WBS 2021/5/3(月)

インド、医療崩壊で混乱
首都ロックダウン延長

3月中旬以降感染拡大が止まらないインド、5月1日には新規感染者が40万人を超えました。
ニューデリーでは今月3日までとしていたロックダウンの期限を一週間延長。
現在開いているのは食料品店や薬局などだけです。

13億人の人口を抱えるインド。
これまでワクチン接種を行ったのは1割ほど。
インド政府は感染者急増を受け、45歳以上だったワクチン接種を18歳以上にも拡大しました。

こちらの病院では大きな混乱は見られませんでしたが、インド各地ではワクチン接種の予約システムに関するトラブルが相次いでいる他、南部ではワクチン不足のため対象を拡大できないという声も。
またコロナ患者の病床や医療用の酸素が不足するなど医療崩壊も起きています。

変異ウイルスに新事実

感染者が急増した背景にあるのは今インドで流行している感染力の強い新たな変異ウイルスの存在です。
そのインド型の変異ウイルスについて、東京大学や熊本大学などの研究チームが明らかにしたのはインド型などの変異ウイルスに感染すると免疫が十分に働かない可能性があるということです。
このインド型は日本人のおよそ6割が持つ白血球の免疫システムをすり抜ける特徴を持っているといいます。

携帯各社続々、オンライン診療
ソフトバンク6月開始へ

週末都内の診療所。
医師がタブレット端末を使ってを行っていたのがオンライン診療。

診療を受けているのは花粉症の免疫療法を行っている患者です。
オンライン診療はスマートフォンやパソコンを使い、予約・診療・決済までをどこでも行えます。
医師が薬を処方した場合は、指定しておいた近くの薬局に取りに行くか、配送してもらうことも可能です。
こちらではコロナ前は月に2人だった利用者が去年4月には月100人以上に増えました。

こちらの診療所が使っているのがオンライン診療システム「クロン」です。
全国でおよそ5000の医療機関が導入していて、開発したのは医療ベンチャーのMICINです。
そのMICIN、組んだのがKDDI。
KDDIのアプリに今月末から新たにオンライン診療の機能が加わります。

オンライン診療を巡っては携帯事業者の参入が相次いでいて、NTTドコモは別の医療ベンチャーと資本業務提携を結び、オンライン診療アプリを共同運営することを発表。
さらにソフトバンクは来月、オンライン診療サービスを開始することがテレビ東京の取材で分かりました。

手掛けるのは子会社のヘルスケアテクノロジーズです。
現在は診療ではなく、健康相談ができるアプリ、ヘルポを運用。
医師や看護師が24時間チャットで対応します。

さらに来月以降は、診療手掛ける複数の企業と手を組みサービスを開始する予定です。

オンライン診療恒久化へ
コロナ後も2/3が継続希望

原田さん
総理官邸は6月の骨太の方針に今これ盛り込みたいと考えてるんですよね。
ただ専門家を集めた会議では日本医師会の幹部が重大な事故が報告されてないけど本当にないのかという発言をしたりしてるんですね。

患者さん側がMICINの調査によると2/3が慢性疾患つまり高血圧だとか通院を続ける意味でオンライン診療使ってると。
コロナも怖いし薬もこれでもらえるんだったらこれでいいんじゃないかという声なんですね。
しかも大体6割の人がコロナが終わった後も続けたいと思う。

現状だとオンライン診療は対面の診療よりお医者さんが受け取る診療報酬が対面より安い。
今度恒久化をする時同時に診療報酬の体系も同じくらいにするなどが大事だと思う。

今回のような携帯キャリアがですね参入することでより安心ができてその信頼できるサービスにしていけば広がると思います。
病院経営の効率化が進みますし、患者さんは通院の待ち時間が減ると思います。

消費意欲を使めGW商戦
近場の大自然でプチ贅沢

都内のシェラトン都ホテルが販売するアフタヌーンティーのテイクアウトセットなんです。
一つ8000円となかなか高級ではありますが1日に30セットが売れるほど人気なんです。

ある調査会社がゴールデンウィークにかける金額を聞きましたところ、去年よりも2割ほど増えていまして消費意欲が高まっていることがわかりました。

埼玉県飯能市のアウトドア施設。
キャンプ用品や食事が用意され、気軽にキャンプを楽しめるグランピングの施設。
価格は一人一泊21000円。
ちょっとした贅沢を楽しみたい人に人気で連休中の予約は一杯です。
県境をまたぐ移動の自粛の影響で利用者のほとんどが埼玉県内からです。
敷地内にあるバーベキュー場では現在アルコールの提供や持ち込みを中止しています。

家でプチ贅沢売れ筋弁当は

そして緊急事態宣言の中、百貨店が力を入れているのが、弁当の販売です。
売れ筋にも変化が。
和牛カルビが6枚乗った叙々苑のカルビ弁当。
2900円という価格にも関わらず、売り上げを伸ばしています。

さらにネットでの母の日向けの弁当の売り上げはコロナ前に比べ10倍に。
帰省出来ない人が5000円を超える弁当を贈ったり、お取り寄せで楽しんだりするケースが増えたと言います。

究極のお取り寄せサービス

そんな中、究極のお取り寄せとも言えるサービスが人気となっていました。
大きな荷物を抱えた男性が一軒のお宅に。
全身の消毒を始めました。
家に入るとそのままキッチンへと向かいます。
この人何者かと言うと、イタリアンレストランで料理長も務めた出張シェフなんです。

注文したのはこちらの加藤さん一家。
87歳のお母さんに一足早い母の日のプレゼントです。

加藤さんが利用したのが1300人以上のプロのシェフを家庭に派遣するシェアダイン
今回の千葉シェフの料金は食材費別で13200円とちょっと高めですが一人あたりにすると3300円です。
家の中なら料理と一緒にお酒も楽しめます。

そして千葉シェフのもとにはゴールデンウィーク中、1日に20件もの問い合わせがあったと言います。
コロナ禍で売り上げが5倍となったシェアダイン。
食店の閉店や休業が相次ぐなかシェフ側からのニーズも高まっています。

デジタルの価値生むNFT
VRアートが1300万円

ムンクの叫びなんですが2012年のオークションで96億円という価格で落札されました。
このムンクの叫びに引けを取らない価格がデジタルアートです。
コンピューターを使って制作されたものでして、アーティストが十数年かけて毎日コツコツ描いた5000枚のスケッチを一枚の絵にまとめたというものなんです。
この作品デジタルデータですので、通常の絵画のように手で触ることはできないものです。
それにもかかわらず今年の3月オークションに出されますと75億円で落札されました。

この他にもTwitterのCEOのツイートが3億円で落札されたり、プロバスケットボールNBAが発行するデジタルトレーディングカードに2200万円の値段が付いたりしています。
デジタルデータと言いますがコピーが簡単にできますので今までは価値がつきにくいものでした。
NFTという新たな技術によって莫大な富を生み出すものになりつつあります。

東京都内のオフィス、ある変わった作品を手がけるアーティストがいると。
ゴーグルを着けた女性が中に描いていたのは火の鳥。
キャラクターから背景まで立体で表現したVRアートです。
VRアーティストとして5年以上活動しているせきぐちあいみさん。

そんな関口さん最近ある挑戦をして大きな収入を得ました。
「こちらの作品をNFTアートという形にオークションに出して1300万円で落札いただきました。」

こちらが1300万円の値がついたVRアート。
NFTと呼ばれるデジタル証明書を活用しています。
直訳すると替えがきかない印という意味です。
通常のデジタルデータはコピーを作ると元のデータと見分けがつかなくなる為、全てのデータが同じ価値を持つことになります。
しかしNFTをつけておけば元のデータを特定できるため、この世にひとつしかない本物として希少価値が生まれることになります。
NFTの核となっているのがビットコインなどの暗号資産にも使われているブロックチェーンです。
複数のコンピューターでデータを管理し情報を改ざんしにくくする技術です。

関口さんは国内外のライブパフォーマンスで稼いできましたが、コロナ禍でそうした活動も困難になっていました。
デジタルデータに価値がつくNFTに希望を見出しています。

スポーツ観戦が進化

このNFTでスポーツの新たな楽しみ方を作り出す取り組みも。
DeNA傘下のバスケットボールチーム川崎ブレイブサンダース。
先週の試合でスマホを使った新しいサービスを試験的に始めました。
ファン歴5年の小野さん、早速試します。
選手一人一人がデジタルのカードになっていて、実際の試合で活躍しそうな選手を5枚選んでチームを組みます。
選んだ選手が3ポイントシュートを決めるなど活躍するとリアルタイムでポイントが加算。
このポイントを参加者が競うゲームです。

実はこのカードを一枚一枚にNFTがついていて、誰が持っていて、どの試合に使ったかなどがすべて記録されます。
このNFTの特性を生かして、10月の本格稼働の際にはファン同士でカードを交換したり、金銭で売買したりといった、トレーディングの機能の導入を目指しています。

NFTをスポーツ観戦やスマホゲームなどより身近なものに応用することでNFTの可能性を広げたいといいます。

新型コロナ関連ニュース

今日新たに感染が確認された人の数は4290人でした。
重症者の数が昨日よりも34人増えて過去最多となる1084人でした。

感染の急拡大を受けて北海道も対策を強化します。
北海道の鈴木知事は特別措置法に基づく蔓延防止等重点措置を札幌市に適用するよう、明後日にも国に要請する方針を示しました。
北海道では昨日新規感染者がこれまでで最も多くなり、札幌市の病床使用率は9割を超えています。
明後日東京オリンピックに向けたマラソン競技のテスト大会が開かれる予定ですが、鈴木知事は必要最小限の規模に抑え万全の感染対策をとるよう主催者に申し入れる考えを示しました。

申し込みが殺到し対応できなくなりました。
横浜市は今日からスタートした高齢者向けのワクチン接種の予約受付について、開始直後から申込みが殺到したため受付を中止したと発表しました。
午前9時から専用サイトと電話で受け付けを始めたところサイトへのアクセスや電話が集中して予約ができなくなったため、開始から1時間弱で受付を中止したということです。
明日改めて発表すると。

宿泊前に検査結果が分かります。
プリンスホテルは宿泊客がPCR検査を事前に受けられるプランを始めます。
郵送で届く検査キットで検体を採取し検査機関に提出すると宿泊の前日までに結果がわかる仕組みです。
将来的には宿泊客全員が検査を受けられる体制を整えたい考えです。

屋内イベントの再開に向けて実験的に開かれました。
イギリスリバプールで2日、屋内のイベントがどれくらい感染の拡大に影響するかを調べるため野外での音楽フェスティバルが開かれました。
政府による調査研究の一環でおよそ5000人の観客は事前の検査で陰性だと証明すればマスクをせず密集した状態での参加を認められました。
参加者は5日後に再び検査を受け、結果を研究機関に送ることになっています。

日米、対中国で連携を強化

ロンドンを訪れている茂木外務大臣は3日、アメリカのブリンケン国務長官と会談し、中国を念頭に半導体のサプライチェーンの多元化など経済安全保障分野でも連携を強化していくことを確認しました。
アメリカの新たな北朝鮮政策の説明を受け、完全非核化の実現に向けて緊密に協力することも確認しました。

菅総理、改憲に意欲

菅総理大臣は改憲派の集会によせたビデオメッセージで、新型コロナウイルスなど緊急事態への対応を憲法に明記する必要性を訴えました。
また、国会で継続審議が続く国民投票法改正案の成立にも意欲を示しました。

野口さん、宇宙から無事帰還

宇宙ステーションにおよそ半年にわたって滞在した宇宙飛行士の野口聡一さんを乗せた宇宙船クルードラゴンが2日、フロリダ州沖に着水し、無事に帰還しました。
テキサス州の施設に移動し、重力に体を慣らすためのリハビリを始めているということです。

経済安保担当の役員要請へ

アメリカと中国の対立が深まる中、半導体や通信、IT、原子力など重要分野の企業に対し、安全保障担当の役員の設置を要請する検討を始めたことがわかりました。
また経済団体などに呼びかけ、重要技術の流出防止や中国に過度に依存しないサプライチェーンに関する課題などを検証する協議の場を年内にも設ける方針です。

情報はギブアンドテイク
日本企業にも経済安全保障

原田さん

アメリカやイギリス、オーストラリア、カナダ、ニュージーランド、この5カ国のファイブアイズと連携をしようと言うことで、そこで情報交換をする理由なんですが、その時に情報ってのはギブアンドテイクですね。
しかも信頼に足る相手だよなければ情報教えてもらえないという問題があります。
特にサイバー攻撃にあった時に機密情報にアクセスできるという資格がセキュリティクリアランスというSC。
アメリカでは民間の人を含めて480万人もの人が資格を持ってる。
各国こういう資格を持ってる人がいる。
日本だけが民間の人が資格を持ってないということです。
資格は犯罪歴がないとか麻薬使わないとか、家族構成とか。
お金もらうと漏らすような人がいると困りますから経済状況もチェックするとか。

オーストラリアの例が参考になると思うんですけれど、
制度を運用するとお金がかかるんですね。
オーストラリアは企業にその負担を求めてると。
つまり企業側はその情報を得ることで自らのビジネスリスクを理解できることがプラスになりますから、日本もそういう事考えなくちゃいけないんじゃないでしょうか。

投資の神様バフェット氏
個人投資家の投機に警鐘

投資の神様と呼ばれるウォーレン・バフェット氏、現在90歳です。
バークシャーハサウェイを経営し、総資産は960億ドル、日本円で10兆円を超えていて、アメリカの経済誌フォーブスが発表する世界の長者番付で毎年上位に名を連ねています。
1日、自身の投資会社の株主総会で個人投資家によるリスクの高い投機的な株取引に警鐘を鳴らしました。

バフェット氏は外出禁止などで若い世代の個人投資家が増えて、初心者がリスクの高い取引に関わっているとして、多くの人がカジノにいると指摘しました。
そして一部の銘柄の乱高下に繋がった株取引アプリ、ロビンフットなどを例に挙げてギャンブルを誘発していると非難しました。
世界中から注目されていて例年では総会に数万人が参加しますが、新型コロナの影響で2年連続でオンラインでの開催となりました。
バフェット氏は長期的に株を保有し、企業の成長を後押しすることで知られていることから、こうした投機的な動きに警鐘を鳴らした格好です。

トレたま:廃材で作ったチョコレート

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今日のトレたまはチョコレートの原料であるカカオ豆を生産する際にできるカカオの木の枝や葉っぱ、殻を混ぜ込んだチョコレート。
捨てられていた廃材を使うことでは風味は一般的なチョコレートとは違ったものになります。

開発したのは菓子メーカーではなく不動産情報サービスを手がけるライフルです。
環境問題に対する社会的な関心を高めるため、これまでも間伐材を使ったケーキなどを開発してきたんですね。

カカオ豆の価格は2015年をピークに、低迷していてアフリカなどのカカオ農家の多くは貧困に悩まされているそうです。
これまで捨てていたものに食材としての新たな価値をつくることで、少しでもこの問題の解決につなげたいと今回のチョコレートを開発したそうです。