
開店と同時に多くの客の姿が。
お目当ては今日発売した高機能マスクです。

ワイシャツに使われている通気性や吸水速乾性に優れたニット素材を採用した夏用の高機能マスク。
繰り返し洗って使うこともできます。

新型コロナの影響で、卒業式や入社式などの中止が相次いだことで、主力のスーツ関連の売り上げはおよそ5割減少。

コナカ経営企画室 堀江部長
「ワイシャツ工場に発注ができなくなりまして、そちらの工場を守る意味で洋服屋としてできることはないかという形で作り始めました」

ワイシャツ生地を使うことで、存続危機にあった取引先の工場を食うことにもつながりました。
発売初日に既に完売した店もあるなど、今や高機能マスクは人気商品。

先月ユニクロが肌触りの良いエアリズム素材を使ったマスクを発売。

また家電メーカーのアイリスオーヤマも通気性の良い夏マスクを市場に投入しています。

一方、一時品薄状態だった使い捨てマスクはどうなっているのでしょうか。
多くの店がこぞってマスクの販売を始めたマスクの街新大久保。
5月初めに訪ねてみると50枚で3000円台でしたが、6月に入ると5月と比べ半分以下の値段に。
今日再び以前取材した食料品店を訪ねてみると。
850円と、さらに150円値下がりしていました。
1万円あたり17円の計算になります。

国産のマスクも出回ったことや繰り返し使える高機能マスクが普及したため、大量に仕入れた外国産の使い捨てマスクが行き場を失っている状態です。
実際にマスクの販売価格の推移を見てみても。

4月中頃は高騰し、一枚80円になった日もありましたが、その後5月、6月とどんどん値段が下がり今日の価格は16円となっています。

1枚5円?在庫マスク激安買取のワケ

使い捨てマスクの価格が下がる中でこんな異変が。
こちらは在庫買取大手のshoichi
売れ残ったブランド服を年間およそ1000万着買取り、自社の通販サイトなどで割安で販売しています。
この日事務所に置かれていたのは中国製のマスクです。
ゴールデンウィークあたりから50件から60件買取の依頼が殺到。
1回に800万枚のマスクを買い取ったことも。

今回の依頼者は3月に中国製のマスクを1枚30円で100万枚仕入れましたが、その後供給量が急激に増えたため50万枚の在庫を抱えていました。
安いもので1枚5円ほど。
50枚入りで250円です。

それでも保管するだけで倉庫代がかさむため、赤字でも手放したい業者が多いといいます。
買い取ったマスクは毎日大量に消費する飲食店やガソリンスタンドなどに安く販売しています。

10万円給付金の使い道は?

行方が気になるものといえば10万円の給付金です。
支給が始まっておよそ2ヶ月。
今の状況はどうなっているのでしょうか。

1日までの給付率は総世帯数の74.4%。
3/4の世帯に既に支給されています。

家計簿アプリマネーフォワードの調査によりますと10万円の使い道に上がった1位は生活費。
2位は預貯金。
3位は旅行や娯楽でした。

先ほどの調査でも実は13%の人が投資資金と回答していました。
新型コロナの感染拡大により株式相場が大きく動いたことで、給付金を投資に使おうと考えたといいます。

実際には投資を始める人が増えています。

WBSがネット証券大手5社の新規口座開設数をまとめたところ株式相場が大きく動いた3月は1年前と比べて3倍。
4月以降もおよそ2倍という高い伸びが続いています。

外出を避けて自宅に巣ごもりする時間が長いことも影響していました。
証券会社のトップに聞いてみると。

SMBC日興証券 近藤社長
「裾野は広がってると思います。資産形成層の拡大というものが我々証券業界のテーマでもあると思っております。長期投資をすること、積立投資をすることにより時間の分散を図ることによって、成功体験を積みやすくなってくる。」

自粛で進化? 料理・バス旅

外出を控える動きは新たなビジネスの芽も生んでいます。
千葉県山武市のキャンプ場。
車から降りてきた一人の男性、鳥海さんです。
キャンプ場のスタッフに案内された先には、こちらのキャンプ場では農業体験のため常に10種類ほどの野菜を育てています。
しかし外出自粛の影響で利用客が7割も減り、多くの野菜が廃棄されています。
鳥海さんこの野菜を救おうというのです。

鳥海さんは去年の台風15号で被災した農家を救うためチバベジという団体を設立。
規格外の野菜などスーパーでは売れないものを独自に販売してきました。

キャンプ場で受け取ったのはズッキーニ20本、1本100円で買い取りました。
農家を回って新型コロナの影響などで販路を失った野菜を集め販売するためです。

こうした野菜の販路を広げようと新たな取り組みを始めていました。
鳥海さん達が始めたのはオンライン料理教室
授業で使う野菜は事前に送ります。

講師を勤めるシェフも新型コロナの影響で店が休業などに追い込まれた人達。
この日は揚げ野菜。
行き場を失った野菜をフル活用したレシピを教えてくれます。

オンライン料理教室の価格は野菜とセットで1880円から。
この取り組みを今後も続けていくつもりだと言います。

一方オンラインに商機を見出す動きは他の業界でも。
香川県のバス会社を尋ねると、使われていないバスがずらりと並んでいました。
そこで生き残りをかけてある取り組みを始めました。

ドライバーの格好をしたこちらの女性。
手には手作りのハンドル。一体何が始まるのでしょうか。

実はこれ日本初というオンラインバスツアー
ビデオ会議システムを使って観光地を案内するもので、この日は徳島県に向かうツアーです。
参加者には事前に旅のしおりと、ツアー中に食べる地元の名産品、そして雰囲気を盛り上げるシートベルトが届きます。

旅の目的地は日本三大秘境の一つ徳島県の祖谷渓です。
画面に映し出されるのは事前に撮影された車窓の風景。

地元ガイドの説明を聞きながら目的地へと向かいます。
バスツアーの定番クイズコーナーや、土産物屋をのぞきながら食べる時間も。

そして目的地に到着です。
旅のクライマックス、祖谷のかずら橋。
ここからはライブの映像。
地元の自治体職員がスマホで撮影しながら実際に渡ります。

さらにオンラインで集合写真まで。
ツアー時間は一時間半、お土産代も含めて料金は4980円です。

予想以上の反響を受けて、従来のバスツアーが再開した後も定期的に続けていく予定だと言います。

琴平バス 楠木社長
「お試し観光的な形でこのオンラインツアーを使っていただいて、収束後、実際の来訪につなげていく。地域プロモーションという観点でもすごく有効な手段」

新型コロナウイルス関連ニュース

日本国内の感染者数は今日、5月3日以来2ヶ月ぶりに200人を超え合わせて19260人となりました。
東京の124人のほか、埼玉で26人、神奈川で24人、大阪で11人、鹿児島で19人など二桁の増加が相次ぎました。
鹿児島では接待を伴う飲食店でクラスターが発生したとみられています。

回復した人の数は94人増え16851人となっています。
亡くなった人の数は前の日から変わらず977人となっています。

売上が落ち込む小売や飲食業を支援します。
カード大手のアメリカンエキスプレスはカード会員を対象に日本国内の中小店舗およそ10万店で、クレジットカード決済した代金から最大で5000円をキャッシュバックするキャンペーンを始めました。
また除菌用のハンドスプレーなどを無償で提供し、自粛していた加盟店の営業再開を支援します。

ドローンで医療用品を届けます。
メキシコの医薬品物流会社がフェイスシールドや手袋不足で苦しむ病院へ、それらの品物をドローンで運び寄付しています。
病院の関係者はお互い接触することがなく、不足しているものを迅速に運んでくれるドローン配送を高く評価しています。

世界で17種類のワクチンが治験に入っています。
WHO世界保健機関は現在世界各地で17種類のワクチンが治験に入っていると発表しました。
また治験に入っていないものの開発が進められているワクチンは150種類以上あり、世界各地で開発に向けた努力が続けられています。

都内連日の100人超
4月との違いは

滝田さん

東京都内の感染者数はぐっと上がってきてますけれども、マスク価格青い線は下がり気味。
4月の頭から5月にかけてなんですけれども、品不足の問題あった。
マスクが手に入らない、しかもコロナは怖いということで不安の増殖が起こっていた。

マスクが余ってくるということになると値段も安くマスクが手に入るということで、ある程度の安全策が取れるようになったってのが大きいですよね。

第二波の心配があるんだったら食料品とか医薬品、そういったものはあらかじめ災害に備える格好で備蓄するということをみんな学んでるんじゃないかな。
その違いも大きいと思います。

香港国安法で広がる恐怖
禁句で逮捕、海外脱出も

1日に行われた香港のデモ。
国家安全法違反で10人が逮捕された。
証拠として警察は鞄に入っていた香港独立の旗や光復香港、香港を取り戻せと書かれたTシャツやビラなどをあげている。

そして香港の街で今起きているのが。
これまで香港の民主化運動を支持してきたこの店。
店内に貼られていた付箋のメッセージが国家安全法違反に該当すると警告されたのだ。
国家転覆を理由に広がる事実上の言葉狩り。

香港でアグネスチョウさんなどと民主化運動を行ってきたリーダーの一人、ネイサンローさんは、香港から脱出したことを明らかにした。
アメリカ議会の公聴会に参加したため香港に戻れば国家安全法により逮捕されることが確実なためだ。

ペッパーランチ事業売却

いきなりステーキが114店舗を閉鎖します。
いきなりステーキを展開する大手外食チェーンペッパーフードサービスが、主力のペッパーランチを投資ファンドJ-STARに85億円で売却すると発表しました。
いきなりステーキを含めた114店を閉店し、200人程度の希望退職者を募集します。
またアメリカの連結子会社も破産を申請していて、アメリカでの事業から撤退します。

高速道路のETC専用化

国土交通省が高速道路の現金向け料金所を廃止し、全国の高速道路のETC専用化を検討していることについて、赤羽大臣がクレジットカードを持たない人への対策を検討する考えを明らかにしました。
料金所の係員とドライバーが現金をやり取りすると新型コロナウイルスへの感染リスクが高まるため、新たな生活様式の観点からもETC専用化を議論していくとしています。

税収3年ぶりに前年割れ

財務省が発表した2019年度の税収は新型コロナの影響で当初の見通しを一兆7000億円下回る、58兆4415億円と3年ぶりの減収になりました。

法人税は企業業績の悪化で補正予算を編成した時に示した見込み額より9000億円以上減少し、10兆7971億円としました。
また消費税も外出自粛に伴う消費の落ち込みなどで7000億円ほど少なくなりました。

アメリカ財務省航空5社を支援

アメリカの財務省は2日、新型コロナウイルスによる移動制限で不振にあえぐ、航空会社アメリカンやフロンティアなど5社を支援すると発表しました。
今年3月に成立した航空業界向けの経済対策費の中から250億ドル、日本円でおよそ2兆7000億円の一部を融資に使い、航空会社の資金繰りを支援する考えです。

大阪モデルを大幅緩和

大阪府は今日、新型コロナの感染状況を判断する独自の基準、大阪モデルを修正し、警戒の目安を大幅に緩和しました。
警戒の基準をこれまで感染経路不明者の数が前の週に比べて1倍以上としていたのを2倍以上に修正した他、休業要請は原則としてクラスターが発生した施設に限るとしました。

ゴーン元会長逃亡で初公判
アメリカに容疑者引き渡し請求も

トルコではプライベートジェットの運航会社MNGジェットの営業部長だったオカン・キョセメン被告とパイロット4人が、ゴーン被告を密航させた罪に。
客室乗務員2人が犯罪行為を通報しなかった罪に問われています。
キョセメン被告は逃亡計画を知らされたのはジェット機が関西国際空港を離陸した後で、家族に危害を加えると示唆されて従ったと主張していますが、検察側はキョセメン被告の口座に3300万円相当の入金があったことを確認しています。
被告は有罪が確定した場合、最高で禁固8年の実刑が下される見通しです。

また東京地検は今日ゴーン被告の逃亡を手助けしたとして、5月にアメリカで逮捕されているアメリカ人容疑者二人の引渡しを請求したと発表しました。

世界のマーケット
経済回復期待で中国上昇

今日の日経平均株価は前の日と比べて160円高い22306円で取引を終えました。
中国の上海総合は今日発表された非製造業の景気に関する指標が改善したことから経済回復を期待して2%上昇し、年初来高値を更新しました。
中国を代表する株価指数CSI300は5年ぶりの高値を付けています。

現在も取引が続くヨーロッパでは何も下落となっています。
ニューヨーク市場は休場です。

円相場は現在1ドル107円40銭台~50銭台で取り引きされています。

リニア新幹線開業延期へ

JR東海は静岡県との対立で準備工事の着手が遅れているリニア中央新幹線について、静岡県側が着工を認めないとの見解を示したことを受け、2027年の開業延期を事実上を表明しました。
JR東海と静岡県はトンネルの掘削工事に伴って大井川の流水量が減少する問題への対策で対立していました。

年金運用8兆円超赤字

公的年金を運用するGPIF年金積立金管理運用独立行政法人は2019年度の運用実績が8兆2831億円の赤字になったと発表しました。
年間での赤字は4年ぶりです。
新型コロナウイルスによる世界的な株価の下落が原因で、損失額としてはリーマンショックのあった2008年度に次ぐ過去2番目の大きさでした。

日本株市場で影響力増す
2頭の鯨

滝田さん

今年度に入って株価回復してますから4-6月期で見ると、またプラスになってると思います。
そこ忘れちゃいけないですよね。

むしろ気になるのはこれなんですよね。
GPIFと日本銀行が日本の株式市場のクジラになってるんじゃないかなと。
2つ合わせますと日本株の保有額ってのは66兆円を超えてる。
東証時価総額に対して12%に達してるわけですよね。

12%ってすごい規模ですから、ガバナンスの点はちょっと考えといた方がいい論点だと思います。

鹿児島でさらに11人感染

鹿児島市が先ほど新たに11人が新型コロナに感染したと発表しました。
県内で今日感染が確認された人は合わせて30人となりまいsた。
これにより今日の国内の感染者は250人となりました。

香港問題を巡り
際立つ各国の温度差

Q:香港問題への対処なんですけれども、国際社会特にG7では結束しているんでしょうか?

滝田さん

残念ながら抜け駆けがいるんですよね。
中国が主導の一帯一路フォーラムに入ってるイタリアなんですよね。
チャイナマネーにかすめ取られている感じがしてしょうがない。

もう一つはG7参加を打診されたとされる韓国なんですけど中国に忖度して逃げている。
自由や法の支配が問われているわけで、沈黙は金どころか、沈黙やカネじゃダメなんですよ。
やっぱり言うべきこと言わなきゃいけないと思います。