WBS 2019/2/14(木)

目次

ルノースナール新会長が来日

ルノー新会長スナール氏は15時に到着後、日産西川社長と三菱益子社長と会食。
スナール氏は到着後のインタービューで「I will meet my friends of team of Nissan and Mitsubishi.」とフレンドという言葉を使った。
就任して、1か月という早い段階での来日で融和を演出したいそんな思いが見て取れます。今日は3人で食事をしただけで、ミーティングは明日行う。

日産とルノーの関係はぎくしゃくしているがこれで改善できるのか?
今回の目的は関係を深めることと話す関係者もいる。

ルノーは18年12月期の決算を発表

純利益は33億200万ユーロ(約4,130億円)前年比36.6%減
新興国での販売が振るわないという点と、43%を出資する日産の収益も低迷し、日産から受け取る利益が目減りしたため。
ボロレCEOは「日産との関係を不可逆的なものにしたい」と関係再構築をしたい意図がうかがえる。

日産はスナール氏を取締役には迎えるものの、会長職は権力の一極集中を避けたいと会長職は拒否する構え。
資本関係で優位に立つルノーとそれを見直したい日産との対立がこの会談で注目されます。

通勤客も観光需要も!
25年ぶり新型特急投入のわけ。

西武ホールディングス後藤社長は「単なる移動手段ではなくラビューに乗ることが目的というコンセプトのもとに今まで見たことのない新型特急車両が誕生した」と新型特急車両Laview(ラビュー)が公開された。

丸みを帯びたデザインで、先頭車両には曲面ガラス。
内部は温かみのある黄色をベースにシートはゆったりとしたつくり。
一番の特徴は窓の大きさ。膝の下まで窓があるため開放感がある。
旧型車両と比べても3割も大きくなっている。
前席に電源コンセントを設置し、女性専用トイレも設けている。
3月16日から現在の特急車両に代わって運行、料金は300~700円と現在と同じ。

今投入する狙いは、よさを体感してもらい、沿線の魅力を体験してほしい。
足元ホテル事業が好調な西武ホールディングスだけれども、3割を占める鉄道や沿線事業に最近は力を入れている。

3月16日に合わせてムーミンバレーパークも開業。

これに合わせ、飯能駅を北欧デザインにリニューアル。
2年前には、秩父駅周辺に温泉施設「祭りの湯」やフードコート、物販エリアを開業。18年には100万人以上が利用した。

ラビューは通勤特急としても運行をする。

こうした取り組みで都市交通・沿線事業の営業利益率は右肩上がりで、4年前から15%を超えている。

スマホの普及で低迷するカメラ市場
ミラーレスが一眼レフを抜いた。

キャノンはフルサイズミラーレスカメラ「EOS RP」を発表。
ミラーレスカテゴリーでは、18年に初のトップシェアに。17年比140%伸長。

トップシェアではミラーレスカテゴリではキャノンだが、フルサイズミラーレスではソニーがトップシェア。そこでフルサイズミラーレスに投入。
標準的なレンズをつけて、最も安い価格帯で投入。
EOS RP・RF35 MACRO IS STM 237,060円(参考価格)
3月中旬発売予定

パナソニックで初めてのフルサイズミラーレスを発表。

LUMIX
DC-S1R(レンズ付属):57万円
DC-S1(レンズ付属):42万円
プロ市場を意識した高価格帯の製品。
イメージセンサーも自社で改めて開発。

ニコンは去年高価格帯製品を投入。パナソニックも後発だが投入。
他社のシェアに負けているが、大きな規模を狙うのではなくよさが伝わる客にリーチする戦略。

イギリスのEU離脱ブレグジットまでおよそ43日。

イギリスとEUは離脱の在り方をめぐって対立したままで経済に大混乱を引き起こすといわれている「合意なき離脱」が現実味を帯びています。

「ブレグジット・ボックス」が売れているわけ。

物流の混乱が予想されており、最悪のシナリオになった場合に備え、缶詰などの非常食が1か月分が入っている。
価格は300ポンド(約42,600円)もするが昨年末の発売から700個以上も売れている。ほかにも同様の商品が多く売られている。
イギリスは食料の多くをEUからの輸入に頼っており、合意なき離脱が起きれば食料品や医薬品が不足する懸念がある。
世論調査では5人に1人が「買いだめしている」または「買いだめする」と回答している。
また、人の移動については、空港が混乱するという懸念もある。

国民はすでに準備はしているが、政府はどういう準備をしているのか?

イギリス政府は、合意なき離脱で「重大事態」を宣言し、9,000人の公務員を特別配置して24時間体制で対応に当たるとしている。
社会不安に備えて、エリザベス女王らロイヤルファミリーをロンドンから非難させる計画も確認作業が進んでいる。

3月21日にトゥスクEU大統領・メイ首相・ユンケル欧州委員長らEUサミットが開催予定されているが、そのギリギリまで駆け引きが続くのではと懸念されている。

日本総研 高橋さん:合意なき離脱にイギリス側は織り込み始めた気はするが、離脱交渉で勝ったはずのEU側はこれに対しての備えはない。
合意なき離脱になるとEU側にも大きな打撃が生じる可能性が高い。
ただでさえEUは景気がスローダウンしている。

2019年成長率見通し(欧州委員会)
 EUドイツ
18年11月時点1.9%1.8%
 
19年2月時点1.3%1.1%

生産しないドイツと、政情不安で使わないフランスといわれており、EU全体が悪くなっている。
そこに合意なき離脱になれば、EUの景気が下がってしまう。
最大のリスクは米中摩擦といわれているが実はEUではないかという人も出てきている。

GDP実質プラス1.4%
自然災害からの影響は持ち直しました。

内閣府は2018年10月~12月期のGDPは、物価変動の影響を除いた実質の伸び率が前の3か月と比べプラス0.3%。
年率換算では1.4%となり、2四半期ぶりのプラスとなりました。
7~9月は相次ぐ自然災害の影響で落ち込みましたが、前期比で個人消費+0.6%、設備投資+2.4%。
輸出は中国経済の減速が影響し、+0.9%にとどまる。
茂木経済再生担当大臣は「中国経済の先行きなど、海外経済の不確実性に留意する必要」

米中が北京で閣僚級通商協議

中:劉鶴副首相
米:ムニューシン財務長官・ライトハイザー通商代表

中国側が構造改革問題でどこまで譲歩するかが焦点で、貿易摩擦の激化を回避するための交渉を行った模様。
15日まで開催し、ライトハイザー氏と中国習近平国家主席が会談する見通し。
ブルームバーグ通信はトランプ大統領は3月1日までとする交渉期限を60日間延長することを検討していると伝えた。

物価2%にこだわらないで。
全国銀行協会の藤原会長

超緩和策の長期化は物価目標の在り方と密接にかかわってるとし、両者の望ましいやり方を見直すべき時期に来つつある。とし、物価目標2%にこだわらず、幅を持たせた柔軟化することで硬直した金融政策が緩和されると示した。
さらに、超低金利状態が継続することで金融機関が機能しなくなることを警戒。

月内にも資産の現金化着手

元徴用工をめぐる弁護士は、2月中にも差し押さえた資産の現金化に踏み切る考えを明らかに。

Jリーグが開幕前イベント。
金曜日もJリーグ

通常の土日だけでなく、金曜日も試合を行うフライデーナイトJリーグを拡充などを発表。
昨年試験導入した金曜日開催では、客の1割以上が新規客で今年も幅広い層の獲得を狙います。
ネット動画配信のDAZNが視聴者分析を行った結果、プロ野球が好きな人が次に見るスポーツはメジャーリーグではなくJリーグであることが分かった。
この結果を受けて、スポーツの垣根を超えたコラボレーションが増えてくると、Jリーグ村井チェアマン。

韓国経済の低迷。
文大統領の足元揺るがす存在とは

賃金制度の改善に応じない会社を取り締まるように訴え市役所前で籠城509日。この籠城を支えるのは韓国最大の労働組合。
韓国GMでも過激な組合員が社長室になだれ込むなど要求を通すためには手段を選ばない労働組合。
韓国の労働組合の組織率は全労働者の10.7%(17年)と高くないが、激しいデモは企業や国民生活に大きな影響を与え、この存在は無視できず、さらに朴槿恵前大統領の退陣要求デモを主導するなど政界を揺るがす影響力も持っている。
文大統領は労働者政策に成果が出ず、経済指標は悪化するばかり。こうした中、サムスン電子の副会長らとの会談、これまで距離をとってきた財閥や大企業のトップたちを大統領府に招くなどの接近を始めた。
民主労総は今月末に全国規模のストライキを計画。政権との対決姿勢を鮮明に。

山川さん:韓国の大手企業は強すぎる労働組合の問題、中小零細企業においては文政権が掲げている最低賃金の大幅な引き上げと両方の経営者が苦しんでいる状態で、人件費が高すぎて雇えず失業率が悪化している。
人件費が上がって消費につながるのかというと構造的な問題も抱えている。
それが輸出依存度の高さ。

GDPに占める輸出依存度(2016年)総務省統計局調べ
韓国:38%
日本:13.1%
中国:19.1%
アメリカ:7.8%

と内需が弱く、輸出が重要なので、輸出競争力が落ちてしまえば元も子もない状態になっている。文政権は労働者にやさしい政策をとってきたがそれがことごとく裏目に出ている。

ビール大手三社の前期18年12月決算
国内ビール以外で明暗分かれる。

アサヒグループHD:事業利益2,213億円(前期+13%) → 過去最高を更新

けん引したのは海外ビール。欧州ビールの買収で海外比率が売り上げの3割、事業利益では4割まで上昇。
グローバル成長基盤が拡大してきた。
19年12月期見通しは事業利益2,300億円(前年比+4%)と過去最高を更新見通し。

キリンHD:事業利益1,993億円(前年比+2%) → 過去最高を更新

過去10年で最大のヒットとなった本麒麟が好調だった。
しかし今期の業績見通しは事業利益1,900億円(前年比5%減)の見通し。
既存事業だけでは限界があるとして、中期経営計画では、医と食のつなぐ新事業の立ち上げを発表。
予防医学、未病、健康管理分野に大きな成長期待を持っているとして3,000億円を投資する影響で19年12月期の収益を圧迫するという。

サッポロHD:事業利益108億円(前年比15%減)

国内酒類事業の利益67億円(前年比33%減)
海外事業の利益33億円の赤字
としているが、19年12月期の業績見通しは
営業利益126億円(前年比+16%)とした。

空飛ぶホテル、超大型機「A380」生産終了へ

エアバス社は2021年の引き渡し分で終了と発表。
座席数が500という超大型旅客機で空飛ぶホテルの異名。
LCCの台頭で中小型期の需要が高まる中受注が低迷

伊藤忠社員中国で1年拘束

去年2月中国当局に拘束されていた。

JDI通期予想を下方修正

ジャパンディスプレイは19年3月期の業績見通しを中国景気の減速やスマホ買い替え長期化により200億円を超える営業赤字となる見通し。
月崎社長はスマホ依存からの脱却を目指すと構造改革も検討中とのこと。

中国の1月の対米黒字は+24%

272億ドル(前年比+24.7%)
輸出は-2.4% 輸入は-41.2%と大幅な減少となり
輸出から輸入を差し引いた黒字幅が拡大

日本総研高橋さん:気になるのは輸出。米中摩擦が激化する中で駆け込み輸出を秋までしていた反動が今でてきていて、さらにスローダウンする危険性がある。
中国政府は急激な落ち込みを回避したく、景気対策をやると思う。
中国の景気対策
 リーマンショック後:GDP比 約13% 4兆元
 今回:GDP比 約3% 2兆元
中国経済の規模が大きくなってきていることもあり、横ばい程度にしかならないのではと推測。
そのため、米中摩擦を回避するためにアメリカ政府に妥協的なところを打ち出すのではと思う。

ライザップグループは81億円の最終赤字

2018年4月~12月期の決算は81億円の最終赤字。
買収した会社の経営再建が見込みよりも遅れていることが要因。
瀬戸社長は赤字事業や子会社を今期中に売却、業績予想の下方修正の可能性を示唆

トレたま T.T.FILE4950
ペットの元気を測る装置

首輪につけたセンサーで活動量とジャンプするを測定。
ジャンプまで図れるのは、「プラスサイクル」が世界初。
活動量だけはわかりにくい部分もジャンプ数でカバーする。
猫だけではなく犬にも使える。
ズーラシアでは象にも使われている。
病院に来るペットは緊張しているので、データでわかると気づきやすくなる。

本日のまとめポイント

山川さん
グローバルが変調している時ほど内需が大事。

高橋さん
日本は内需は堅調。設備投資も支出も。
日本の企業は過度な悲観論に陥らないほうがいい。
今やるべき投資をやっておくことで、内需がよくなれば首を絞めることがなくなる。長期的視野で。