WBS 2021/4/15(木)

東京都新規感染729人
幹部「緊急事態宣言も視野」

今日新型コロナウイルスの新規感染者が729人確認された東京。
東京都の幹部はテレビ東京の取材に国に対して緊急事態宣言の再発明を要請するかどうかの検討に入ったことを明らかにしました。
「今緊急事態宣言も視野に入れて考えることは当然。緊急事態宣言になった場合、ゴールデンウィークの週からでゴールデンウィーク対策とセットかあるいはもっと早く必要なのかどうか。」

感染は東京の周辺にも拡大。
神奈川では今日は新たに242人の感染を確認。

埼玉では188人、千葉で144人と何も緊急事態宣言解除後最多となりました。
危機感を強めた首都圏3県は今夜、蔓延防止等重点措置の適用を政府に要請しました。

政府は今夜、埼玉・千葉・神奈川そして愛知の四つの県にまん延防止措置を適用する方針を固めました。
政府はこれまで今週中の正式決定を見送ることも視野に検討を続けてきました。
しかし最新の感染状況を踏まえ、明日適用を正式に決める見通しです。
対象となるのは愛知県の名古屋市、さいたま市と川口市、神奈川県の横浜市・川崎市・相模原市、千葉県では浦安市や市川市などとなる方向です。
蔓延防止措置は東京や大阪など6都府県から10都府県に拡大されることになります。

まん延防止も感染拡大の大阪
吉村知事、街を止める措置も

今月5日からまん延防止措置の適用が続く大阪では感染の拡大が止まりません。
こちらは繁華街の流れは今夜から外出の自粛を呼びかける呼びかけ隊が活動を始めました。
感染拡大を防ぐ効果は未知数です。

大阪府では今月に入り急激に感染者が増え今日は過去最多の1208人。
3日連続で1000人を超えました。
重症者の数は261人です。
これは既に確保している重症者用の病床数241を上回る数字です。
蔓延防止措置よりも強い措置。
つまり緊急事態宣言の必要性を強調しました。

二階氏、五輪開催中止に言及
広がる波紋に火消しも

新型コロナの感染拡大を受けて今年夏の東京オリンピックについて開催を危ぶむ声が。
発言の主は自民党の二階幹事長です。
「五輪で感染を蔓延させたとなれば何のための五輪かわからない。これ以上とても無理だということだったら、これはもうスパッと止めなきゃいけない。」

菅政権の幹部が開催中止の可能性に言及したことで政府与党内では戸惑いが広がりました。

「あの発言大丈夫」
「幹事長は何を言っても許されますからね」」

思わぬ反響に二階幹事長はコメントを発表、発言の火消しに追われました。

「色々な準備やなすべきことを一つ一つ解決していくことが重要です。その上で何が何でも開催するのかと問われれば、それは違うという意味で申し上げたところです。」

あくまで安全な形での開催を目指すと強調しました。

ワクチン廃棄どう防ぐ?
ドタキャン対応に自治体苦慮

65歳以上の高齢者へのワクチン接種が始まって4日目。

福岡市でも接種が始まりました。
福岡市の接種対象者はおよそ34万人ですが、4月中に確保できるワクチンは5400人分のみ。
十分ではありません。
そんな中今いかにワクチンを無駄にしないかが課題となっています。
ワクチンは少なくても一瓶から5回分とれますが6時間以内に使い切らなければ廃棄しなければなりません。

既に八王子市などいくつかの自治体で急なキャンセルなどによって数回分が廃棄されたことがわかりました。
自治体は対応を迫られている。

既に3回分のワクチンを廃棄してしまった京都市では、当日にキャンセルが出た場合、繰り上げて摂取してもらうように、次の日の予定者の中からあらかじめ決めておくなどの対応をとることを考えています。

余ったワクチンの対応について12日にWBSに出演した際、河野ワクチン担当大臣は、自治体に現場で柔軟な対応をしてほしいと述べました。
しかし自治体からは困惑の声。

厚労省は高齢者向けに確保したワクチンが余った場合、医療従事者などに打つことは認めています。
しかし今は摂取対象ではない一般の人たちに打っていいかどうかは方針が示されていません。
厚労省の幹部は
「市町村が勝手にやって、後で足りなくなったと厚労省に怒られても困るでしょうから、ワクチンをどうさばいていくかの考え方は示していくことになると思う。」
ルールの整備はこれからの課題だとしています。

初の日米首脳会談、菅総理が出発
最大テーマは中国、踏み絵とは

新型コロナの影響で菅総理にとって、実に半年ぶりとなる今回の外遊。
今後の日米関係はもちろん、対中関係にとっても非常に重たい意味を持つ訪米となりそうです。
菅総理はバイデン大統領にとって、就任後初めて対面で会う海外の首脳に選ばれました。

テレビ東京の単独インタビューで菅総理が口にしたのは緊張という言葉でした。

今回の首脳会談で最大のテーマが対中国政策。
半導体などの重要品目で中国に依存しないサプライチェーン構築など経済問題について意見を交わすだけでなく、新疆ウイグル自治区などでの人権問題にも触れる見通しです。

さらに最大のテーマとも言えるのが安全保障問題。
尖閣諸島をめぐるアメリカの防衛義務を確認したい日本に対し、アメリカが今重視しているのは台湾問題なのです。

最近中国は台湾周辺で空母による軍事演習を行い、アメリカ海軍も駆逐艦に台湾海峡を通過させていて米中の緊張が高まっています。

日米会談を直前に控えた今日、アメリカは中国を刺激する動きに出ました。
アーミテージ元国務副長官など超党派の非公式代表団が台湾を訪問し蔡英文総統と面会したのです。

アメリカ国内では日本にも台湾問題への積極的な関与を求める声が高まっています。
今回の日米首脳会談ではこの台湾問題が議論される見通しです。

仮に共同声明などの形で台湾問題が明記されれば台湾と国交を断絶する前の佐藤ニクソン会談依頼となり日中関係への影響は避けられません。
台湾問題を明記するかどうかは日中関係も維持したい日本に対するバイデン政権による踏み絵とも言えます。
その可能性について日本政府関係者は
「ありえるよね、難しいよね台湾問題が大変になるのは会談の後からだろう。

さらに日本を優遇するアメリカの態度については
「この領収書は高くつく。日本に何ができるのか覚悟が問われている。お金だけではなくね。」

アメリカと中国、巨大国家の対立に日本も入っていくその口火を切る象徴的な会談となりそうです。

日米首脳会談にも影響か
アメリカ対中法案、気になる中身

滝田さん
アーミテージさんが同じタイミングで台湾に入ってるということも含めて、非常に外交舞台めまぐるしい展開になってるわけです。
そうした中、アメリカの議会なんですけれども審議され始めた法案に注目したいと思うんです。

全部で208ページあるんですけれども、戦略的競争法案と言う。
議会が超党派でバイデン政権がバイデン大統領の対中政策にタガをはめようというそういう内容ですね。

もちろん経済なんですけれども、それに加えて通商・技術・外交・安全保障といった多角的に中国との関係を構築しようというわけです。
同盟国と足並みをそろえるという法案なんですね。

その中で注目したいのは日本がトップの位置というのか、ポジションに位置づけられてる法案なんです。

日本側がアメリカに対して要求しそうなことは想像がつくんですが、例えばワクチンが足りないんでファイザー社製のを分けてほしいとか、オリンピックについてアメリカの後押しが欲しいとか、そういう内容になるんでしょう。

ただし、アメリカにとって重要なのは台湾海峡の問題なんですよね。
ここについて日本が一肌も二肌も脱ぐということが今回の会談の中で大きな論点になってくると思います。

世界遺産の街に新型バス登場
グリーン革命の未来

世界遺産姫路城。
その城下町今月からある新しいバスが走り出しました。
兵庫県を中心に700台程運行をするバス会社が日本で初めて路線バスに導入したのが水素で動く燃料電池バス。

エンジンはなく、動力は燃料電池が生み出す電気。
走行中の振動や騒音がほとんどありません。

今回の水素バスの導入は事業者にとっても悲願だったといいます。
水素は空気中の酸素と反応させるとエネルギーを生み、排出するのは水だけ、究極のエネルギーとも言われています。
脱炭素の鍵を握る存在ですが、その水素を作り出す方法に大きな壁があります。

現在主流の水素の製造方法が化石燃料から水素を取り出す方法。
その過程で多くのCO2を排出するのが課題になっています。

その課題をいち早く解決しようとある世界最大級の施設が去年誕生しました。
福島水素エネルギー研究フィールドです。

NEDO新エネルギー産業技術総合開発機構や岩谷産業などが建設したオールジャパンの施設。
東京ドーム4個分に相当する太陽光パネル。
そして施設の中枢が水素製造装置です。
ここで行われているのは再生可能エネルギーを使って大量の水素を作り出すというもの。

太陽光発電の電力を使い、水を電気分解することで水素と酸素を分離する仕組みです。
化石燃料から作る水素がグレー水素と呼ばれる一方で、製造の過程でCO2を排出しない水素はグリーン水素と呼ばれ区別されています。
このグリーン水素こそが脱炭素の壁を打ち破る存在として注目を集めています。

ダークホースはアルミ?

世界でクリーンの水素の開発競争が過熱する中、新たな技術が地方企業から生まれようとしています。
社員わずか七人の会社アルハイテック
2013年に設立されたベンチャー企業です。
この装置でトヨタの工場から出るあるものを使って水素を発生させると言います。

トヨタの工場でエンジンを削る際に出てくるアルミくず。
そしてこちらの容器に入っているアルハイテックが開発した特殊な液体で化学反応を起こし水素を発生させます。

アルミと水酸化ナトリウムを反応させて水素を発生させる実験、原理は同じだと言います。
新開発の反応液は何度も使えるので水素の製造コストが抑えられます。
さらにアルミ屑から水素を発生させるので新たなCO2も排出しません。
環境面でも大きなメリットが。

家庭のごみからアルミだけを取り出す装置も開発しました。
リサイクルしたアルミから水素を製造する小型の装置を10月にも発売する予定です。

水素は大量輸送のために圧縮する必要がある他、供給設備にコストもかかるため普及にはまだまだ時間がかかります。
そこで水素製造装置を街の中の必要な場所に設置する仕組み。

水素ではなく軽くて扱いやすいアルミを運びます。
アルミから生み出した水素で学校の電力をまかなったり、水素ステーションで燃料電池車に使うアルミ水素社会です。

アメリカコインベース・グローバルが上場

ビットコインなどの仮想通貨の取引を仲介するアメリカのコインベースグローバルが14日ナスダック市場に上場しました。
株価は事前に示された価格より3割ほど高い328ドルで取引を終えました。
株価に発行されている株式数をかけた時価総額はおよそ860億ドル、日本円で9兆円を超え、世界最大の取引所であるニューヨーク証券取引所を傘下に持つインターコンチネンタル取引所を上回りました。

中国・フランス・ドイツ首脳が気候変動で会合

中国外務省は今日、中国・フランス・ドイツの首脳による気候変動に関するオンライン会合が明日開かれると発表しました。
マクロン大統領の招待を受け、習近平国家主席が出席するとしています。
温暖化対策をめぐる国際交渉をアメリカが主導することへの警戒から、ヨーロッパとの連携をアピールする狙いがあるとみられます。

新型コロナで乗客減少
京急が攻める、稼ぐ車両とは

羽田空港の国際線到着ロビーに直結する京急線の羽田空港第3ターミナル駅。

新型コロナの影響で空港を利用する人が減ったため乗客も大幅に減少。
第3ターミナル駅の利用者は1年前に比べ70%以上減り続けています。
京急線全体の利用者も減少していて、今年3月までの1年間の決算では253億円の最終赤字に転落する見通しです。

その京急が期待をかけて導入するのが新造車両の1000形です。
稼ぐ車両とはどういうことなのでしょうか。
車内は普通の通勤電車に見えますが、座席の向きを変えられることで、この車両を有料の座席指定列車や貸切のイベント列車にも活用できるといいます。

全ての座席にコンセントを配備。
トイレも設置されています。

京急ではこの新造車両を企業や個人にイベント列車として利用してもらう際はホームを使ってイベントも開催できるようにする考えです。

新型コロナ関連ニュース

今日新たに感染が確認された人の数は4577人でした。
今日発表されたワクチン接種の回数は52614回となっています。

不要不急の外出自粛を求めます。
近畿二府四県などで作る関西広域連合は各府県内でゴールデンウィーク終了まで不要不急の外出自粛を求める方針を確認しました。
実施は各知事に委ねます。
また現在の制度では変異株の広がりに対応できないとして知事の裁量で地域の実情に応じた対策が取れるよう政府に求めることでも合意しました。

医師不足などが懸念される中、効率化を目指します。
東京調布市は来週から始まるワクチンの集団接種の会場を公開しました。
接種を受ける人が個別に区切られた席で待機し、医師が巡回してワクチンを打つのが特徴です。
調布市によりますと、接種を受ける人が移動するよりも接触リスクが少ないうえ、効率もよく1日の摂取数を1.8倍に増やせるといいます。

景気を読み解く冊子とは

滝田さん
現場に足を運んだ、足で稼いでるレポートかだからなんです。
日銀のさくらリポートは支店長会議のための資料になります。
ベージュブックはFRBが年8回開いている金融政策の決定会合の判断材料になるんです。
データに加えた肌感覚ですよね。

北海道と東北の二つの地域では景気が景気判断引き下げられました。
それ以外の7つの地域は横ばいということです。
総括としては多くの地域で新型コロナの影響からサービス商品を中心に引き続き厳しい状態にあるとしつつも全体としては持ち直しているという判断なんです。

滝田さん
国内の状況はあんまり大したことないです。
パッとしないんです。
海外の需要なんですよね。
輸出が伸びてたので日本経済を引っ張ってるってそういう構図だと思います。

アメリカは初夏の陽気ですよね、かんかん照りという感じ。
キーワードは加速、アクセラレーションなんです。
景気判断がかなり前向きになってるとと伺えるわけです。

FRBのパウエル議長なんですけれども、ちょっと前に変曲点インフレクションポイントという言葉を使ってるわけです。
重要なことなので皆さん覚えておいて頂きたいんです。
景気の方向の変わり目ということで予想以上に強いということ。
これはやっぱり大型経済対策金融政策そしてワクチン接種。

東芝、買収提案拒否で調整
イギリス投資ファンドCVC

東芝はイギリスの投資ファンドCVCキャピタルパートナーズの買収提案を拒否する方向で調整していることが明らかになりました。
昨日車谷前社長が退任し、新しい経営体制に移行した東芝は投資ファンドからの買収提案にどう対応するかが焦点となっていました。

アメリカ大統領アフガン完全撤退へ

アメリカのバイデン大統領は14日、ホワイトハウスで演説しアフガニスタンに駐留するアメリカ軍を同時多発テロから20年となる今年の9月11日までに完全に撤退させると正式に発表しました。
バイデン大統領は撤退には条件をつけないと強調し、今後は外交や人道支援でアフガニスタンを支えていくとしています。

五輪開催のカギ握る
ワクチン接種の体制

滝田さん
車谷さんが社長を辞めたって言うとは影響してると思います。
一方でCVCが引き続き買収するということになると敵対的買収敵対的TOBになる可能性が出てきます。

Q:東京オリンピックについて、二階幹事長が無理ならばやめないといけないと発言してこれまた大騒ぎとなっています。

政治家として逃げを打っておきたいということだと思うんですけれども、オリンピックについて2階に登った梯子を外すの僕はどうかなという感じがいたします。

一方でワクチンなんですけれども、各国のワクチンの接種状況を見てみたいんですけれども、日本はこの中に載ってない。
1%未満と極端に低い状況にまだあるからなんですね。

カギになる四つのポイントを整理してみたい。
日本では今、ワクチン供給の問題に注目してるんですが、やっぱりどうやって打っていくか、2番、3番の論点をしっかりやってく必要があるんじゃないかと思います。