WBS 2021/4/8(木)

東京まん延防止要請
GW明けまで調整

蔓延防止等充填措置が適用されている大阪府。
今日も新たに905人が新型コロナに感染したことが確認され、過去最多を更新しました。
そして東京、今日の感染確認は545人と二日連続で500人を超え先週木曜日より70人増えました。
東京都は午後専門家を交え、感染状況を分析する会議を開催。
蔓延防止措置の適用を政府に要請することを決めました。
期間は5月のゴールデンウィーク明け頃までを想定し、営業の時短要請をする対象エリアは23区と武蔵野市などに限る方向で調整しています。
また企業には在宅勤務の徹底や出張の自粛などを求めます。

午後1時半頃、東京都の多羅尾副知事が西村経済再生担当大臣のもとへ。
まん延防止措置の要請に向かう姿をテレビ東京のカメラが捉えました。
東京都の要請を受け政府は夕方担当大臣らが集まり対応を協議。

菅総理大臣が取材に応じました。
東京都に加え感染拡大が深刻な京都府と沖縄県にも適用する方向で最終調整しています。

日々発熱患者などの診療にあたる都内のクリニックでは発熱患者からの問い合わせが先週に比べて1.5倍に増えたと言います。
一般へのワクチン接種を前に危機感は増しています。

背景には変異ウイルス急増

東京都が蔓延防止措置の要請に踏み切った背景にあるのが変異したウイルスへの危機感です。
特に東京都が警戒しているのはイギリスなどで拡大したN501Yと呼ばれる変異ウィルス。
国立感染症研究所は実効再生産数が従来型より1.32倍高いとしています。

東京でも3月下旬から急増しているこのウィルス、東京都健康安全研究センターが調査した範囲で見ると推計で3割を超えていると言います。
兵庫県が今日、N501Yを含めた原因ウイルスの割合が全体の9割以上になったと発表しています。
変異ウイルスの拡大でコロナの重症患者を受け入れている都内の大学病院でも対応を迫られています。

都内では重症者の病床使用率がおとといの時点で3割を超えていて、これはまん延防止措置を適用できるステージ3に相当します。
今日時点でこの病院の重症患者は一人だけですが、変異株の拡大に伴い、今後重傷者が再び増加に転じると予想しています。

コロナ倒産過去最多
宿泊業・飲食業が苦境

コロナ禍の長期化は企業経営に暗い影を落としています。
今日発表された3月の新型コロナに関連した倒産件数は過去最多に。
5カ月連続で上昇していて累計で1100件を超えています。
中でも増加しているのが宿泊業の倒産です。
宿泊客の減少で先月ホテルビスタプレミオ東京赤坂を運営する会社が民事再生法の適用を申請。
別の企業とスポンサー契約を結び事業は継続しますが赤坂の店舗は営業を終了しました。

さらに、居酒屋などに店舗を経営していた会社も1億円の負債を抱え1月に事業を断念。
この居酒屋の元経営者に話を聞くことができました。

「ものすごい自信を持ってて、うちは大丈夫だっていう過信が自分の中では行ける。コロナさえ終わればいけるっていう自信。」

しかし新型コロナをきっかけに月に450万円ほどあった売上はおよそ7割減少し120万円から130万円ほどに。
書き入れ時の去年12月に団体客の予約が激減したことを受け店を畳むことを決めました。

「宴会が駄目になって希望が全くなくなったって感じ」

政府のこの居酒屋の破産管財人の弁護士は政府や自治体による時短営業の協力金など飲食店の支援に課題があると指摘します。
「スピード感が足らないんだと思うんですよね」

膨らむ負債、心が弱る

企業倒産の分析を行う調査会社は中小企業の負債が膨れ上がっていると指摘。
時短などの営業規制が続けば今後も事業継続を諦める会社が増えるといいます。

歯を食いしばりながらも営業を続ける飲食店では厳しい現実が。
都内で居酒屋6店舗を展開している八百坂さん。
八百坂さんの会社も去年4月に4000万円円、7月に2500万円と合わせて6500万円を借り入れています。
借入金は公的な緊急融資制度を活用したため無利子で返済開始まであと2年ほどの猶予があります。
ただすでに店の家賃の支払いなどで借りたお金はほとんど残っていないと言います。

コロナによる倒産が増えることで懸念されるのが失業者のさらなる増加です。
厚労省によるとコロナの影響で解雇や雇い止めとなった人は昨日時点で10万人を突破しています。

感染第4波飲食店は

サントリーホールディングス 新浪社長

日本の経済を支えているのは内需も重要なんですが、外需でGNIって言うんですが、これは海外でそっからくるキャッシュってすごく重要なんですね。
そのために私たちビジネスのリーダーが海外飛び回ってお金を稼いで来る。

ワクチン証明書だとかこういったものは今後すごく重要になってくるわけです。
早く国境を私たちは渡れるようにすることによって、最終的には日本にドルを持ってきて、そしてそれが支えて国債が発行できる。
私たちは早くデジタルで証明書を発行して頂いて海外に行きやすくしていただきたいと思ってるわけです。

ワクチンの接種というものを強制力を持ってやりたいというメッセージになってしまう。
ワクチンを自由に受けるということ、強制にならないそういう配慮があるんだとこのように思います。
私たちビジネスにおいてはワクチンも重要ですし、またPCRの検査をして、日本に帰ってきて2週間隔離するってのは実質我々は海外に行かれないところですから、これは中長期に日本の経済に大きなダメージを与える。
そういった意味で早くそういうものを発行してデジタルでやれるようにしていただきい。

第3のソーダ割が直面
コロナ禍で変わる酒販売

新橋駅の構内に誕生した一軒の立ち飲み居酒屋。
店のウリがサントリーが開発したジンの翠。
ハイボール・レモンサワーに次ぐ第3のソーダ割りとして売り出しました。
翠の発売はコロナが拡大し始めた去年3月。
当初は大苦戦を強いられました。
というのもこれまでのサントリーの販売戦略はまず飲食店で展開してブランドを確立してから、テレビCMを流して認知度を高め、小売店で消費者にも撹拌するという順番でこれを全国一律に展開してきました。
しかし、コロナ禍でこの方程式が崩れたのです。

そこで取り組んだのが従来の販売方式からの脱却。
全国一律だった販売活動を地域の状況に合わせて展開することにしたのです。
その結果、家飲み需要拡大も追い風に目標の3倍以上の売り上げを達成しました。

ビールでも今月から家のみ向けに新たな商品を発売します。
それが糖質ゼロのビール。
ライバルのキリンビールが去年10月に発売し、1億本を売り上げたこのジャンルにサントリーも参入するのです。
コロナ禍の企業に今求められているものとは。

コロナ禍どう売る?稼ぐ?

新浪社長

糖質がゼロだから美味しくなくてもいいんだというこういうことは全くもって許されないと。
コロナということで糖というその免疫力を高めたいものに対して大変課題を抱えてる方がたくさんおられる。
コロナ禍ですごく大きなことが分かったのは、巣ごもりで少し皆さん辟易としてる。
その中にやっぱりイノベーティブな商品をどんどんぶつけていくこと。
これメーカーの役割として食品メーカー企業として責任を持ってやっていく。

サントリーの業績についてなんですけれども、2020年12月期の純利益、前年比ですと29%減ということで、家のみ需要が増したということで支えたという見方もあります。
今期に関しては若干の改善を見込んでいらっしゃる。

新浪社長

お客さん達は家のみしてますけど、もっといいものをそういう状況になってるって事。
ビームが非常に米国を中心にヨーロッパも景気が戻ってる。
海外需要も大きく取り込んでいますんで期待しております。

実際には売上では半々ぐらいなんですが、利益的な6対4で利益の方が海外にあるんですね。

日本語では同質化競争の脱却、技術開発これがすごく重要。

M&Aをするなら私は海外でしょうね。
国内であれば私たち自力でそのマーケットで良い商品を出して収益性を稼ぐ。

来週の日米首脳会談、焦点は

新浪さん
最低の税率を決めるのは大変重要なことだという風に思いますね。
世界、G7でそういう風になっててもらいたいとこのように思います。
世界中で起こってる格差問題をどう解決するか、長期的に見たら安定した経済に繋がるんで、経済界としても非常に重要なイシューだという風に思います。

Q:諮問会議従来が法人税引き下げの旗を振ってきましたよね?

ただ減らすだけじゃなくて、賃金をあげたとか人材の教育にお金を使ったとかなら法人税を下げるという条件を作って、そして下げていくことが重要だと思いました。
しかし、もともとの狙いは海外に比べて私たちの法人では高かったってことがあって、その競争の中で渦に入ってたわけです。
世界で決めれば私たちはむしろ法人税を下げるよりも、むしろ違う形で税金を考えていかなきゃいけない。
投資減税だとか別の形で法人税という形じゃなくてやるべきだという風に。

カーボンプライシングを国境を越えて、ルールをどうやって世界中で決めてるかとはこういうことだと思うんです。
世界水準基準のルールをどうやって決めていくか、これは是非行ってっていただきたい。
日本・米国、そしてアジア現実的なルール作りしてくべき。

脱炭層ということは非常に重要だと思いますがこれは当たり前のこと。
SDGsの中で水を大切にする。
2050年なりますと40億人の世界中の方々が水が問題になってくるわけです。
このノウハウを世界中に広げていきたい。
世界に日本の会社として持ってきたこのように考えてます。
消費財メーカーとしては是非とも中国とつながりながら、私たちみたいな企業が中国と繋がってことが大変重要、途切れてはいけないとこのように思うんで、是非とも中国におけるマーケットをなんとか取り込んでいきたい。

新型コロナ関連ニュース

今日新たに感染が確認された人の数は3447人でした。
亡くなった数は25人です。

世界で初めて新型コロナの後遺症患者への生体肺移植が行われました。
手術を行うため多くのスタッフに囲まれて病院に到着した患者。
京都大学医学部附属病院は新型コロナウイルスによる肺炎の後遺症で左右の肺がほぼ機能しなくなった患者に対し、世界で初めて生体移植手術を行いました。
手術はおよそ11時間かかりました。
患者は順調にいけば2ヶ月で退院できるということです。

出発前に検査結果が分かります。
木下グループなどは今月10日に羽田空港にオープンする新型コロナの検査センターを公開しました。
利用客が自分で検体を採取して提出すると最短15分で結果が分かります。
出張や帰省などで急に陰性証明が必要な人などの利用を想定しているということです。

ブラジルでコロナでの1日の死者数が世界最多となりました。
サンパウロの病院ではコロナ患者が横たわるベッドが床一面に置かれ野戦病院のような状態です。
ブラジルでは6日24時間での死者数が世界最多の4195人となりました。

アマゾンの奥地でもワクチン接種が行われました。
アマゾン地帯を進む一席のボート、乗っているのは医療従事者で、向かった先は先住民の住む地域。
南米のコロンビアでは先住民へワクチン接種が行われました。
最初は不安そうだったこちらの男性、摂取が終わると安堵の表情に。
コロンビアは南米でブラジルに次いで感染者が多くこれまでに240万人以上が感染しています。

フジ外資規制違反を発表

フジテレビなどを傘下に持つフジメディアホールディングスは今日、2012年9月末から1年半にわたり外資の議決権が20%を超え放送法に違反していたと発表しました。
また2014年に当時常務だった金光社長が総務省に違反を報告したところ、厳重注意を受けたものの放送持株会社としての認定取り消しはなかったとの認識を示しました。
これに対して総務省は金光社長から報告を受けたのは事実で、フジメディアを処分する必要はないとの考えを示しました。

生ジョッキ缶出荷一時停止

アサヒビールは6日にコンビニエンスストアで先行発売したスーパードライ生殖器官の出荷を一時停止したと発表しました。
販売量が想定を大きく上回り、安定供給ができなくなったためだということです。
20日からスーパーなどでも販売を予定していましたが出荷の再開は未定だということです。
商品は蓋を開けると自然に泡が立ち、ジョッキで飲むような味わいが楽しめるのが特徴です。

日立金属、ベインなどに売却へ

日立製作所は上場子会社の日立金属について、アメリカの投資ファンドベインキャピタルや、日本の投資会社日本産業パートナーズなどの日米ファンド連合に売却する方向で最終調整に入ったことがわかりました。
日立金属の時価総額はおよそ8000億円で日立製作所は保有する5割強の株式を全て売却する方針です。

サムスン新5Gスマホ発表

サムスン電子は今日、リモート会議の音声から議事録を自動で作成する機能などを搭載した5G対応のスマートフォンGalaxyS21シリーズを発表しました。
22日にNTTドコモとauで販売を始めます。
新型コロナで在宅勤務が広がるなか、新たなニーズに応える機能で差別化を図る狙いです。

ユニクロ部屋着が好調
1年間の営業利益上方修正

こちらはユニクロの国内の売上高について前の年と比較したグラフです。
4月から5月はこちらの赤い線前の年の水準を下回っていましたが、その後は10カ月連続で上回っています。
ユニクロを展開するファーストリテイリングは今日、今年8月までの一年間の営業利益を上方修正しました。

ファーストリテイリングの今年2月までの6ヶ月間の決算は本業のもうけを示す営業利益が前の年に比べて23%増え1679億円となりました。
国内のユニクロ事業では巣ごもりを背景に部屋着などの売り上げが好調でした。
ネット通販による売り上げも前の年より4割以上増えています。
通期の業績予想では営業利益を上方修正したほか純利益は過去最高になるとの見通しを維持しました。

一方セブンアンドアイホールディングスは今年2月までの1年間の決算を発表し、純利益が前の年より18%減少しました。
ローソンもマイナス57%と大幅に落ち込みました。
緊急事態宣言の影響でコンビニ店への来店客数の減少などが響きました。

街角景気2カ月連続改善

内閣府が発表した3月の景気ウォッチャー調査は街角の景況感を示す現状判断指数が49.0と前の月より7.7ポイント上昇し2カ月連続で改善しました。
3月は緊急事態宣言が全面解除され、消費者の活動範囲が広がりました。
内閣府は新型コロナの影響による厳しさは残るものの、持ち直しているとして基調判断を上方修正しました。

官房長官、日本も貢献

G20、20の国と地域の財務大臣中央銀行総裁は巨大IT企業などの課税逃れを防ぐ国際課税ルールについて、7月までの目指すと確認しました。
これを受け加藤官房長官は
「企業間の公平な競争条件を確保し法人税の引き下げ競争に歯止めをかけるものだと評価した上で日本も議論に積極的に貢献していきたい」と述べました。

世界経済が透けて見える?
G20共同声明の注目点

滝田さん

トランプ政権の前に戻ったという感じですよね。
典型的なのは貿易について保護主義と闘うというふうに歌ってるわけですよね。
あと為替なんですけれども引き続き緊密に協議と。
柔軟性については経済の調整を円滑化するという風にポジティブに歌ってるんです。
これ二つ見方ができると思うんですけれども、一つは中国に対して人民元の弾力が忘れないでって念押しですね。
もう一つの側面があると思うんですよね。
アメリカなんですけれども、アメリカの自然なドル高はいいじゃないかっていうこと。
その二つの面があるんじゃないでしょうか。

具体的にはイエレン財務長官とパウエルFRB議長の色合いが非常に強く反映した共同声明というふうに言えると思います。

日本経済の見通し

滝田さん

新浪さんが3月の経済財政諮問会議でこんな経済見通しを披露してるんですよね。

今年中にはコロナ前の水準を回復するんですね。
問題はその先なんですよね。
ちょっと今一つ成長率はパッとしないということで、どうしたらいいかっていうことなんですが、諮問会議での議論が出てるんですけど、まずグリーンですよね。
次にデジタルですよね。
そういうグリーンとデジタルを強化してポテンシャル潜在成長率を高めるこういう戦略ですね。
頭文字がGDP