WBS 2021/6/15(火)

みずほ銀行システム障害
原因は責任回避の企業風土

2月末から3月中旬にかけ立て続けに4度発生したみずほ銀行のシステム障害。
全国でATMが停止しただけでなく、挿入したキャッシュカードや通帳が戻ってこない不具合が発生しました。

しかし、問題発生から3時間半後、ネットニュース経由で知った藤原頭取。
経営陣への情報共有が遅れた実態が浮き彫りとなりました。

今日弁護士などによる第三者委員会は今回のシステム障害に関する調査報告書を公表。

「組織全般にシステムリスクに対する感度の低さがあると言わざるを得ない。間違いがあれば大きく評価を下げるような企業風土において、職員の積極的・自発的姿勢が欠ける例がしばしば見られる。」

2002年と2011年にも大規模なシステム障害を起こしたみずほ。
この二つの障害を教訓に全面刷新を決断し、2019年夏から新システムを稼動させていました。
しかし調査報告書では顧客目線が弱かったことに加え、新システム全体を理解できる人材も減っていたとして、構造的なジレンマを抱えていたとしています。

酒井社長は6ヶ月間、藤原頭取は4ヶ月間、役員報酬を50%減額するとしています。

ビットコインが国の通貨へ
中南米の小国の奇策

ニューヨーククイーンズ。
中南米からの移民が多い地区にあるこちらのレストラン。
10歳の時にエルサルバドルから移り住み、レストランを営んでいます。
毎月欠かさず行っているのが毎月100ドル日本円で1万円ほどをエルサルバドルに住む祖母に仕送りしているのです。

アメリカなどへの移民が多いエルサルバドルでは、海外からの送金がGDP国内総生産の2割を占めています。
ただ海外送金は手数料が高いという問題があります。
その問題を解決してくれるかもしれないと期待を寄せるのが大統領。

その大統領が打ち出したのが、暗号資産のビットコインを国の通貨、つまり法定通貨とする世界初の取り組みです。

そのメリットは大きく二つ。
送金手数料が比較的割安なことと、銀行を介さずに送金ができることです。
実はエルサルバドルでは国民の7割が銀行口座を持っていないため送金がより簡単にできるようになると期待されています。

サーフィンの聖地として知られるエルサルバドル。
2019年からはサーファーが集まるビーチの一部店舗でビットコインの決済システムを試験導入しています。
現在使える米ドルに加えてビットコインも使える国と認識されることでヨーロッパなどからの観光客が増えることが期待されています。

実はエルサルバドルのインターネット普及率はおよそ6割。
Bitcoinどころか電子マネーも浸透しておらず、ITインフラの整備が必要となります。

最大の課題はビットコインの価格変動です。

ビットコインは年初から2倍以上に上昇した後、再び年初の水準近くまで下落するなど、乱高下しています。
そのため決済に使うにはリスクが高すぎるとの指摘があります。

ビットコインvs米ドルの構図に

原田さん

貧困層が安心して送金ができる決済ができる。
しかもそれを安くできるということを大統領は国民の支持に繋がると思ったんだろうと思います。
米ドルも引き続き使うと言ってますので。
2001年から自国通貨を捨て、ドルを法定通貨にエルサルバドルはしてるわけ。

ドルは相場が安定してますし、世界の流通通貨の大体4割を占める。
発展途上国で小さな国、例えばパナマとかエクアドルとかパラオ、こういった国で同じようにドルを通貨として使ってる国これは結構あるんです。
すごくインフレが進んだ国なんかだとそれを抑制するためにドルにしちゃうということになるんですね。

ドルの基軸通貨体制に小さな風穴が開くんじゃないかなと思う。
それは何故かと言えば、ビットコインなどの暗号資産だけではなくて、中国がデジタル人民元っていうのを準備してる。
送金などで手数料安くできますし、中国は一帯一路やってますので途上国に対する経済的なインフラもある。
北朝鮮とイランの2カ国は経済制裁をアメリカから受けているのでドルが使えないんです。
そうすると例えばデジタル人民元とか暗号資産っていうものを決済に使いたがる。
アメリカは許さないだろうなという風に思います。

18~64歳のワクチン大規模接種
東京・大阪であさってスタート

東京会場では明日から27日までの予約枠はおよそ85000件の空きがあります。
防衛省は余った予約枠を埋めるため18歳から64歳にも対象を拡大してあさってから接種を始めます。
予約には自治体から送付される接種券が必要となります。
東京中野区では既に64歳以下をおよそ22万人への接種券の配布がすんでいます。
今月28日から自治体が用意した会場で接種ができますが、大規模接種会場でより早い接種を選ぶこともできます。
大規模接種センターのネットでの予約は、日付が変わる午前0時から受付を始めます。

新型コロナ関連ニュース

今日新たに感染が確認された人の数は1418人でした。
今日発表されたワクチン接種の回数はこちら736125回となっています。

北海道の宣言も解除する方向です。
政府は北海道に発令している緊急事態宣言を20日の期限で解除する方向だと与党側に伝達したことがテレビ東京の取材で分かりました。
すでに宣言解除の方向の東京や大阪などと同様に宣言解除後は蔓延防止等充電装置への移行を検討していて、専門家の意見を踏まえた上で17日にも判断する方針です。
政府与党関係者によりますと、沖縄県はまだ解除できるか見通せないということです。

中小企業の従業員も2000円で接種できます。
経済同友会は貸会議室大手TKPと連携し、中小企業の従業員等に対するワクチンの集団接種をを21日に始めると発表しました。
同友会会員が経営する118社の従業員と家族、およそ43000人を対象に実施します。
TKPは貸会議室を無償で提供した上で、医療従事者の手配などの費用として企業側に摂取一回当たり2000円を払ってもらう仕組みです。

新たな選択肢となるのでしょうか。
アメリカのノババックス社は開発中のワクチンの臨床試験で、発症リスクをおよそ90%を抑える有効性を確認したと発表しました。
9月末までにFDAアメリカ食品医薬品局に緊急使用許可を申請します。
このワクチンは武田薬品工業が日本国内で製造する予定となっています。

本業で苦境を乗り越える
リモート会議で字幕表示

ポケトークを手掛けるソースネクストが今日開いた発表会。
8月から追加する新たな機能ポケトーク字幕はオンラインのリモート会議で使うことを想定。
パソコンに専用のソフトをインストールすればポケトークとリモート会議システムが連動します。

今日本語がほとんど話せないというアメリカ人の女性とリモートで繋がっています。
ポケトークを通じて話すと内容をすぐに翻訳して字幕で表示。
82の言語に対応しています。

新型コロナの影響で海外旅行に行けなくなったことなどから、2020年度のポケトークの売り上げは75%近く減少。
リモート会議の拡大に目をつけ、この機能を開発しました。


街に出るシウマイ弁当

横浜駅構内の弁当店。
こちらで買えるものといえば、1日におよそ25000個を売り上げるシウマイ弁当です。
横浜の名物駅弁当として成長してきた崎陽軒。
駅での販売にこだわってきました。
しかし旅行客の減少で売り上げが激減。
2020年度の売り上げは1年前と比べておよそ3割減少しました。

こうした状況の中、活路を見出したのが、今月3日にオープンした崎陽軒のロードサイド店。
普段の食事にもシウマイ弁当を食べてもらおうと街中や道路沿いにも積極的な出店を始めました
すでに7つの路面店をオープンしていて、来年2月までに20店舗を目指します。
さらに冷凍の駅弁を発売。
自宅でも崎陽軒のシウマイを食べたいというニーズに応えます。

2021年上期ヒット商品番付

西の前頭に入ったのは1日1800個売り上げるという進化系のパン、ネオカレーパン。
何が新しいのかと言うと、具に厚めの牛バラ肉が3枚も。
パンの中で肉とルーが絶妙に絡み合います。
他にも野菜とチーズが詰まったパンなど、進化系カレーパンが続々と登場しています。

同じくパンで番付入りしたのがマリトッツォ。
ローマで昔から伝統的に召し上がられてる伝統菓子です。
ブリオッシュ生地のパンに、たっぷりクリームを詰め、果物などをトッピングしたスイーツです。
この映える見た目から大ヒット。

原宿のイタリア食材専門店では連日完売。
今月に入りコンビニ各社も相次いで新商品を発売しています。

巣ごもり生活を癒したのがPUIPUIモルカー。
フェルト生地のモルモットが車になったアニメです。
SNSにはキャラクターのぬいぐるみを使った動画が投稿され人気に火がつきました。
夏に映画も公開され、アクセル全開です。

サックスの癒しの音色。
デジタルサックス。
初心者でもアコースティックな音が簡単に出せると計画の3倍を売り上げました。


厳しいアパレル業界でヒット商品となったのは西の前頭テレワークスーツ。
AOKIのパジャマスーツは軽い着心地ですが型崩れしにくく、ビデオ会議でも違和感はありません。

「当初の計画の約2倍と大変お客様からもご反響頂いております。シリーズ累計で約2万着を販売させていただいております」

同じアパレル業界では新たな定番を探る動きも。
男女問わず着こなせるジェンダーレスファッションも番付入り。
一見スカートに見える服も中はゆったりとしたズボンです。
オンワードホールディングスは4月から新ブランドを展開。
アパレル業界の新たな潮流となるのでしょうか。

タイガー魔法瓶の土鍋で炊き上げる炊飯器です。
こちら香りを保つ保温機能で前のモデルより売上がおよそ4割増加。
パナソニックの高級トースターもヒットし、家での食事を充実させる高級調理家電がヒットしました。



家での食事が増えますと面倒になります食器洗いの負担を減らせるとしてヒットしましたのがライオンのチャーミーマジカ速乾プラスです。
食器の水切りが良くなり乾きやすくなるというものです。

エンタメ業界からは現代社会を批判する歌詞が若者を中心に共感を呼びましたうっせいわです。
ミュージックビデオの再生回数は1億5000万回を超えています。

またスポーツでは4月に開かれたマスターズで日本人で初優勝を果たしました松山英樹選手が入り着用したウエアは1時完売するほどとなりました。

ビール業界で旋風を巻き起こしたのが東の小結アサヒスーパードライ生ジョッキ缶。
客が殺到し、翌日には一時販売休止に。
今日から販売を再開しました。

新型コロナの感染対策で酒類の提供を取り止めている飲食店。
西の大関はノンアルコール飲料。
こちらの寿司店ではノンアルコールのメニューを増やして対応、去年の10倍売り上げたといいます。

西の横綱に入ったのは買い物テック。
イオンは非接触で決済できる店舗をオープン。
ファミリーマートは無人決済のシステムを導入するなど、デジタルを活用した店舗が登場しました。

そして東の横綱は持続可能性に対応したサステナブル商品。
無印良品では4月に飲料の容器をペットボトルから再生できるアルミ缶へ変更。

花王は容器に詰め替えることなく直接液体を出せるノズルを発売
発想転換した商品が登場しました。

今年上期上位の番付です。
小結には帝国ホテルのサービスアパートメント。
関脇には郊外生活などといったものが上位に入っています。

二階氏vs3A(安倍・麻生・甘利)
自民党主導権争い

内閣不信任案が否決された今日。
午後5時、自民党本部には人だかりが。
自民党の大物議員が続々と集まります。
会を主導したのは二階幹事長。
対中国を意識した外交の勉強会です。
さらに安倍前総理も姿を現しました。
二階氏があえて安倍前総理を選んだのは3Aへのけん制なのでしょうか。

140人ほどが出席し、二階幹事長が存在感を見せつけます。
二階氏の会合がまだ続いていた午後5時30分。
こちらは甘利氏が会長を務める半導体に関する議員連盟。

実はこの議連、安倍・麻生・甘利の3Aが主導して作りました。
二階氏に対抗する動きなのでしょうか。

「あえて同じ時間に当てたんじゃない」
「甘利があまりに火遊びすぎている」

主導権争いはまだ続きそうです。

上場来初、トヨタ株1万円突破

今日の東京株式市場でトヨタの終値は前の日から175円上昇して、10075円と上場来高値を更新し1万円の大台を突破しています。

梶山大臣、経産省の対応当然

去年の東芝の株主総会をめぐり、東芝と経産省が運営に不当な影響を与えたとする報告書について、梶山経済産業大臣は経済安全保障の観点から経産省の対応は当然だったとの認識を示しました。
その上で経産省としての調査などは必要ないとして行わない方針です。

放射性物質、安全基準内の放出

中国広東省の台山原発から放射性物質が漏れたとアメリカのメディアが報じたことを受け、台山原発を合弁で建設したフランス電力は14日、中国の安全基準を満たした放出だったと説明しました。
一方フランスのメディアは冷却水内の放射性物質の濃度がフランスで原子炉停止となる上限値の少なくとも2倍から3倍に上っていると伝えました。

違反で制裁金や資格はく奪

東京オリンピックパラリンピックのコロナ対策のルールをまとめた選手向けのプレイブック第3版が公表されました。
入国後三日間はGPSによる行動管理を行うことや違反した人には制裁金や参加資格を剥奪するなどのが明記されました。
また、海外からのメディア関係者の接種率は最大で80%に達するとの見通しが示されました。

物件オーナーらが改ざん訴え
スルガ銀行再び融資トラブル

かつて地銀の優等生と言われたスルガ銀行ですが、3年前にはシェアハウスを舞台に多くの行員が不正な貸付を行ったことが発覚し、経営危機に陥りました。
その後、再建に向けて動き出していたんですが今度はアパートやマンションなどの融資を巡ってトラブルになっています。

今朝のスルガ銀行東京支店。
集まったのはスルガ銀行から多額の融資を受け、不動産オーナーとなった人々です。
スルガ銀行にローンの返済の大幅な見直しを求めているのです。
3年前シェアハウスビジネスを拡大しようと融資の資料を改ざん。
支払い能力の低い人達にまで多額の資金を融資していたことが問題になりました。
その後社内の調査などで明らかになった不正融資の総額はおよそ5500億円。
ところがシェアハウスへの問題融資は1100億円だけで、残りの多くはアパートマンション向けのものだったのです。

サラリーマンのAさんもアパート購入者の一人です。
Aさんは土地と建物の購入代金およそ2億円をスルガ銀行からのローンでまかないました。

当時スルガ銀行の担当者は
「非常に優良物件ですと。収支も問題ないですし、何よりこのまま運用していたら数年後おそらく高く売れます。2億で買ったものが2億1000、2億2000万にはなりますと。」

ところが購入後、不動産鑑定士にアパートの調査をしてもらうと適正価格は7520万円だと言われたのです。
Aさんは身の丈以上の借金を背負わされ、大きな損をしたと言います。

さらに弁護士に相談すると、あのシェアハウス事件と同じような手口で審査書類が改ざんされ、貯金がほとんどなかったAさんが多額の融資を受けられるようになっていたというのです。
実際の残高は347円でしたが、何故か4000万の残高になってる。

Aさんのような被害を受けた人が多いことから弁護団が結成されました。
弁護団はスルガ銀行に対して、アパートの高額な購入額と、実勢価格との差額分の帳消しを求めています。

スルガ銀行はテレビ東京の取材に対し、
「個別案件について不法行為が認定された場合には損害賠償に応じますが、一律に損害賠償や元本カットに応じる考えはありません。」

オーナー達は今後もスルガ銀行側に対応を求めていく方針です。

みずほ銀行なぜ3度も

原田さん

第1に18年、19年、2回同じようにキャッシュカードと預金通帳が飲み込まれた障害があったんですよ。
この障害がシステムの仕様変更に繋がらなかった。
システムを変えなかったんで今回の事故・障害が起きたと。

二つ目なんですけれど、ほかの銀行はきちんと対応し、しかも金融庁も問題があることをみんなに伝えていたと。

最終的に、やっぱり顧客目線というものが欠落して、つまりキャッシュカードが吸い込まれたらお客さん困るっていうそこに思いが至らなかったっていうことは問題で、なぜそうなったかというとシステムの部門の人はシステムが動くっていうことを考える。
部分部分で失敗しないように皆考えてた。
タコつぼ化。