WBS 2021/6/23(水)

再抽選結果は7月6日
購入者に戸惑いも

カメラを見下ろす巨大な女性。
卓球の石川佳純選手の人形です。
オリンピックのスポンサーアシックスが今日本社前に設置しました。
来月開催のオリンピック、しかし関係者はお祭りムードとは程遠い状況です。

実はこの人形、繁華街渋谷での展示を検討していましたが、見に来る人が密になるのではないかとの懸念から急遽中止に。
メディアに公開した後すぐに撤去しました。

会場での酒類の提供の中止を決めた組織委員会。
実は大会スポンサーで酒類を提供する権利を持つアサヒビールが昨日中止を提言したということです。

お祭りムードになれない人はここにも。
IT企業を経営する鎌形さん35歳です。
鎌形さんは8月7日に開かれるサッカー男子の決勝というプラチナチケットを4枚購入しています。
購入費用は6万円。
家族で世紀の一戦を見に行くつもりでしたが、会場の入場人数が最大1万人となったことなどからサッカー野球陸上などのチケットは再抽選に。
91万枚が減らされることになります。
実はサッカーの決勝戦はおよそ4万枚が販売済み。
そのうち3万枚が削減対象となります。
再抽選の結果は来月6日に分かります。

オリパラは猛暑のピーク
かぶる日傘、選手のサポートも

そしてもう一つ気になるのが暑さ。
民間気象会社のウェザーニューズでは今年の夏は二つの高気圧が日本を覆うため猛暑の恐れがあると予想しています。
暑さのピークは7月下旬と8月下旬で、オリンピックとパラリンピックの開催期間に重なる可能性が高いと言います。
猛暑が懸念される中、ボランティアに対しては日よけテントを拡充するなど、対策も導入しています。
あの頭にかぶる日傘も希望するボランティアに配布する予定です。

一方、先ほどのウェザーニューズは選手の暑さ対策もサポートしています。
ウェザーニューズはこれまで様々なスポーツに気象情報を提供してきました。
2015年のラグビーワールドカップでは日本チームもサポート。
アフリカ戦の勝利を陰ながら支えました。
今回、11の競技をサポートする予定で、天候の予想データだけでなく、競技会場など現地を調査し、猛暑の中でも選手達が実力を発揮できるよう暑さへの対策などを提案します。

なぜ?小型百貨店が続々
デパ地下食品もズラリ

川崎市の武蔵小杉駅近くにある商業施設、グランツリー武蔵小杉。
そこでひときわ目を引くのが西武百貨店の看板です。
「デパ地下の食品やカタログギフトなどの展開する小型百貨店になります」
百貨店なのに売り場の広さは120平方メートル。
一般的なコンビニより狭い面積ですが、その品揃えはヨックモックや新宿高野といったデパ地下でおなじみの洋菓子などおよそ300種類。
住宅街が広がる武蔵小杉に小型百貨店をオープンさせた理由とは。
「外出の自粛やリモートワークが進む中、やはり都内に行くよりも家の近くで上質なものを買い物したいというニーズが非常に高いと感じております。」

実はそごう西武がこの場所に出店するのは2度目。
2014年に衣料品を中心とした店舗を出していました。
しかし、他の店舗との差別化が難しく、わずか3年足らずで撤退。

その経験とコロナ禍の現状を捉え、2度目の出店となる今回は食料品やギフトに絞って再出店しました。
都心の百貨店が厳しい状況の中、この小型百貨店で売り上げを伸ばす狙いです。

百貨店小型化で勝負
狙いは都心に行かない客

さらに新宿からおよそ40分の橋本駅構内を覗くと、こちらにも小型の百貨店が。
京王百貨店が4月にオープンした小型店舗で、広さはおよそ110平方メートルです。
京王百貨店は新宿と聖蹟桜ヶ丘に大型店、新三郷や昭島の他、同じグループの京王線沿線の吉祥寺や八王子などに小型店を展開していました。

コロナで遠出を避ける傾向が高まる中で、小型店舗の売り上げが好調だったことから6点目を神奈川県に出店。
店内ではこちらも菓子やギフト向けの商品が並びます。
ギフトの包装紙はもちろん京王百貨店。
コロナ禍で都心の百貨店に行けない客にも百貨店ならではの手土産が購入できると好評です。

職場接種、申請一時停止
ワクチン不足の可能性

申請の受付を停止するのはモデルナ社製のワクチンを使った接種で、企業による職場接種について今週金曜日の午後5時に受付を停止し、自治体による大規模接種はすでに新規の受付を停止しているということです。
現在モデルナからは9月末までに5000万回分のワクチンの供給を見込んでいますが、申請のペースが予想を上回ったため、受付の停止を決めたということです。
すでに申請を済ませている企業には順次承認を出していく方針ですが、中には過剰に申請しているところもあるとみていて精査が必要だということです。
新規受付の再開のめどは立っていません。

新型コロナ関連ニュース

今日新たに感染が確認された人の数は1779人でした。
今日発表されたワクチン接種の回数は734728回となっています。

再拡大の懸念が強まっています。
今日の東京都の新たな感染者数は619人と先週の水曜日より100人以上増えおよそ1ヶ月ぶりに600人を超えました。
再拡大を指摘する声が上がっています。

接種のペースが落ちています。
アメリカのバイデン政権は独立記念日の来月4日までに成人の7割が新型コロナのワクチンを1回以上接種するという当初の目標の達成が困難との見方を示しました。
接種率は22日時点で65.4%で若年層の接種の加速が課題となります。

接種を受ける前に役立ちます。
医療ベンチャーのプレシジョンは今日新型コロナワクチンを接種した際の急性アレルギー反応のリスクを事前に確認できるアプリを無料で公開しました。
4つの質問に答えることでリスクがあるかどうかが分かります。
リスクがある場合は接種後の観察時間を長めにとるといった対応が可能になります。

上野動物園で双子のパンダ
株価が上昇した老舗企業とは

今日午前1時3分、シンシンの足下には生まれたばかりの赤ちゃんパンダの姿が。
およそ1時間半後にはもう一頭が誕生しました。
上野動物園で双子が生まれるのは初めてです。

上野に本店を構える中国料理店の東天紅
これまでパンダ月餅を始め、パンダにちなんだ商品を販売してきました。
今日の東京株式市場ではパンダ関連株として東天紅に個人投資家からの買いが集まり、株価は一時10%以上上昇しました。
初の双子誕生ということに加え、緊急事態宣言が解除され、集客アップが見込めることも後押ししたとみられます。

同じく上野を拠点とし、パンダ関連銘柄とされる西洋料理の老舗精養軒の株価も一時7%を超えました。
精養軒では明日からパンダの顔を描いた特製のティラミスを提供します。

ただ新型コロナの影響で両社ともに直近の通期決算は最終赤字と苦戦を強いられているためパンダ特需に期待しています。

次世代国産ワクチンへの挑戦
コップ半分の量で日本を救う

現在国内で開発中の新型コロナワクチンのサンプルです。
ファイザーやモデルナ製のワクチンに続く第2世代と呼ばれています。
最大の特徴がわずか127g。
コップ半分くらいの量で日本の人口およそ1億2000万人分の接種を賄える可能性があるといいます。

今月1日、羽田空港、来日したひとりの男性。
赤畑さん。
アメリカでワクチンメーカーを立ち上げ社長を務めています。
京都大大学院を卒業後、2002年に渡米。
アメリカ国立衛生研究所でワクチン研究に従事し、2013年にVLPセラピューティクスを設立。
癌やマラリアなどのワクチンを開発してきた科学者です。

去年、新型コロナの拡大を機に日本でワクチンを開発することを決意。
独自の技術で全く新しいワクチンの開発に着手しました。

「強みは少量接種で素早く多くの人に供給できるワクチン。少量だと例えばそのワクチンの製造が非常に楽になる。接種した時の副反応が非常にが軽減される可能性が高いということです。」

開発中の新型ワクチンはレプリコンワクチン、自己増殖を意味するワクチンです。
ファイザーやモデルナのワクチンの改良型だといます。

仕組みはこうです。
コロナウイルスの突起した部分スパイクタンパク質。
人の細胞が触れると感染します。
このスパイクタンパク質の設計図と呼ばれるのがメッセンジャーRNA。
ファイザーやモデルナのワクチンはこれを活用します。

メッセンジャーRNAを体内に注射すると、感染力のないスパイクタンパク質が作られ、体内でスパイクタンパク質が出来ればそれに対する抗体ができ免疫が生まれます。
こうしてコロナウイルスの侵入や付着を防ぐのです。

一方赤畑さんが開発するレプリコーンワクチンのケースは。
体内に入ったメッセンジャーRNAが特別な技術でどんどん増殖する機能を持っています。
そのため少量の接種でも大量の抗体が作られます。
これにより効率的で高い免疫効果を発揮するというのです。
赤畑さんによれば既存のワクチンの1/10から1/100の量の接種で効果は期待できるといい、わずか127gで日本の人口1億2000万人分の接種をまかなえるとしています。

富山県富山市、かつて薬売りが町の経済を支えたことで知られています。
そこにおととい赤畑さんの姿が。
向かった先はワクチンの製造を委託する富士フイルム富山化学です。
富士フイルムは去年10月から最新の設備で赤畑さんのワクチンの生産を進めているのです。
出来たばかりのレプリコンワクチンのサンプルです。

富士フイルムは将来の市販化に向けて、国産ワクチン専用の生産ラインの新設を検討しています。

来年の市場投入に向けて準備が進む新型国産ワクチン、その最大の関門が。
国の承認です。
3ヶ月に一度来日し、厚生労働省に開発状況を報告しています。
今月中にも治験を開始する届を出す予定ですが厚労省との間では安全性を巡って協議が続いています。
激しいせめぎ合いがあるといいます。

1日でも早くワクチンを世に出したい、一方で安全性は譲れない。
国産ワクチンをめぐる葛藤は続きます。

次世代国産ワクチンへの挑戦
承認へのもう一つの壁

承認に向けてもう一つ大きな壁があるそうです。
それは現在のワクチンの接種が進んでいるため、必要な治験者の確保がより難しくなっているということなんです。
そこが国産ワクチンの開発の新たな課題となっています。

脱炭素の荒波
株主総会に環境団体の姿

多くの企業がこの時期株主総会を開いていますが、今年特に目立っているのが気候変動や脱炭層に関する株主提案です。
エネルギー関連企業に限らず幅広い業種が対応を迫られえているんです。

みずほの株主総会の会場前です。
環境団体による抗議活動が行われています。
横断幕には、化石燃料から今すぐ脱却を。
なぜみずほの株主総会に環境団体が来ているのか。
「3メガバンクは石炭火力の事業への融資ですとか、炭素集約的な産業への融資額が非常に大きい。」

午前10時から始まった株主総会。
酒井社長はみずほ銀行で相次いだシステム障害について陳謝。
この後、株主からは経営陣の責任追及の声が上がりました。
それよりもむしろ質問が多かったのが気候変動問題についてでした。

去年みずほ銀行の株主総会には国内企業として初めて気候変動に関する株主提案も出されていました。
否決はされたものの、賛成はおよそ34%に上りました。
みずほ銀行には融資先企業から脱炭層化に向けた相談も多く寄せられていると言います。

そこで打ち出したのがトランジションファイナンス。
トランジションファイナンスとは現在は環境負荷の高い事業であっても脱炭素型に移行する道筋が見えているのであれば、資金を供給するというもの。
すでに川崎汽船はこの仕組みで総額59億円を調達。
環境負荷の小さい液化天然ガスを燃料とした自動車運搬船を購入しました。

実はみずほはじめ、3メガバンク全てが石炭火力発電事業への融資残高を2040年度までに0とすることを打ち出しています。

気候変動への対応を求める声は銀行だけでなく、幅広い業種にも。
先週開かれた住友商事の株主総会、石炭火力発電所の建設などに関わっていることを問題視したオーストラリアの環境団体が新たな事業戦略の策定を迫りました。

環境対策で動く株主
アメリカでは企業側が敗北

こうした動きが先行しているのはアメリカです。
先月には株主提案が賛成多数で可決されるケースもありました。
石油大手エクソンモービルの株主総会では、物言う株主が環境対策強化のためとして取締役の刷新を提案。
会社側が強く反対したにも関わらず、環境派の取締役3人が選任されたのです。
長年株主総会の運営に携わってきた弁護士は今後、日本の株主がより強硬な手段に出る可能性もあると言います。

株主総会に環境団体の姿
世界的なすう勢に

滝田さん

環境団体とは別に、物言う株主は出てきてる理由はそこにもうけのチャンスがあるからです。
脱炭素の流れの中で、鉄鉱とかエネルギー関連の企業の株っての割安なわけですよね。
そこでその企業をグリーンに転換すれば、その株の価値が上がるじゃないですか、そこに目をつけているって言うのがひとつのポイントになると思います。

Q:環境アクティビストという存在としては投資姿勢に何か違いがあるんでしょうか?

そこは一つのポイントになってくると思います。
すぐに売ってしまうアクティビスト。
そしてもう一つはテイクオーバービッドですね。
乗っ取りを狙うタイプもあったんですけど、直近ではエンゲージメント、つまり関与することによって企業を内側から変えてこうと言う投資家が増えてると思います。
機関投資家が手を握ろうと動く。

もう一つ、お金を貸して銀行に圧力をかけて動きを加速してくという、そういう流れになってると思いますね。

北京で祝賀ムード高まる

1921年7月に結党した中国共産党が来月1日に創立100周年を迎えます。
その記念日を前に北京市内では祝賀ムードが高まっています。
1日に行われる記念式典では習近平国家主席が共産党の統治の下での中国の発展ぶりをアピールする見通しです。

世界の富裕層520万人増

クレディスイスが22日発表した世界の家計資産に関する報告書によりますと、100万ドル1億1000万円以上の純資産を持つ世界の富裕層は5600万人と1年前に比べて520万人増えました。
世界の総資産は新型コロナの影響で去年1月から3月で17兆ドル減少しましたが、その後の株高などで1年前に比べて28兆ドル増加しました。

ジャーナリスト立花隆さん死去

戦後のジャーナリズムに大きな足跡を残した評論家の立花さんが4月に亡くなっていたことがわかりました。
1974年に田中角栄元総理を巡る資金の流れや蓄財について月刊誌で発表し、2ヶ月後の内閣総辞職の引き金となるなど一躍名を馳せました。
立花さんには宇宙や脳死、歴史など多彩な著作があり知の巨人とも評されていました。

夫婦別姓、再び認めず

夫婦別姓を認めない民法と戸籍法の規定は憲法に違反するかが争われた家事審判の決定で、最高裁大法廷は合憲との判断。
民法の規定を巡っては2015年に最高裁が合憲との判決を下していて、社会の変化を踏まえても判断を変更すべきものとは認められないとして再び合憲の判断を示しました。
その上でこの種の制度のあり方は国会で判断されるべきとしました。

立花さんの先見性
ムダ弾どう生かす

滝田さん
注目したいのは自然科学、サイエンスに非常に造詣が深かった。
中で当時もいくつかの技術について語ってるんですよね。
例えばリニアモーターカー、スパコン、そして素粒子の観測装置などなんですけれども、非常に当時の最先端技術について、あれをもっと伸ばしとけばよかった、そういう目で振り返られるようなこと言ってます。
そこの中での問題提起、今に通ずるところがあるんです。
一つは縦割りの弊害ということはもちろんあるんですけども、もう一つ重要なのは最先端技術ってうまくいくこともあるし、失敗することもあるんですけれども、記事の表題に出てます。
つまり、ムダ弾をてるのかって問題提起をしてるわけですよね。

失敗に対しても最先端を推せるかどうかってこと問うてるわけです。
骨太方針の中でも最先端技術を言ってるわけですから、立花さんの記事は一つ問題提起になると思います。

マーケット情報

先ほど取引が始まったNY株式市場ですけれども、3指数そろって上昇です。
特にナスダックは最高値更新となっています。
為替は一時、去年3月以来となる111円台を付けたんですけれども、現在は1ドル110円の70銭から80銭。

雇用確保か格差解消か
世界が抱えるジレンマ

滝田さん
100万ドルの純資産ですから、ざっくり言って1億1000万円以上持っておられる方。
日本はどうかというと、決して少なくないんです。
370万人なんですよね、アメリカ・中国に次いで3番目の人数なんです。
しかも人数増えてますよね。

イエレン財務長官が典型なんですけど、高圧経済と言って経済の圧力を高めて、失業している人を救おうじゃないかって、パウエルFRB議長もそれに乗っかってるんですけれども、冷静に考えてみると雇用対策をやってる一方で資産価格が上がりますからお金持ちはますます豊かになる。
その雇用と格差の問題、頭が痛い問題ですよね。

格差是正のために富裕層課税という話も出てくるってのも現実。
全体の議論を今しなきゃいけない局面に入ってるかもしれませんね。