WBS 2021/5/20(木)

輸出が過去最高
中国スーパーに日本酒ずらり

今年4月の輸出額は1年前に比べて38%増えて4月として過去最高となりました。
急増の要因は新型コロナから日常を取り戻しつつあり、景気が急回復しているアメリカや中国向けが増えたことです。
中国では意外な日本のものが人気となっていました。

夕方中国北京のスーパーマーケット。
仕事帰りの客が立ち寄るのは日本酒のコーナー。
若い客が次々と商品を手に取ります。
特に人気なのは日本酒人気の火付け役となった獺祭。
飲みきれる少量のタイプから一升瓶まで揃っています。
現在では客の好みも多様化してきているといいます。

日本の酒造メーカーは中国への渡航が制限されるなかでも消費者向けのオンラインイベントを始め、ネット販売と組み合わせたPRを続けてきました。
中国では飲食店での会食に酒を持ち込む習慣があるため、自宅で試した日本酒を会食用に購入するなどコロナを経ての見方の幅が広がったと言います。

1月から3月の日本酒の輸出額を見ると、中国への輸出は1年前のおよそ3倍になり、コロナ前と比べても大きく上回っています。

獺祭を製造する旭酒造は今年に入り国内は緊急事態宣言の影響で前の年の8割ほどで推移しているものの、輸出が好調なため売上全体は2割以上伸びているといます。
また冷蔵倉庫の建設に着手します。
安定的に生産保管することで世界で需要が増える冬にも対応できるようになり、年間生産量を2割から3割程度増やせると見込んでいます。

中国が買う日本の技

財務省が今日発表した貿易統計速報によりますと4月の輸出額は4月として過去最高の7兆1800億円あまりとなり、アメリカ向けの自動車などが好調でした。
中国向けも好調で世界的に需要が高まっている半導体の製造装置がおよそ2.3倍、金型などを作る工作機械などの金属加工機械が1.7倍に増えています。

工作機械のメーカーを尋ねました。
芝浦機械は大手工作機械メーカー
金属を削って金型を作る機械などを製造しています。
中国向けに好調だったのはスマートフォンのレンズ用のほか、自動運転の車のセンサー向けでも需要が伸びているといいます。

輸入急増、中国製EV
テスラ「モデル3」販売好調

一方中国から輸入が増えているものもあります。
最近増えているのが中国から輸入されるEV電気自動車です。
今年1月から3月まではおよそ30億円と1年前の48倍に増加。
その大半を占めていると見られるのがEV大手テスラです。
販売が好調の主力車種のモデル3

まず驚いたのが目の前にメーター類が一切ありません。
速度やナビゲーションはタッチディスプレイに表示されます。
モデル3は今年から出荷元をアメリカから中国上海の工場に切り替え価格も15%ほど値下げ。
現在本体価格は434万円ですが、国や自治体の補助金制度を利用すれば最大で140万円ほどの補助を受けられるため実質290万円台で購入できます。

上海工場で年間45万台を生産する能力を持つテスラ。
今後さらに日本市場への販売は加速していくとみられます。

厚労省、海外2社ワクチン承認へ
モデルナ製とアストラ製

厚生労働省の専門部会はアメリカのモデルナ社とイギリスのアストラゼネカ社が申請している新型コロナウイルスワクチンを承認することを了承しました。
田村厚労大臣は明日にも正式に承認する方針です。
すでに接種が始まっているファイザーを含めて3種類のワクチンが国内で使えるようになります。
モデルナ社のワクチンについては2500万人分の供給を受ける契約を既に結んでいて24日に始まる大規模摂取の会場で使用される予定です。

日本で承認されることになったワクチンについてこちらにまとめました。
供給量ですがファイザーが9700万人分、そしてモデルナは2500万人分、アストラゼネカは6000万人分となっています。
臨床試験では新型コロナの発症を予防する効果が、ファイザーで95%、モデルナが94%、アストラゼネカが76%でインフルエンザのワクチンが60%程度とされていますのでそれより高い水準です。
ただアストラゼネカのワクチンについては副反応として、まれに血栓症が発生するという報告があり、年齢制限などを設けている国もあります。
新たに2種類のワクチンが承認されることになり摂取の加速が期待されます。

各地に大規模接種会場
接種のスピード加速へ

市町村や都道府県では大規模な摂取会場を設置する動きが相次いでいますが課題も浮上しています。
東京町田市のサッカースタジアム。
サッカーコートのそばには大きな白いテント。
続々と人が訪れましたが大きな混乱もなく受付や問診が進められました。
会場では16のブースに分かれてワクチンを接種。
四日間で6000人ほどがワクチン接種を受ける予定です。

そして京都では、来月中旬サッカースタジアムなど2カ所に大規模接種会場を設置。
モデルナ製ワクチンが使用される見込みで1日2400人の摂取を予定しています。
これまで市町村が主体となって進めてきたワクチン接種ですが、国は1日当たり100万回、7月末までに高齢者の接種を終える目標を達成するため都道府県にも大規模な摂取会場を設置するように要請しているのです。

東京都の小池知事も。
実は東京都では1/3の自治体が7月末までに高齢者接種が終わらない見通しを示していて、大規模会場を増やし摂取を加速させる必要があるのです。
ただ大規模接種会場が次々とできることで課題として浮かび上がってくるのが接種を行う医療従事者の人手不足です。

ワクチン接種の打ち手不足
潜在看護師を活用するには

アルバイトの求人サイトバイトルを運営するdipが昨日から始めたのが専門職の求人サイトです。
中でも募集が多いのが看護師です。
ワクチン接種会場でも看護師の確保が欠かせない今、資格を持つものの仕事についていない潜在看護師が注目されています。
ワクチン接種に関わる仕事の場合、時給は3000円から3500円と他の条件と比べても高くなっています。

このサイトを利用しようとしているキャリア10年の元看護師の女性。
子育てに専念するため6年間現場から離れていますが働くにはある課題が。
「やっぱり時間ですね、注射を打つのは全然大丈夫なんですけども。9時半から働けるっていう仕事がなかなかない」

潜在看護師の活用は勤務時間など柔軟な働き方に対応できるかなどが鍵になりそうです。
また行政は医師会などから看護師を紹介してもらうのが通例のため、こうしたサイトがどこまで認知されるかが課題です。

新型コロナ関連ニュース

新たに感染が確認された人の数は5720人でした。
亡くなった人の数は106人となっています。

さらに沖縄を追加します。
菅総理大臣は新型コロナの感染拡大が深刻な沖縄県を緊急事態宣言の対象に追加することを明日政府の文化会に諮問する方針を明らかにしました。
総理周辺によりますと政府としては沖縄県への緊急事態宣言の期間は今月23日から来月20日までとする他、愛媛県の蔓延防止等充填処置は解除するとして分科会に意見を求めます。
岐阜県への緊急事態宣言は今回は見送る方向です。

変異ウイルスに再感染する可能性も。
横浜市立大学は去年新型コロナの従来型のウイルスに感染したおよそ250人を対象に、1年後にウイルスに感染するのを防ぐ抗体があるかを調査しました。
従来型のウイルスに対しては97%の人に抗体がありましたが、ウイルスに対しては軽症や無症状者は大きく減ることがわかりました。

以前感染者は一人もいないとする北朝鮮で注目を集めています。
建物の中をうろうろと動き回る四角い箱、実は消毒液を散布するロボットなんです。
手を近づけると、消毒液が出てきて完了したことを知らせてくれます。
開発した北朝鮮の中学生13歳に対し、教師が母親は驚きを隠せない一方、将来は科学者になりたいと本人はいたって冷静です。

祭りの中止で3000匹が窮地です。
メダカによる町おこしに取り組む和歌山県海南市で、年に一度開催しているめった祭りが新型コロナの影響で2年連続の中止となりました。
祭りではおよそ3000匹のメダカが展示販売される予定でしたが行き場を失った形です。
それでも県民を対象に販売して人気の黒江ブラックなど半分以上が売れたということです。

ワクチン接種加速へ

滝田さん
東京都の世田谷区の場合、接種会場の空き状況を公表するようになった。
新しい広めの会場を新設したものは6月の第1回目の予約が可能になってるわけですね。
みんな分かるようになってる。

5月19日の段階で1日あたり初めて40万件を超えたわけですよね。
実績はすでに750万件に乗せてますんで、今のペースのままでも2ヶ月後には3200万人台になるわけです。
今後加速しますからもっと接種回数は増えてくと思う。

余ったワクチンを捨てない努力が必要になってくると思うんです。
アメリカでは3月末の段階に10万回分を廃棄するざるを得なかったわけですね。
日本についても二重予約みたいなことをした場合には行かない会場についてキャンセルするということをかなり徹底する必要があると思います。

マンション価格、過去2番目
人気の物件はどこ?

不動産経済研究所が発表した一都三県における新築マンションの発売戸数は2089戸と緊急事態宣言が出ていた1年前に比べておよそ3倍に増え、コロナ前のおととしと比べてもおよそ1.5倍に伸びています。
平均価格は東京23区の発売戸数が多かったため、1戸あたりの平均価格は過去2番目となる7764万円に上昇しました。
こうしたマンションの値上がりはコロナ禍で在宅勤務が増えているため、家の居住性を重視し郊外の物件に向かう消費者も出てきています。

首都圏の郊外で人気が高まっているのが、電車で40分ほど再開発が進む神奈川県の海老名市です。
建設中の新築マンションは想定の部屋数が1000戸という大規模物件。
人気の理由は広さと価格。
海老名市は東京23区の物件と比べて坪単価で6割ほど低い価格となっています。
3LDKのおよそ70平米で5千万円前後の部屋が売れ筋で、部屋数が多いマンションを求める傾向が増えていると言います。
その理由は在宅勤務向けに設置された個室があり、高速大容量のインターネット環境も整備していて、去年12月から先行して175戸を売り出したところ1か月以内に完売しました。

愛知・福岡で土日休業要請

愛知県の大村知事は新型コロナの感染者数が高止まりしていることを受け、百貨店や家電量販店など大規模な商業施設やスポーツクラブなどに対し土曜と日曜の休業を要請しました。
休業に応じた施設には協力金を支給する方針で、生活必需品売り場は除きます。
また福岡県でも大型商業施設やスポーツクラブなどに土日の休業を要請します。
5月末までの緊急事態宣言の措置として今週末から適用します。

コロナ禍定食メニュー拡充

すかいらーくグループが運営する中華レストランチェーンのバーミヤンは今日から平日限定で16種類の定食メニューの販売を始めました。
餃子焼売定食は600円台半ばとファミリーレストランとしては手頃な価格に設定しました。
すかいらーくグループの先月の売り上げはコロナ前のおととしと比べ7割程度と苦戦しています。
緊急事態宣言地域などで時短営業が続く中、こうした定食メニューを充実で提供することで売上アップにつなげたい考えです。

コンビニ4月売上高戻り鈍く

日本フランチャイズチェーン協会が今日発表した4月の全国のコンビニ売上高は8821億円でした。
おととしの4月と比べて4%弱減り、新型コロナが流行する前の水準には依然として戻っていません。
緊急事態宣言が発令され、外出を自粛する動きが強かった去年の4月からは8%増えました。

アメリカ大幅な緊張緩和を要求

イスラエルとパレスチナの戦闘が激しさを増す中、アメリカのバイデン大統領は19日イスラエルのネタニヤフ首相と4回目となる電話会談を行いました。
大統領は停戦に向けて今日大幅な緊張緩和を期待していると伝え、緊張緩和のタイミングについて今日と言及し、イスラエル側に迅速な対応を求めたということです。
一方ネタニヤフ首相は会談後に声明を発表し戦闘を継続する決意を改めて表明しています。

NTTとスカパーが提携

NTTスカパーJSATホールディングスは新たな宇宙事業に向けて、業務提携したと発表しました。
衛星で収集した地上のデータを宇宙空間で処理して必要な情報のみ地上に送ります。
独自の宇宙インフラを構築することで地上の災害などの影響を受けないネットワークの実現を目指します。

調停外交続く、混迷の背景

滝田さん
一時停戦はあるかもしれませんが、本格停戦というの難しいと思いますね。
というのはバイデン大統領とネタニヤフ首相の間には隙間風が吹いてるからです。
アメリカはイスラエルよりと思われるかもしれませんけど、バイデン政権はネタニヤフ首相には完全に距離を置いてるわけですね。
むしろイランを核合意に復帰させようという方に力を入れているわけです。
武装組織ハマスの後ろ盾はイランですから、イランの方がバイデン政権の足元を見るという構図になってる、そこにネタニヤフ首相が非常に不満を持ってる。

うまくいかない理由はアメリカ国内にもあると思うんです。
というのは民主党の中が二分されてるからなんですよね。
民主党の中道派と言われる勢力はどちらかと言うと親イスラエルなんですけれども、民主党の左派オカシオコルテス議員を中心にする左派は親パレスチナですから、完全にバイデン大統領のリーダーシップが発揮しづらい状況にあると思います。
外交においては力による抑止っての非常に重要なんですけれども、バイデンさんはどうもそこのとこに欠けるところがあると思います。

白熱ランキング:お取り寄せホテルグルメ

一流ホテルが作るパウンドケーキに、和菓子、ちょっと贅沢なホテルグルメのお取り寄せが人気です。
全国のお取り寄せ商品の情報サイトおとりよせネットから、ホテルが販売するグルメやスイーツをランキング。

第6位はこちらずらりと並ぶのは水星・金星・地球・火星・木星・土星・天王星・海王星。
リーガロイヤルホテル大阪にあるチョコレート専門店が販売する惑星チョコです。
地球はカカオ味。
土星はラムレーズン味など八つの種類全て違う味が楽しめます。

第5位にランクインしたのは鹿児島のホテルのジャム。
地元特産の知覧茶という緑茶と安納芋を使ったジャム二つのセットが人気です。
このホテルでは新型コロナの影響で宿泊客が半減。
そこで着手したのがオンライン販売の大改革です。
去年12月からオンライン販売のプロのアイデアも採用。
商品の説明を丁寧にし、料理長の想いなども載せたところオンラインの売上高はおよそ2倍に伸びました。

4位と3位は東京丸の内にあるパレスホテル東京の商品がランクインです。

第4位はガトーバナーヌ。
完熟バナナをたっぷりと練りこんだパウンドケーキでしっとり柔らかな食感が人気です。

第3位は千代紙のような薄いチョコレートです。
菖蒲の花や桜、歌舞伎の柄などをあしらった華やかな見た目から贈答用として人気だそうです。
こちらのホテルでは商品の販売により力を入れるために去年12月新たに外販事業の部門を立ち上げました。

そして第1位は金谷ホテルベーカリーが作る冷凍パンの詰め合わせ。
3種類のパンとマーガリンがセットになっています。
日光金谷ホテルの朝食で提供されていて自宅でも老舗ホテルの味が楽しめます。
高級パンブームも相まってオンラインでの注文数はコロナ前と比べて2.5倍に伸びたと言います。

企業の熱心な工夫や努力はお取り寄せをする客側の変化にもつながっているようです。

ワクチン格差どう是正?
95歳前首相が訴え

去年までマレーシアの首相を務めたマハティール氏。
今日テレビ東京とBSテレ東の共同取材に応じました。
「ワクチンは非常に高価で買えない国も多くある。浮遊国がワクチンを独占し貧しい国は不足している。マレーシアも最低限しか確保できていない。」

ワクチン確保が困難な途上国の現状を訴えたマハティール氏。

「他の惑星の宇宙人から攻撃されたら世界中が一つの国として戦うでしょう。今、世界は共通の敵に襲われている。世界は団結するべきだ。」

こうした声を受けアメリカのバイデン政権は19日、WHO世界保健機関が主導するワクチンの公平な分配を目指す国際的な枠組みコバックスを通じてアメリカが持つワクチンを供給する方針を明かしました。

ちなみにマハティール氏は御年95歳。
マレーシアの首相に再登板する可能性を聞いてみると
「95歳で年寄りだとわかっている。ただ国民が助けを求めれば応える」

マハティール氏は日本経済新聞社が主催する国際交流会議アジアの未来に明日登壇します。

中国との貿易、収支の実態

滝田さん
実は対中国に対して赤字。
これは真実の姿なんですね。
実はこの中に香港経由での輸出が入ってないからなんですよね。

折れ線グラフです。
黒字になったり赤字になったりとでこぼこなんですね。
対中輸出で大幅な貿易黒字だという持っているイメージからはやはり違う姿が見えてきます。

対米貿易収支はどうなってるのか。
これはもうしっかりと黒字になってる。
経営者の方が対中貿易、アメリカとどっちが重要かなんてこと言うのかって言うと、輸出でも輸入でも企業のビジネスに関係あるからですよね。
一方で付加価値という点ではやっぱり対米貿易の黒字が大きいわけですね。
ミクロとマクロのギャップが表れてるというふうにも言えると思うんです。