WBS 2020/4/30(木)

コロナショックどうなる世界経済
緊急事態宣言 どう解除

午後7時半過ぎ、小池知事は都内の新規感染者数が2日続けて50人を割り込んだことについて。
「居力いただいている部分とそれからの様々な検査体制等の複数の状況が重なってると思います。ここからがより重要な時期になってくる」

今日の新規感染者数は46人と昨日とほぼ横ばいでした。
この数字の評価について総理周辺は
「46人は少ない今週は1ランク下がった」

一方北海道では今日新たに41人の感染を確認。
拡大傾向が続いています。

国内の感染者数はこれまでに14000人を超え、亡くなった人も400人を超えています。
来月6日を期限としている緊急事態宣言の期間について先ほど安倍総理大臣は
「5月7日から日常に戻ることは困難と考えます。ある程度の持久戦は覚悟しなければならない」

夕方自民党の二階幹事長と会談し、緊急事態宣言を延長する方針を伝えました。
この中で安倍総理大臣は緊急事態宣言の解除について、重要な認識を示したことがテレビ東京の取材で分かりました。
「全国を対象に1か月ほど延長して、状況がいいところから徐々に緊急事態宣言を解除するのがいいだろう」
そうしないと経済に影響が出る。
政権幹部によりますと、宣言の解除については状況が改善した地域から段階的に解除する意向を示したということです。

10万円給付開始 独自策も

今日、参議院本会議で現金一律10万円給付などの経済対策を盛り込んだ補正予算が成立。
政府は国民への現金10万円の給付を1日でも早く実現することを目指しています。

一部の自治体では早速、青森県の西目屋村では今夜役場の職員が希望する高齢者など8世帯を訪ね、10万円を手渡ししました。
受給者には給付金にまつわる詐欺についての説明なども行いました。

また北海道東川町でも、地元の金融機関が給付分の10万円を無利子で融資し、先払いするという独自の手法で給付を始めました。
給付金を受け取った人は、多くの人が生活費にあてると答えました。

こうした中、市民への給付金を活用して地元の中小企業を下支えしようと独自の支援策を発表したのが川崎市です。
「名前は川崎地元応援券」
市内の飲食店や小売店で利用できるプレミアム付商品券を7月に発行すると発表。
10000円で13000円分の商品券を購入できます。

プレミアムこの10万円ですねあのこれもらっていいのとか

給付決まるも厳しい資金繰り

日本の企業の99.7%を占める中小企業への支援は急務です。
今夜成立した補正予算では収入が半分以上減った中小企業に最大200万円が支給される持続化給付金が盛り込まれました。
こちらは渋谷にある飲食店。
水炊きの専門店ですが、今月6日から休業していて店の明かりも消えています。

経営している別の店舗も閉めていて、今月の売り上げは2店舗合わせてわずか14万円。

最も頭を抱えるのが、店は休業していますが14人いる従業員には休業手当を支払う義務があり、人件費として毎月200万円かかります。
それに加え家賃が合わせて82万円。
開業資金として借りたお金の返済やその他の費用がそれぞれ50万円程度。
少なくとも毎月382万円が固定費としてかかります。

もらえる助成金は全部申請する予定で人件費に当てられる雇用調整助成金が150万円。
東京都からもらえる休業への協力金が100万円。
また国が売り上げが減った企業に給付する持続化給付金が200万円で、合わせて450万円が受け取れますが、そのうち休業協力金や持続化給付金は一回きり。
自粛が長引けばその期間の固定費は自分で工面しなくてはいけません。

そこで毎月かかる家賃について建物のオーナーに交渉したといいますが、
「メールの返信が、申し訳ないのですが賃料減額に応じることが厳しい。とのこと」

重い家賃負担 支援には数兆円

中小企業に重くのしかかる家賃。
オーナー側にも苦しい事情があると不動産の仲介業者は話します。

「家賃をあてにして生活をしてるオーナーもたくさんいる。テナントからの収入が減ると銀行に返済できなくなるので、家賃の減額をすぐにはOKできない。万が一休業・廃業・出て行ってしまうと賃料収入はゼロになる。」

店が苦しむかオーナーが苦しむか。
国による家賃を求める声が強まっています。

特に家賃相場が高い東京都と大阪府の知事は今日共同で声明を出しました。
こうした声に対して安倍総理大臣は。
「追加の予算編成やるなら早い方がいい。」
追加の補正予算を組み家賃支援を行う考えですがそれには数兆円規模の財源の確保が必要です。
また、都心部と地方で家賃は大きく違う他、自社ビルで営業する飲食店もあるなど、誰にどの程度の支援をするか調整には時間がかかりそうです。

待ったなしの支援。
墨田区は区内の中小企業の倒産を防ぐため、最大で一千万円の融資を低金利で受けられる独自の制度を急遽創設。

苦境の飲食店 宅配参入を支援

国や自治体だけではなく民間企業でも中小企業を支援する動きが始まっています。
こちらは2週間休業を続けている飲食店。
ここに今朝ある大きな荷物が運ばれてきました。

カラフルな野菜がデザインされた冷蔵機能付きのボックス。
料理レシピサイトのクックパッドが今日から始める新サービスを取り入れたのです。
クックパッドマートというこのサービス。
利用客がスマホの専用アプリで注文すると、飲食店が注文された料理を準備しボックスに入れます。
客は自分で取りに来るか、500円を支払いクックパッドの配達員に自宅までの配送を依頼することが選べます。
ボックスの導入費用など飲食店側の初期費用は無料。売り上げの10%を手数料として払うだけで料理の宅配サービスが可能になります。

クックパッドは営業自粛などで苦しむ飲食店が、新たな負担無く商品を販売できるようにしました。
カフェや中華料理店など、100店舗以上が導入を希望しているといいます。

町工場に医療部品依頼で支援

中小企業を支援する動きは製造業でも。
自動車や航空機などの部品の注文が減り、今多くの町工場が苦境に立たされています。
そうした工場を救うために立ち上がったのが都内のベンチャー企業キャディ

高い技術力で金属などの部品を製造する町工場と、そうした部品を必要とする完成品メーカーをつなぐ事業を行ってきました。
キャディは全国およそ600の工場と提携。
完成品メーカーから求められた部品を分析し、それを製造できる工場を選び出して短時間で手配します。
現在は需要が急増している医療器具などの部品の製造を数多く受注しているという。

先月WBSが取材した埼玉県の人工呼吸器メーカーメトラン。
今月から月に数千台の増産体制を敷いています。
課題であった部品の供給を支えているのも実はキャディがつないだ工場です。

株価2万円台に決算は明暗

実体経済の厳しさが増す中、市場では株価が徐々に回復しています。
節目となる2万円台を回復したものの、今日株価が上昇した要因は主に海外の動きです。
抗ウイルス薬レムデシベルが治療薬として期待できるとの見方が強まり、29日のニューヨークダウが大幅に上昇。
日経平均もこの動きにつられた形です。

日銀による異例の資産買い入れなどにも支えられ、日経平均は新型コロナの影響で暴落した値幅の半分を取り戻す、半値戻しまであと一歩に迫っています。
ただ緊急事態宣言の延長が固まり、市場では経済活動再開の目処が立たず、株価の上値は重いとの見方が出ています。

こうした中、大企業の決算発表では業種によって明暗が分かれました。
大型連休中の主な航空会社の予約状況は国内線で前の年と比べ92.9%減少。
国際線に至っては実に97.7%減。
羽田空港の国際線ターミナルは暗く静まり返っていました。
今日発表された日本航空の決算でも、新型コロナの影響が色濃く現れました。

2020年1月から3月期の決算は229億円の最終赤字に転落。
経営破綻を経て2012年に再上場して以来、四半期決算で赤字となるのは初めてです。

一方好調だったのがYahooなどを傘下に持つZホールディングス
衣料品ネット通販のZOZO子会社化したことが大きく貢献し、売上高が初めて1兆円を突破しました。
いわゆる巣ごもり消費でネット通販も大きく伸び、純利益は3.8%増えました。
社長は新型コロナが収束した後の社会の変化にデジタル化を通じて貢献したいと強調しました。

ユーロ圏過去最悪 マイナス成長

ユーロ圏の1月から3月期の実質GDP域内総生産は、年率換算で前の期と比べ14.4%のマイナスとなりました。
マイナス成長は7年ぶりで、減少幅としては1995年に統計を始めて以来最悪となりました。
こうしたなかECDヨーロッパ中央銀行は理事会を開きました。

ECB ラガルド総裁
「われわれは前例のない規模と速度の経済縮小に直面している。」

ラガルド総裁はこのように述べ、必要に応じて景気刺激策を拡大させる用意があると述べました。
ただ今回は資産購入希望の拡大は見送り、主要な政策金利についても据え置きとしました。

ECB理事会の結果を受け、ヨーロッパの株価は下がっています。
午後10時50分現在ユーロ圏3カ国は揃って下落しています。
イギリスも3%近くの大幅下落となっています。

現在のニューヨーク株式相場の値です。
3指揃って下落しています。ダウは現在210ドル以上の下落となっています。
円相場現在106円50銭台で推移しています。
ニューヨーク原油は上昇しています。1バレル17ドル近辺で取引されています。

短期収束こそ経済回復への近道

緊急事態宣言ですが一か月程度延長される見通しとなりました。
経済への影響も大きくなっている中なんですが、先生はこの宣言の延長はどう見てらっしゃいますでしょうか。

学習院大学教授 伊藤元重先生

今の状況で見るとやむを得ない。
これから非常に大事なのは行動制限を時期をどこまでするのか。
期間の長さは重要になる。

一般には行動制限をすれば景気は悪くなる。
景気をよくするためには行動制限を少し緩めなきゃいけない。

行動制限か経済かという二者択一の議論がありますが、よく考えてみると。
今の状態で行動制限を緩めて経済を良くしようとすると二次感染だとか感染拡大がなかなか終わらないっていうことで、将来の経済に大きな影響があると思う。

重要なのは経済が止まってる状態なんですけども、時間が長くなればなるほど、企業の倒産、失業者が増えると。
足元の景気を犠牲にしても早く感染を抑えるような厳しい規制が必要。

感染をできるだけ短期で集中して抑えることができるとすれば、短期であれば支援も集中的に資金が使える。
長期化するとそれを整えることは難しい。

油断禁物!第2波に警戒を

山川さん

これは北海道の感染者数の推移なんですけども、第二波が今やってきてる。
少し振り返ってみますと、北海道の場合は他の府県に先駆けて2月28日に独自の緊急事態宣言出しました。
その効果が2週間ぐらい経って3月の中旬ぐらいから出てきてますね。
ただそこでやはりその緊急事態宣言を解除してるわけです。
3月19日に来てやっぱり緩んできてしまった。
なおかつ今度は政府が緊急事態宣言出しましたけども、北海道含まれませんでした。
大丈夫なのかなっていう話になってきた。
その後感染者が増えてきたんで慌てて強化するんですけどまだ効果が出ていないと。

私が一番強調したいのは、今東京都を含む全国がどの状態にあるかなんです。
3月中旬のあたり、つまり東京都も感染者数が減ってきて、少し緩んできてるでしょう。
ここの状態の可能性があるわけです。

だとするとここで緩めてしまうと第二波がきてしまうわけですから、緊急事態宣言をどうやら延長する方針だっても私は正しい決定だと思いますね。

トップアスリートから生音声
本田選手が配信サービス開始

本田選手が自ら発表したのはスマートフォン向けの音声配信サービスです。
サービス名はナウボイス
第1弾ではメジャーリーグのダルビッシュ有選手や、ゴルフの石川遼選手などトップアスリート16人の音声メッセージを聞くことができます。
テーマは「日本も子供達へ」

新型コロナウイルスの影響で休校が続く子供たちに向け、サービスの開始予定を早め期間限定で無料配信を始めました。

音声配信サービスを立ち上げた狙いは

NowDo 本田圭佑CEO
「音声でこれって言うサービスがないじゃないですか。ビジネス再度としてはすごくチャンスだと思っていた。動画だとやはりコストがかかりすぎる。テキストだと誤解を生むぐらい短い。その間を行ける手軽さとコンテンツの質を担保できるのは音声。僕はビジネスで言うとサッカーを始めたガキみたいなレベル。アスリートから何か勇気をもらえるだけではなく、自分のビジネスに生かせるようなツールとしても使ってもらえるのでは。」

小1や中3を先行再開も

休校が長期化している学校の再開について今日、萩生田文部科学大臣は明日までに一定の指針を示すと述べました。
文科省では小学1年生と6年生、中学3年生といった一部の学年の登校を先行して再開するなど、新たな選択肢を含め全国の都道府県教育委員会などへ通知する方針です。

ロボットやアプリを活用

東京都は明日から新たに二つのホテルで新型コロナウイルスの無症状や軽症の感染者を受け入れます。
八王子市のホテルではおよそ100人、墨田区のホテルではおよそ300人の受け入れが可能です。
人型ロボットペッパーを設置するなどmロボットやスマホのアプリを活用して、入居者やスタッフの負担を軽減します。

麻生大臣 コロナ基金を提案

G7主要7カ国の財務大臣は新型コロナウイルス性の対策を巡りテレビ会議を開きました。
その中で麻生財務大臣は途上国が薬などを安く使えるよう、治療薬やワクチンの開発が成功した際の特許を製薬会社などから買い取る基金の設立を提案したということです。

コロナに思う「今人類は試されている」
WBS×出口治明 #20

各界で活躍する人のリレーメッセージコロナに思う。
今夜はネット専業のライフネット生命の創業者で、現在は立命館アジア太平洋大学の学長を務める出口治明さんです。
無類の読書家として知られ歴史への造詣が深い出口さんが語るコロナ終息後の新しい世界とは。

新型コロナウイルスで世界中が苦しんでいます。
今人類がコロナから突きつけられている課題は3つだと思います。

ウイルスは人を介して伝わりますから、ステイホーム、命と安全を守るためのステイホームが第一。

第二はステイをサポートするのは、医療従事者やスーパーで働く皆さん、あるいは市役所の皆さんなどのエッセンシャルワーカーです。
この人々にどのように感謝をし、サポートするかが第三の課題。

第三の課題は、ステイホームは収入減を意味しますので、特に社会的弱者に対してどのように緊急の再分配政策が設計できるか。
この3つの課題を全世界のリーダーが競っています。

おそらく、ニューノーマルと呼ばれているコロナ後の世界では、政治に対する意識も高まり、投票率が上がると思います。
また、皆さんが指摘してるようにテレワークやオンライン授業が全世界で取り組まれています。
ペストがルネサンスを生んだように、コロナウイルスはITリテラシーを高め、政治に対する関心を高め、きっと新しい世界を招来すると信じています。

今、人類はウイルスに試されています。
何を試されているか、それはグローバルな信頼と連帯をウイルスに試されているんだと僕は思います。

みんなで知恵を出し合って、乗り切りましょう。

新型コロナウイルス関連ニュース

日本国内の感染者数は188人増え、14275人となりました。
一方退院した人の数は92人増え3451人となっています。

大学生や大学院生・短大生などの2割が新型コロナウイルスの影響で退学を検討していることが学生団体のアンケート調査で分かりました。
自身のアルバイトや親の収入が減少したことが理由だということです。

症状がなくても希望すれば検査を受けられます。
アメリカロサンゼルスは国内の主要都市で初めて希望する全ての住民に、無償で新型コロナウイルスの検査を実施すると発表しました。
感染状況をより正確に把握し、外出禁止措置の緩和を判断する上で参考にする狙いです。

わずか10日で販売を一時停止します。
楽天は20日に発売した新型コロナウイルスの検査キットについて、一時的に見合わせると発表しました。
楽天の出資先でキットを開発したジェネシスヘルスケアの社長交代が決まり、コンプライアンス体制などを見極める必要があるためということです。
販売の再開は未定で既に出荷されているキットは回収します。

コロナとの戦いで一足先に節目を迎えています。
韓国で今日新たに国内で発生した感染者がゼロになりました。
2月に新興宗教団体での集団感染が判明して以来、国内での感染者がゼロになったのは初めてです。

感染拡大は金融機関の業績にも影を落としています。
三菱UFJフィナンシャルグループは2020年3月期の純利益の予想を従来の7500億円から5200億円に下方修正すると発表しました。
傘下に置く海外の銀行の株価下落や、新型コロナウイルスによる融資先の経営悪化が響きました。
純利益の下方修正はこれで2回目となります。

世界大恐慌から学べること

伊藤先生

先日のIMFで今年の成長率は1930年代の大恐慌以来の低成長だと発表があり比べるケースが多い。
大恐慌は実は、12年続いている。
株の暴落はステージ1で、そのあとステージ2だとかステージ3がある。
コロナは現在はステージ1だと。
やっぱり対応を誤るといろんなことが出てくる。
世界全体が協力する体制が鍵になる。

トレたま:音が聞こえる耳栓

17年1月11日放送

実はこちらの耳栓よく見ると小さな穴が開いています。
耳栓ですが人の声を通します。

ではいったいどんな時に活躍するのか、電動ノコギリの音を使って体験してみました。
実は人の声と騒音は周波数帯が違うんです。
耳栓ありなしで比較すると騒音だけ小さくなっているのがわかります。
秘密はラッパのような形にあります。

騒音は湾曲した面にあたって弱まり、人の声はそのまま通過すると言います。

これが今コロナ対策に。

換気を家庭やオフィスでもしたいということが増えてきて、近所の工事の音や子供が泣く声はしゃぐ声が気になって仕事に集中できないと問い合わせがある。
この防音材カーテンがあれば換気をしながら騒音だけある程度遮断できるということなんです

エアトースCミニS
6490円

エアトースER
1408円

耳栓からカーテンへ形を変えて新たなニーズに応えようとしています。

10万円早期給付は可能

山川さん

現金給付が決まった政策決定プロセスでどうしても申し上げたいことが一つあるんですよ。
安倍総理は本当に国民に一律給付すると3ヶ月かかってしまうんだということを信じてらっしゃったんですよ。
ただ蓋を開けてみれば3ヶ月かかる人っての少ないだろうし、むしろ30万円給付の方が難しそうなところがあるわけです。
つまり誤った情報を安倍総理にあげていた人たちがいるということで、それで30万円給付の方に誘導した人たちがいる。
これは危機対応の時にトップに正確な情報を伝えることは一番大事なことなんですよね。
そこがおかしい。