WBS 2021/4/13(火)

東芝、明日臨時取締役会
車谷社長の解職議案提出か

イギリスの投資ファンドから買収提案を受けていた東芝に大きな動きがありました。
明日の臨時取締役会で車谷社長の解職議案が提出される見通しであることがテレビ東京の取材で分かりました。
東芝の複数の関係者によりますと東芝は明日午前9時に臨時取締役会を開き、取締役会議長から緊急動議の形で車谷社長の解職議案が提出される見通しだということです。
関係者によりますと解職議案はほぼ根回しが終わっているとのことです。
また車谷社長の後任には綱川会長の名前も浮上しているということです。
一方、別の関係者は車谷社長は自ら辞任を表明し、解職議案の提出は見送られるのではないかと述べていて、水面下の調整が現在も続いているものとみられます。

先週7日までにイギリスの投資ファンドCVCキャピタルパートナーズから2兆円規模の買収提案を受けていて社内で検討に入っています。
車谷社長は東芝に来る前の2017年から2018年にCVCの日本法人の会長を務めていて、今回の買収提案を巡ってはCVCと車谷社長との間の利益総販の疑いを株主から指摘されています。
東芝は明日臨時取締役会が終わった午後にも一連の経緯について会見することを検討しています。

大阪で感染1000人超
数週間後の東京は

大阪万博記念公園、東京オリンピックの聖火リレーは今日、大阪府での初日を迎えました。
感染拡大により公道での走行は中止に。
園内に設けられたコースを無観客で走るという異例のスタートとなりました。

こうした対応にも関わらず、感染拡大の勢いは止まりません。
大阪府の新規感染者は今日初めて1000人を超えました。

大阪では医療現場が再び深刻な状況に陥っています。
入院している重症者の数は今日時点で233人。
府が確保した重症患者用の病床使用率はすでに9割を超えています。
重症患者を受け入れている近畿大学病院では、コロナ患者を受け入れる病床数を増やそうとしていますが、感染症に対応できる看護師の確保などが課題になっているといいます。

こちらは東京都と大阪府の新規感染者数を7日間の平均で示したグラフです。
大阪府は3月下旬から感染者が急増していることがわかります。

大阪府は東京都よりも緊急事態宣言を3週間ほど早く解除しているため、今後東京都でも感染者の急増が懸念されています。
東京都では今日も510人の新規感染者が確認されています。

頼みのワクチンなぜ廃棄?
まん延防止首都圏でも検討

そして昨日高齢者を対象に摂取が始まったワクチン。
ワクチンの一部が廃棄されたことが明らかになりました。
廃棄されたワクチンはおよそ5回分。
大臣は接種予約のキャンセルがあった場合、65歳未満の住民に摂取することも全く制約はないと強調し、自治体側に無駄にしないよう求めました。

感染拡大は大阪だけにとどまらず、愛知県では今日新たに168人の感染を確認。
大村知事は蔓延防止等重点措置の適用を政府に要請する考えを示しました。
政府は週内にも愛知県にまん延防止措置を適用する方針ですが、千葉・埼玉・神奈川も対象とする検討に入ったことがテレビ東京の取材で明らかになりました。

原発処理水は海に放出
地元は、韓国、中国反応は?

原発事故から10年、タンクが敷地を埋め尽くしています。
その数1000基以上。
中に入っているのは処理水です。
溶け落ちた核燃料を冷やすときに出る高濃度の放射性物質を含む水を処理したものです。
処理水は今も増え続けていて、来年秋ごろにはタンクが満杯になるとされてきました。
そして今日、政府が2年後を目処に処理水を海に放出する方針を決定しました。

しかしそこには大きな課題が。

現在タンクに入った処理水には微量の放射性物質が残ったままなのです。
そこで処理水をアルプスという装置で再処理し、さらに希釈することで国際機関が定める飲み水の基準値の7分の1以下まで浄化。
その水を海に放出することになりました。

そして今回の決定に強く反発したのが韓国でした。
中国でも。

日本政府が安全性を主張しても付きまとうのが風評被害などによる経済的影響への懸念。
今回の基本方針で政府は風評被害についても東京電力が賠償すると明記しました。

コロナ禍の新たな移動手段
密を避ける電動キックボード

こちらはシェア専用の電動キックボードです。
今月末、警察庁が特例的にヘルメット無しでの走行を認可するのに合わせて、電動モビリティを扱うベンチャーLUUPは都内の一部地域でシェアサービスを始めます。
ループは去年、電動自転車のシェア事業を開始。
コロナ禍で人手の多い電車やバスを使いたくないという人たちのニーズを取り込み、1年間で規模をおよそ6倍に増やしました。
今回キックボードという新たな需要の掘り起こしを狙っています。
小型特殊自動車という扱いになり、運転するには自動車免許が必要になり、ナンバープレートやミラーなどが付いています。
2人乗りや携帯を見ながらの運転は禁止です。
走ることができるのは車道の端。
制限速度は時速15kmです。

しかし規制緩和によって自転車専用道の走行も許可されているため、場所によってはより気楽な使い方もできそうです。
アメリカやヨーロッパなどの先進国では既に移動手段として普及している電動キックボード。
ただ歩道の走行や二人乗りなどによるトラブルも発生しています。

課題も多い電動キックボードのシェアビジネスですが、ループの岡井社長は今後の展開に意欲を見せています。

イノベーションは
砂場の実験から

原田さん

サンドボックスっていうのは砂場なんですね。
この砂場に囲いをつけて、中のところは規制がかからないようにしようと。
2018年に生産性向上特別措置法という、つまり生産性向上ってイノベーション。
イノベーションを促進するために、この囲いの中でいろんな実験をして、ユーザーがプラスに動くか、マイナスの部分があるのかっていうことをはかりにかけながら、最終的なサービスにつなげていく。

アメリカだったらシリコンバレーは法律で禁止ってこと以外はなんでもやっていいという国ですけれども、日本の場合は全国統一。
そこをクリアするためにサンドボックスでいろんな仕組みを実験する。
実験がそれぞれ競争に繋がって、それがイノベーションを育てていくという役割を持つんだろうと。

創業83年老舗が一部上場
海外攻略へカギ握る商品は?

今日東証一部に上場した紀文食品
初値は1271円と公開価格を9.6%上回りました。
紀文食品の始まりは1938年。
創業から83年となる老舗がなぜ今上場したのでしょうか。

Q:このタイミングで上場を決められたというのはどういったきっかけでしょうか?

紀文食品 堤社長
「創業の理念、グローバルな事業展開をしようということを100周年の時にしっかり実現をしたい。そのためには上場という手段を使ってより確かなものにしたい。」

株式を新規発行し38億円を調達、海外で販売を拡大するための生産能力増強などに使います。
練り物メーカーで和食のイメージの強い紀文食品。
海外市場を攻略する鍵となる商品はアメリカではヘルシーヌードルという名前でアメリカ人の今の健康志向それからダイエットに適した商品。
主な原料はおからとこんにゃくで糖質は0。

通常のパスタなどを食べられない小麦アレルギーの人が購入するケースが多い他、糖質制限ダイエットのブームの追い風も受け、人気が高まっているといいます。
海外では現在北米でしか販売していませんが国内工場の生産能力を高めて、アジアやヨーロッパへの輸出を狙います。

さらに世界中で需要が伸びているのがカニ風味かまぼこ。
海外ではすり身と呼ばれる高タンパク低カロリーの食品として人気です。

コロナ封じで注目の台湾
天才デジタル大臣に聞く

さて去年の頃中で日本の成長率が大きくマイナスとなるなか、いち早くコロナを封じ込め、プラス成長を続けたのがこの台湾です。
その立役者でいま世界が注目する人物がオードリータンデジタル担当大臣ですWBSで単独インタビューしました。

天才プログラマーと称され、10代にしてアメリカシリコンバレーで起業。
トランスジェンダーを公表し、SNS上では自らの性別を無としています。
オードリータン氏は台湾史上最年少35歳でデジタル担当大臣に就任。

Q:台湾というのはこのデジタルの力で社会で政治を大きく変えてきた、まさに世界の中でも成功例だと思うんですが?

「台湾ではデジタルが人と人を結ぶものだと皆理解しています。若い人たちあるいは高齢者、テクノロジーで自分の期待を実現できるのです。市民に合わせてくれと迫るわけではありません。」

デジタル化は世代によらず暮らし社会を便利にするもの。
タン氏は若者と高齢者という両極の世代に焦点を当てることにより、デジタル化の普及につながったとときます。

「デジタル民主主義のプラットフォームがあったとしても、事実を共有できなければ残念ながらどれも実現することはできません。コロナ禍においては透明性を示すことで市民によって軌道修正できることがわかりました。市民は国の失敗を指摘することができるからです。」

去年、コロナ禍の日本では一時マスク不足が深刻に。
一方、台湾では政府が全てのマスクを買い上げデータを市民に公開。
その中心にいたのがタン氏でした。
リアルタイムでマスクがある店を見つけられるマップを3日で開発。
買い占めを防ぎ、市民に行き渡るようにしたのです。
そんな台湾でのデジタル化の鍵となったのが所有率100%に近い全民健康保険カード。
一方日本のマイナンバーカードの所有率は3割に達していません。
台湾では市民の政府への信頼が高く、その背景にはタン氏が重視する徹底した情報の開示、透明性があります。

Q:そうした社会に変わっていったのは今から何年前ぐらいからなんでしょうか?

「重要な出来事の一つが2014年のひまわり運動です。」

ひまわり学生運動は中国本土と台湾の間でサービスや貿易を解放するという協定に反対した市民による抗議運動です。
撤回を求める議会を占拠。
タン氏はこの一部始終を内部から生中継で配信しました。
運動は後に政権交代へとつながったのです。

「それ以来、台湾社会が広く政策を提示するようになりました。若者たちも社会問題により自発的に参加するようになったのです。分岐点となった重要な出来事でした。」

タン氏が提唱する新たな投票方法がクワドラティックボーティング。

主に政策面で使う想定ですが、ここでは7人のうち3人が選ばれるとします。
その特徴は一人一票ではないこと。
有権者にはポイントが与えられ、票に書いて投票する仕組みです。
例えば99ポイントを与えられたとします。
1×1などポイントを二乗したものが票となります。
一人に最大投じられるのは9票で81ポイント使います。
18ポイント余るのでこれを使い、別の2人に3の二乗の9ポイントで3票ずつ投じるなど、ポイントをさまざまに割り振ることができ、多様な投票が可能となります。

Q:民主主義国家の世論が分断されてAかBかという議論になる。クアドラティックボーティングの考え方で多様な意見を多様な形で実現するっていうことはできないんですかね?

「一部のエリートが物事を決定する状態から、誰もが新しい考えや方向性を示せるように変わっていきます。それが共同作業の精神です。クアドラティックボーティングのおかげというのもありますが、限定投票や他の投票方式でも上手く行きます。重要なのは心持ちを変えることです。」

開かれた政府を目指すタン氏。
しかし、ミャンマーの軍事クーデターや中国政府が施行した法律で事実上言論や選挙制度の自由を失った香港など、コロナ禍での民主主義への危機感がありました。

「パンデミックの最中、民主主義は世界各地で下降線をたどってしまいました。国家による監視や監視された資本主義がパンデミックを理由に人々の活動に入り込んでいます。日本と台湾は世界的な緊急事態を考える時に民主主義がより好ましい選択肢になるようもっと協力する必要があると思います。」

Q:軍事力を増していく国にデジタル民主主義という手法で対抗していくことは可能でしょうか?

「中国政府がやっているような検閲はごめんだと互いに思っているんです。人権問題もそうですが実際のところ中国政府をアンチテーゼとすることで、台湾の中では価値観の共有を加速させています。」

Q:今の日本と台湾の関係性どういう風にご覧になっていますか?

「人間の強い意志があるからと言って自然を克服できるということはないですよね。そんなことは不可能です。究極の状況は自分たちの手に負えない。自信や台風で思い知らされています。むしろ私たちは経験から打たれ強さや団結力を理解していて、それが台湾と日本を結びつけていると思います。」

「長寿と繁栄を!」

台湾の政策支える
徹底した情報公開

原田さん
我々は多数決っていうのが民主主義の大前提だと考える。
つまり二者択一ですよね。
いや、そうじゃないんじゃないかと、世の中は多様化しているし、いろんな意見、いくつも選択肢がある。
一つの政策に集中するんじゃなくて、いろんな政策の優先順位をつけてくれる。

びっくりしたんですけれども、このインタビューというのは最初から最後まで台湾の政府の方でも録画されていまして政府のホームページで公開される。

徹底的な透明性。
台湾の海峡を挟んで向こう側には中国があります。
皮肉なんですけれどデジタルが相性がいいのが共産党。
徹底的な情報の公開をやる。
ホームページに残ってるんですね。
そういうことで市民と行政あるいは政治との距離を縮めて、住民の市民の信頼度を高める。
これが、デジタルの基本哲学になってるんですね。
ここが日本に今一番足りない所じゃないかなと。

コロナ関連ニュース

今日新たに感染が確認された人の数は3456人でした。

トイレで洗った手を再び乾かせるようになります。
経団連は新型コロナの感染拡大を防ぐ目的でオフィスや工場に向けて去年5月に策定したガイドラインを改訂し、トイレに設置されているハンドドライヤーを再び利用可能とすると発表しました。
研究機関などが実験し、ドライヤーの利用による感染拡大の可能性は大きくないと結論づけたということです。
このガイドラインに従っている商業施設なども多く、今後利用が再開されるものとみられます。

顔認証システムの導入が相次いでいます。
出版大手の小学館と丸善ジュンク堂がレジのない無人店舗を公開しました。
マスクを外さなくても顔認証で入店できました。
この店では客が手に取った商品をセンサーやカメラが読み取るため、事前に顔写真やクレジットカードの情報を登録すれば手に取るだけで買い物ができます。

一方成田空港でも顔認証による実証実験が始まりました。
チェックインする際、機械がパスポートと搭乗券のデータを読み取っている間に顔を撮影し顔情報を登録します。
パスポートなどを提示しなくても保安検査場や搭乗ゲートを顔パスできる仕組みで7月から本格運用する予定です。

制限付きの旅行ツアーが登場しました。
オランダの旅行会社がギリシャのロードス島行きのツアーを開催しました。
このツアーでは8日間の滞在中客はホテルから出られません。
ホテル内のプールやレストランを利用するほか、バルコニーからビーチを眺めることしかできませんが、それでも25000人の応募があったということです。

こども庁で自民初会合

こども庁の創設に向け自民党が初会合を開きました。
自民党は今日、菅総理大臣が創設を目指すこども庁の制度設計の議論を開始しました。
責任者を務める二階幹事長は子供1番の支援で誰一人忘れることなく置き去りにされることがないように早急に議論を深めたいとしています。
幼稚園や保育園の所管など複数の省庁にまたがる課題を整理し、縦割り解消に向けて議論する見通しです。

電力・ガス、カルテルの疑い

中部電力や関西電力など合わせて5社が2018年頃から電気やガスの営業エリアや販売価格をめぐりカルテルを結んだとして、公正取引委員会は今日独占禁止法違反の疑いで立ち入り検査しました。
公正取引委員会は電力やガスの自由化で期待される自由競争を妨げる不当な取引制限に当たると見ています。
立入検査を受けた各社は、詳細についてコメントは控えるとしています。

アメリカ半導体国内増産に意欲

アメリカのバイデン大統領は12日、世界的に供給不足が続く半導体をめぐり主要企業の幹部などと協議しました。
バイデン大統領は巨額のインフラ投資を通じて技術革新を促し、国内の生産拡大や同盟国との連携強化に取り組む姿勢を示しました。
半導体の供給網については今週末の日米首脳会談でも議題の一つとなる見通しです。

外資規制違反、国会で謝罪

フジメディアホールディングスの金光社長が国会に出席し、外資規制に一時違反していたことについて、多くの方にご心配をおかけしたことを深くお詫び申し上げますと謝罪しました。
また総務省の吉田情報流通行政局長は、報告を受けた当時の対応について公表することが適切だったと述べました。
この問題を受け武田総務大臣は放送法の改正も視野に、抜本的に見直す考えを示しました。

アメリカ黒人男性射殺でデモ

アメリカ中西部ミネソタ州で11日黒人男性が警察官に射殺された事件を受けて、現場周辺では事件に抗議する数百人規模のデモが起きました。
デモ隊の一部は暴徒化して商店などへの略奪の被害が出たため、当局は州兵を動員したうえで現場周辺に12日夜から13日朝まで外出禁止令を出しました。

学びなおし支援で週休3日

経済財政諮問会議で経団連の中西会長ら民間議員は週休3日を選択できる制度の導入を提言しました。
提言では成長分野への人材の円滑な移動を進めるためにも国による教育訓練の提供が必要だとした上で、従業員の学び直しを支援するため、選択的週休3日制を導入するなど働きながら学べる環境を整備すべきだとしています。

マーケット情報

アメリカでワクチン使用の許可を判断するFDA食品医薬品局は13日、ジョンソンエンドジョンソンのワクチンについて摂取した人に血栓を伴う疾患が生じたとして摂取の一時停止を勧告しました。
6人に血栓が確認されたためでアメリカのメディアはこのうち1人が死亡したと伝えています。
この報道を受けましてニューヨーク株式市場ではダウの先物が180ドル近くを下げました。
そして現在どうなっているかと言いますとやはり180ドル以上ダウは下落しています。
そして一方のナスダックは100ポイントの上昇ということになっています。
ドル円相場、現在は109円10銭台で推移しています。

佐川急便、配送用車両に
中国製EV導入へ

宅配大手の佐川急便が東京のベンチャー企業と開発中のEV電気自動車の試作車を公開しました。
車両の製造は中国のメーカーが行います。
佐川はおよそ7200台ある配送用の軽自動車を2030年までに全てEVに置き換える計画で、EVは来年9月から導入する予定です。
このEVは一回の充電でおよそ200km走ることができ、中国の電気自動車メーカーウーリン自動車が製造します。
今後、中大型車のEV化なども進める方針です。

大阪感染者1000人超え
解決できない3つの課題

原田さん

コロナ対策は人の命と国民の生計の二つ。
日本の場合はFactorXというか、解明されていない要因で欧米に比べたらはるかに感染者数も死者数も少ないです。
これで及第点だと思ったら大間違いだと。

やっぱり失敗なんですね。

日の丸ワクチンがない。
病床の管理、機動的に増やそうという議論をしてるが全くできてない。
デジタル化、これもいろんなトラブルが続いて進んでない。

この問題を政府・政治家が直視して反省をして、ぜひ見直しをきちんとやってほしい。