WBS 2021/8/4(水)

入院制限めぐり混乱
身内からも撤回要求

気温が35度以上の猛暑日を観測した地点が今年最多となった今日、都内で確認された新規感染者は4166人と過去最多を更新しました。
4000人を超えるのは7月31日以来2度目です。

政府は明日、まん延防止等充填措置について、福島・茨城など8県を追加する方針です。
医療崩壊を防ぐためとして政府が新たにまとめた入院基準の厳格化、感染が急増する地域で重症患者や重症化の恐れがある患者以外は自宅療養を基本とするものです。

この件について、政府から事前に意見を求められたかを聞かれた尾身会長は
「この件に関しては特に相談というか議論したことはございません」

「これはオペレーションの話でございますので、これに関しては政府が決めさせて頂いております。」

田村大臣はこの入院基準は政府が独自に判断したものだと明らかにしました。

身内の自民党からも党にも医師会にも相談なく官邸が決めた、党としては受け入れられないとして政調会長が撤回を申し入れる事態に。
この撤回要請について厚生労働省の幹部は
「撤回はないと思う。今と同じ対応で乗り切れるほど、今の感染状況は甘いものではない。」

菅総理大臣も
「撤回問うことではなく、しっかり説明するようにということであります。今回の措置というのは必要な医療を受けられるようにするための措置でありますから、丁寧に説明をさせて頂いて、理解をしてもらいたい。」

そして自民党の下村政調会長は先ほどを次のようにコメントしました。
「撤回というのではなくて、正確には文章の見直しを求めるということですね。文章そのものの撤回というよりは、文章の書き換えを含めた見直しをしてくれということです。」

日産のEVに供給も
茨城に最大級電池工場建設へ

今日、茨城県庁で行われた発表会。
中国系企業エンビジョンAESCジャパンのトップが国内最大級となるEV用のリチウムイオンバッテリー工場の建設計画を明らかにしました。
この場に同席していたのは日産自動車のアシュワニ・グプタCOO。
新工場の建設予定地は茨城県中部に位置する工業団地内にあり、敷地面積は東京ドーム8個分ほどに相当する36ヘクタール。
投資額は500億円としています。
今年10月に着工し2024年の量産開始を目指します。

また日産自動車のイギリスサンダーランド工場の横にも電池工場の建設を計画。
実はエンビジョングループには日産自動車が20%出資していて深い関係を築いています。
エンビジョンジャパンの松本社長は
「世界でバッテリーが電気自動車に活用される中で、日本での生産ってまだまだ少ない。日本におけるバッテリーのサプライチェーンを構築していくことに貢献していきたい。」

進むEVシフト
自動車メーカーが電池争奪戦

EV用の車載電池の確保を巡ってはトヨタ自動車も動き出しています。
トヨタはパナソニックと合同で事業会社を設立。
今年中を目処に兵庫県姫路市の工場で年間およそ8万台分が生産できるようにラインを増設します。

EVシフトが急速に進み、2035年には市場規模が現在の11倍になると予想される中、車載用電池は自動車業界の生き残りを左右するとも見られているのです。
茨城県の工場では年間2日産リーフ15万台に相当する電池を製造する見通しです。
日産は新たにできる工場からの調達を予定しています。

車載電池のシェアに
潜む各国の思惑

世界に目を向けてみますとenvision社の世界シェアというのは実はその他の中の2%ほどなんですね。
ですから周りを見てみますと電池メーカーの三強というの中国のCATL、それから韓国のLG、日本のパナソニックとなっています。

原田さん

いずれもアジアの会社で、ここに覇権争いが絡んでるんですね。
アメリカは戦略的な分野ですから中国を外す。
代わりに韓国メーカーと組んで、GMはこのLGと組んで大工場を建設しつつあると。
中国としては思惑は、アメリカ市場ではなくて、世界最大のEV市場は今ヨーロッパですから、ドイツに大工場を建設しようとしてます。

EUはEUで、EVの覇権を握りたい。
だから自前の独自のメーカーを育ててますし、2035年にはガソリン車の販売を禁止するということになってますね。

それぞれの思惑が絡んで戦国時代のような様相になってるわけですね。
アメリカやヨーロッパで工場を建てるとなると今日の茨城の工場の10倍ぐらいの規模の50~60ギガワット時というような大きな工場ができそうですね。

日本はちょっと事情があった。
EVの前にハイブリッドで圧倒的な競争力を持ってるわけですね。
EVがなかなか普及しない。
これが吉と出るか凶と出るか。
蓄電池っていうのは次世代の技術があるんですね。
それが全固体電池で大容量ができるんです。
この技術は日本が今一番進んでると言われてますんで、その実用化は何としても先行して欲しいと思います。

国産弓復活へ、町工場の挑戦

今アーチェリーへの関心が高まっています。
都内のアーチェリーショップを訪れてみると、
「どこでできるのであったり、やってみたいっていう声はかなり目につくようになった。」

新たに競技を始めようと店を訪れる人もいるといいます。
こちらの店内に並べられていたのは、陳列された製品の多くが韓国製とアメリカ製でした。

2004年のアテネオリンピックで銀メダルを獲得した山本選手の弓は日本のヤマハ製。
かつて国内では日本製の弓が多く使われていました。
しかしその後競技人口の停滞などを背景に国内企業が相次いで撤退。
日本製は市場から姿を消しました。
そんな中再びアーチェリーの国産品を復活させる動きが。

日本人選手の活躍を見守る西川さん、その傍らに一つの弓がありました。
「十数年ぶりに日本製を復活させた一号機になります。」
こちらは西川さんの会社が手がけ去年発売した日本製の弓です。

西川さんはおよそ10年前初めてアーチェリーに触れ夢中になりました。
しかし自分の弓を購入しようとした際に国産がないことに驚いたと言います。
実は西川さん、江戸川区の下町で金属加工を行う工場を経営しています。

50年以上にわたって培ってきた技術を活かし、アーチェリー製品の開発に乗り出しました。

その技術が生かされたのは矢を飛ばすためのパーツとハンドルをつなぐ部分、くぼんだ金属部分に当たります。

矢を放つ際にここでブレが生じると矢にも振動が伝わってしまい、狙った場所から外れる可能性があるのです。
金属加工の技術を使い、接合部の隙間をなくすことによって、衝撃を減らし命中率のアップに貢献する形に。
度重なる改良を経て去年完成品の発売に至りました。

国内メーカーの撤退から十数年後、町工場から復活した国産アーチェリーSakura SH-02 H25
かつて多くを日本製が占めていた国内市場でシェア拡大を目指したいと意気込んでいます。

日立フランス鉄道事業を買収
海外展開さらに加速へ

日立製作所はフランスの電子機器大手のタレス社から鉄道信号事業を買収すると発表しました。
2150億円程度になる見込みで海外展開を一層加速する狙いです。
タレスの鉄道信号事業はフランスやドイツなどを拠点に世界42カ国で展開し、都市鉄道向けの信号システムのほか、運行管理やチケット管理のシステムなどデジタル関連の技術を強みとしています。
去年の売上高は16億ユーロおよそ2070億円でした。
日立は買収を通じて鉄道システム事業のグローバル展開をさらに強化したい狙いです。
今日会見した日立のドーマー副社長は世界的なリーダーになり得ると話し、2026年度までに鉄道事業全体で売上高1兆円を目指すとしています。

今後タレス側と最終的な買収額を詰めた上で、来年度後半までに買収を完了する予定です。
日立は2015年にも車両製造を手掛けるイタリアの企業などを買収していて、アメリカやイギリス、イタリアなどで鉄道事業を展開しています。

新型コロナ関連ニュース

今日新たに感染が確認された人の数は14207人過去最多となりました。
また亡くなった人の数は14人です。
重症者数は23人増えて777人。
そして今日のワクチン接種の回数は、これまでの職域接種の実績が加算され6737267回となっています。

商業施設での感染が相次いでいます。
東京新宿の伊勢丹新宿店で昨日までの一週間で73人が新型コロナに感染したことがわかりました。
新宿店は昨日食品フロア全体を消毒し、現在は食品売り場の15店舗を休業しています。
そのほかは通常通り営業を続けるということで。

選手村で初のクラスターです。
東京オリンピックパラリンピック組織委員会はギリシャのアーティスティックスイミングに出場する選手四人と関係者1人が新型コロナの検査で陽性だったと発表しました。
これを受けてギリシャは二つの種目を欠場します。
選手たちは選手村に滞在中に陽性が確認されています。
他の競技の選手と接触していないとしていますが、アーティスティックスイミングの選手団は濃厚接触者を含む全員が選手村の外にある隔離施設へ移動しました。

接種証明がアメリカでも義務付けられます。
ニューヨーク市では16日から屋内の飲食店や娯楽施設などを利用する際に1回以上ワクチンを接種したという証明書の提示が必要になります。
従業員にもワクチンの接種を義務づけます。
フランスやイタリアでは発表されていますがアメリカでは初めてです。
他の都市の追随も考えられますが反発も予想されます。

新規感染者が1日2万人を超えました。
タイで新型コロナの1日の新規感染者が20200人に達し、死者が188人となったと保健当局が発表しました。
いずれも過去最多で新規感染者は先月17日に感染者が1万人を突破してから3週間足らずで倍増しました。
感染力の強いデルタ株が猛威を振っていて政府は昨日ロックダウン都市封鎖を倍以上の地域に拡大しました。

防災食品市場が拡大
新備蓄法ローリングストック

防災食品の市場規模です。
今年は236億円となる見込みで今後も拡大が続くと予測されています。
防災食品といえば数年間長期保存ができるものを思い浮かべる人が多いと思いますが、最近これまでとは違う備蓄方法が注目されていて、企業もそこに勝機を見出しています。

都内のスーパーマーケットである備蓄食品が売れていると聞き訪ねました。
「今備蓄食材として保存もききますし、例年と比べて2割弱売上推移しております。」
「じゃがいもは料理としても和風・洋風何でも行けるんで例年と比べて約3割弱で売り上げの方が伸びております。」

コロナ禍で自炊をする人が増えたことで需要が高まり、卸値が平年の7割高まで高騰したじゃがいも。
それでも売れ行きは好調で備蓄を意識したまとめ買いが目立つといいます。

しかし、じゃがいものような野菜が備蓄に適しているのか。
キーワードはローリングストック。

ローリングストックとは普段使いの食品を少し多めに買い置きして賞味期限の古いものから消費。
消費したぶんをその都度買い足すことで一定量の食品が家庭に備蓄されている状態を保つという方法です。

こちらはローリングストックしていた野菜をカセットコンロで作った料理。
食材を別々にポリ袋に入れて湯せんすれば、一度に何品もの料理が作れるので災害時にはガスや水の節約にもつながります。

菓子メーカーも熱い視線

企業もローリングストックを意識した商品の開発に乗り出しています。
菓子メーカーのコイケヤ。
主力商品といえばポテトチップスですが、その中に
板橋区が主催する防災のイベントがございまして、お客様にお配りした防災ポテトチップスでございます。」

従来のスナック菓子と防災を結びつけた新しい販促方法です。
普段食べているポテトチップスがそのままローリングストックに活用できるとPRし、新たな需要の開拓を狙っています。

「ポテトチップス賞味期限6ヶ月ございまして、更に塩分だったり炭水化物が被災時に手軽にチャージできるっていうところは備蓄に向いてるかと考えております。」

きっかけとなったのは各所に甚大な被害をもたらした2019年の台風19号。
その際、様々な防災グッズとともにスナック菓子が品薄になったことでした。
需要の拡大をにらんで新商品も開発。

先日発売したスナックの缶詰。
あえて小さいサイズにしています。
賞味期限は大幅に伸びました。

NY州知事のセクハラ認定

アメリカニューヨーク州のクオモ知事のセクハラ問題をめぐり、NY州の司法長官は3日、クオモ知事が元側近など11人の女性にセクハラをしていたとの調査結果を発表しました。
また、クオモ知事が被害を告発しようとした少なくとも1人に報復行為をしたと指摘しています。
クオモ知事は誰に対しても不適切に触れたり口説いたりはしていないとセクハラを否定しましたが、バイデン大統領は辞任するべきだとしています。

ベラルーシ五輪選手が出国

東京オリンピック陸上のベラルーシ代表でチーム側に強制的に帰国させられそうになり、ポーランドに亡命することになったチマノウスカヤ選手が先程経由地のウイーンに到着しました。
こうした中、IOC国際オリンピック委員会は今日、処分を検討する規律委員会を開き、ベラルーシオリンピック委員会の役員二人から聴取することを明らかにしました。

総人口48万人減少、過去最大減

総務省が発表した住民基本台帳に基づく人口動態調査によりますと、今年1月1日時点の外国人を含め総人口が126,654,244人で前の年を483,789人下回りました。
外国人も集計に含めた2013年以降、1年間の減少数、減少率共に最大となりました。
コロナの影響で入国者が大幅に減ったことなどが要因です。

ガソリン価格9週ぶり低下

経済産業省が発表した今月2日時点のレギュラーガソリン1リットル当たりの全国の平均小売価格は前回の調査と比べて20銭安い158円20銭でした。
値下がりは9週ぶりとなります。
調査した石油情報センターはOPEC石油輸出機構の加盟国と非加盟の産油国で作るOPECプラスが原油の協調減産の縮小で合意したことなどが背景にあるとしています。

トヨタ4-6月期過去最高
利益5.7倍も株価は

トヨタ自動車は今日今年4月から6月までの決算を発表し売上・純利益ともに過去最高となりました。
トヨタの4月から6月期の売上高は連結で1年前に比べ72.5%増えた7兆9355億円、純利益は5.7倍の8978億円となりました。
アメリカや中国などの景気が回復し、新車の販売が伸びたことが業績を押し上げました。
ただ、世界的な半導体不足の解消の見通しが立たないことから、来年3月までの業績見通しは据え置きました。
このため、今日の東京株式市場ではトヨタ株の失望売りも出て、株価は3日ぶりに下落しました。

コロナ下で相次ぐ上方修正
ソニーなど好調のワケは

ソニーグループの今年4月から6月までの決算は純利益が1年前に比べ9.4%増え、2118億円となりました。
ソニーは来年3月までの一年間の純利益の見通しを従来の6600億円から7500億円に上方修正しました。
新型コロナの影響で落ち込んでいたデジタルカメラの需要が回復するとしています。

資源高などの影響で総合商社も業績見通しを上方修正しています。
伊藤忠商事は純利益が現在の5500億円から6000億円億円を超える見通しであることを明らかにしました。

住友商事も化学品分野が好調で純利益予想を2300億円から2900億円に上方修正しています。
またホンダが北米を中心とした新車販売の回復などで通年の純利益を5900億円から6700億円に引き上げた他、日本郵船も巣ごもり需要で家具などの輸送が活発になったため、純利益の見通しを3500億円から5000億円に上方修正しています

コロナ下でも好調企業
その要因は

原田さん

それだけ世界の回復が早いっていうことですね。
三つの要因を挙げてみました。

まず資源価格の上昇があります。
これはアメリカと中国の先行した景気回復が要因なんですけれど、これ追い風にして例えば三井物産、通期の業績の予想が商社のこれまでにない過去最高の水準。
他の商社も極めて業績好調です。
荷動きが活発になったことで海運、この業績も非常に良いんですね。

二つ目、トヨタ・ホンダは何も海外でコロナのために移動手段で車が非常に重宝がられて販売が好調だったと。
車が売れれば鉄鋼が売れるので日本製鉄なんかも非常に良い業績なんですね。

リモートで住宅在宅勤務が進んだということで住宅の建設がアメリカで空前のラッシュ。
住宅関連で空調のダイキンなど好決算。

三つ目はソニーの決算で明らかなんですけれど、音楽のストリーミング非常に好調、デジカメも良かった。
日立製作所はDXの需要で売上が非常に好調になったということでした。

ウイルスの脅威から身を守りつつ経済回す。
そのためには接種証明が必要なんじゃないかと私は思います。
ニューヨークも飲食店で接種証明の提示を義務付けるってニュースでありましたけれど、接種できない人もいらっしゃるんですけれど、抗原検査などを併用することで、そうした方の不利益をなくすことはできると思うんです。

ですから政府はいつ頃制限を緩和するっていうことをロードマップとしても早く示すべきなんだろうと思いますね。

荷物の再配達を減らすカギ
顔パス置き配で解消

東京都内のマンションに荷物を届けに来たのは日本郵便の配達員です。
この配達員がタブレット端末に顔をかざすとオートロックのドアが開きました。
新サービスでは配達先の家が留守だった場合でも宅配ボックスではなく玄関前まで荷物を届けます。

ベンチャー企業ビットキーが開発した顔認証システムを使っていて、配達員は事前に顔を登録することでオートロックドアを顔パスで通れます。
配達員の勤務シフトのデータと連動しているため、勤務時間以外にはドアが開かない仕組みです。
宅配ボックスを設置するマンションも増えていますが、ネット通販の急激な増加に伴い満杯で使えないことも少なくないと言います。

日本郵便はこのシステムを使い現在13%ほどの再配達率10%を切る水準にしたい考えです。

地方の減少食い止めるには

原田さん

秋田県は5年前に比べると7%近く減りました。
大都市に人が動いちゃうからっていうことで考えるんですけど、秋田の場合は調べると自然減が結構ある。
つまり子供が生まれてないんですよ。
若い女性が地元に残らないとやっぱりどうしても子供さんが生まれないっていうことになる。
これを何とかするためには、農業でも漁業でも消費者に直接ものを届けて魅力的な産業にするっていうことが大事。
それで若い人たちが地元に残るような格好にしたほうがいいと思うんです。