WBS 2020/8/28(金)

安倍総理が辞意を表明
再び体調悪化、決断の背景は?

歴代最長となった政権が終わりを迎えることになりました
安倍総理大臣は今日持病である潰瘍性大腸炎が再発したため、職務の継続が困難になったとして辞任の意向を表明しました。

令和2年8月28日午後5時総理大臣官邸。
安倍総理はこれまでにないほど険しい表情で記者会見に臨みました。

「私自身の健康上の問題についてm、お話をさせていただきたいと思います。
 6月の定期健診で再発の兆候が見られると指摘を受けました。
 その後も薬を使いながら全力で職務にあたってまいりましたか、先月中頃から体調に異変が生じ、体力をかなり消耗する状況となりました。
 そして8月上旬には潰瘍性大腸炎の再発が確認されました。
 政治においては、最も重要なことは結果を出すことである。
 病気と治療を抱え、体力が万全じゃないという苦痛の中、政治判断を誤ること、結果を出せないことがあってはなりません。
 国民の負託に自信を持って応えられる状態でなくなった以上、総理大臣の地位にあり続けるべきではないと判断いたしました。
 総理大臣の職を辞することといたします。」

持病である潰瘍性大腸炎の再発で総理の職を続けることは困難だとして、辞任する意向を表明しました。

都内では新聞の号外が配られました。

地元の後援会会長は
「本人から電話をいただきました。本当によく頑張ってこられたと思います。」

株式市場もすぐさま反応。
安倍総理が辞任の意向固めるとの報道が伝わり今日の日経平均株価急落。
午後2時過ぎ、日経平均株価は一時600円以上下落。
終値は前の日より300円以上の大幅安となりました。

海外メディアも速報で伝えました。

今週月曜検査のため病院にいた総理。
辞任はこの日一人で決断したといいます。

東京都内の新型コロナの新規感染の勢いが落ち着きを見せ始めている中、冬に向けてのコロナ対策は、新たな内閣で取り仕切って欲しいと考え、今しかないとこのタイミングでの決断に至ったと心中を明かしました。

「人気をあと1年、まだ1年残し、ほかの様々な政策が実現途上にある中、コロナ禍の中、職を辞することになったことについて、国民の皆様に心より心よりお詫びを申し上げます。」

7年8ヶ月に及ぶ歴代最長となった安倍政権。
しかし、成し遂げられなかったことは数多く残ります。

「拉致問題をこの手で解決できなかったことは痛恨の極みであります。
 ロシアとの平和条約、憲法改正、志半ばで職を去ることは断腸の思いであります。」

今後については

「私は総裁を辞めていく立場であり、私が何か次の総裁選に影響力を行使をしようということは全くこれは考えておりませんし、そうすべきでもないだろうと。
 一議員として活動を続けていきたい。その中で様々な政策課題の実現に微力を尽くしていきたいと思いますし、次なる政権に対しても影響力を一議員として協力していきたいし、支えていきたいと思います。」

永田町から驚きの声

総理の突然の辞意表明は永田町でも驚きをもって受け止められました。
側近の一人西村経済再生担当大臣は
「先週、今週、この何日かお会いして元気になられてきた。普段通りの安倍総理に戻られたなあと感じておりましたので、正直本当に驚きましたし、大変残念であります」

二階幹事長
「十分私自身が納得できたっていうわけではありません。残念に思ってます。
 総理として立派な実績をあげてこられました。
 私どもは自民党の長い歴史の中に輝かしい1ページを残されたと思う」

連立を組む公明党の山口代表。
「極めて残念な思いであります。しかしまたこの政権の取り組んできた課題は残ってるものがありますので、引き続きこの国民の期待に応えられるように、政権の安定と政策実現に努力していきたい。」

野党からは

立憲民主党 枝野代表
「政治的な立場・意見は違いますけれども、こうした理由でお辞めになるということについては大変残念であろうと思います。」

アベノミクスの評価は?

経済界はどう受け止めたのでしょうか。
経団連の中西会長は
「アベノミクスの実行など多大なる実績をあげてこられました。
 諸政策を継続的かつ強力に進めることを強く期待いたします。」

アベノミクスを企業トップはどう評価しているのか。
経済財政諮問会議の民間議員を務めるサントリーホールディングスの新浪社長に聞きました。
「正直この最近の会議、経済財政諮問や未来投資にしても出る会議にしても、覇気がないなと、私たち産業界としては、大変評価する政策をやって頂いたのかな。
 そして賃金を上げるということをやりながら、デフレ脱却をデフレではない社会を作ってくれたと。」

安倍政権の経済政策アベノミクスは日銀による国債の大量買い入れなど、異次元の金融緩和を推進。
輸出の多い製造業にとって有利となる円安、そして株高をもたらし、大企業などを中心に恩恵を受ける形となりました。

Q:先行きについて不安な点というのはあるでしょうか?
「大きく厳しくなる産業がたくさん増えてくる可能性があるんで大不況になっていく可能性がある。
 いまのコロナの対策も必要ですけども、先を見た投資をどんどんできるような仕組みづくり、そしてまた人が動きやすい雇用改革をしていくことが必要だと思います。」

製造業のトップからは

富士フイルムHD 古森会長
「閉塞感のあった日本経済はアベノミクスにより立て直した。
 世界の首脳との交流対話などの外交を通じて、世界における日本の存在感を高めるなどは極めて大きな功績があったと思う。」

東芝 車谷社長
「政府には安倍政権が最優先課題に据えた経済成長について、ウィズコロナ時代を踏まえた適切な施策を講じていただきたい。」

なぜきょう?最新情報を解説

今日の安倍総理の会見の中での主な発言まとめたものです。

潰瘍性大腸炎の再発を8月の上旬に確認したとあります。
そして病気と治療を抱え、政治判断を誤ることがあってはならないとしまして、総理の職を辞すると表明しました・

拉致問題・ロシア平和条約、そして憲法改正、これについては志半ばでやめることになったので断腸の思いであると。
やり残したら政治課題としてはこの3点をあげました。

20年続いたデフレに三本の矢で挑んだとしまして、アベノミクスの成果を強調しました。

総裁選に影響力を行使しようとは全く考えていないと会見では次の総裁候補については言及をしませんでした。

Q:辞任表明辞意表明というのは突然だった?

テレビ東京官邸キャップ篠原記者

はい、もう本当に事務方の一部を除いて安倍総理全く今日まで知らせていなかったんですね。
一番最初に伝わったのは麻生副総理と午前に会談した際です。
菅官房長官もお昼過ぎに知らされて、二階幹事長も午後2時に安倍総理は党本部に入って伝えるまでは知らなかったということなんですね。

やはり特にここ一か月が大変体調が悪かった。苦痛がひどかった。
ということでいつやめるかいつやめるかということを考えてたようですが、コロナの感染拡大が減少に転じた、ここ数日転じているということで、ここで冬のコロナとインフルの対策を打ち出して辞めようと。
そうすれば前回は投げ出したと言われたけども、今回はあるけど道筋をつけてやめることはできる。
前回は辞任表明の翌日に入院しましたけど、今回は1か月。
次の総理が決まるまで執務を続けますと伝えています。

ポスト安倍レース始まる

安倍総理は臨時代理をおかずに後任が決まるまで、続けるということなんですけれども、その後任ポスト安倍をめぐる動きが活発化しています。

まだ総理会見が続く中、岸田政調会長率いる岸田派は緊急会合を開催。

岸田政調会長
「今日、総理が表明された直後なので、こうした言葉にとどめておきたいと思いますが、次をしっかりみんなで支えていかなければならない。担っていかなければいけない。」

その後、総理官邸を訪れ、安倍総理と直接会談した岸田氏は
「敬意と感謝を申し上げました。総理からもありがとうという言葉がありました。」

また党内第2派閥の麻生派も今夜幹部会も開催し今後の対応を協議。
その麻生派に所属する河野防衛大臣は。

Q:総理が辞意を表明したが
「自分の仕事をまずやらなければしっかり」

Q:総裁選への意欲は
「・・・」

他にも菅官房長官や石破元幹事長もポスト安倍として名前が挙がっています。
さらに稲田幹事長代行も総裁選に向け、推薦人集めに着手したことがテレビ東京の取材で分かりました。

Q:ポスト安倍総理めぐる動き今後どうなっていきそうですか?

篠原記者
WBSですので経済を軸に考えたいと思うんですが、岸田さん、石破さん、稲田さんはアベノミクスとは対極にある緊縮財政路線と見られています。
借金を返すことが重要ですよというスタンスですね。
岸田さんと石破さんは、このコロナの対応のために一時的な財政出動はしょうがないんじゃないかということで、ちょっとアベノミクスがに近づいているんですが、稲田さんは今の財務省の路線は不道徳だと身辺に言うくらい、今の財務省のスタンスですらだめだと。
超財政緊縮路線というふうに見られます。

一方で今の安倍総理のアベノミクスの路線を継承するのは菅さんや河野さんという風に見られています。
菅さんは先ほど自民党幹部に取材したんですが、今夜総裁選の準備をした方が良いと自民党幹部が言いましたら、笑って、これはおそらく出馬する意向じゃないかと。
自民党幹部は言ってました。
菅さんというのも重要な候補になってくると思います。

これまでポスト安倍については徹底的に抑えて発言されていました。

ポスト安倍スケジュール解説

滝田さん

いま不透明な局面ですから僕は軸足をぶらさないのは一番肝心なと思うんです。
その意味では女房役の菅さんというのは一つの候補になると思うし、やっぱり政権を居抜きで引き継げるという、そういう路線も僕は重要じゃないかと思いますね。

まず今日安倍総理の会見がありまして辞意表明。

この後9月14日または15日あたりになるのではないかと見られているということなんですが自民党の総裁選。
野党の今度できる新党の党大会の前に新リーダーを決めておきたいという意向のようですね。

そして臨時国会、ここで新総理が選出されるということになるんですよね。
新総裁・新総理が選出されたら、おそらく10月にも総選挙があるんじゃないかと、そういう雰囲気が出てきていますね。

10年以上前ですが麻生政権も選挙から3年目の時に麻生さんが引き継いだんですね、福田さんから。
その時にリーマンショックの対応を優先すると言って解散をしなかったら、どんどん追い込まれていって民主党に政権交代を許してしまったということがありますんで、残り任期1年というまだ選択肢がある中でドンと解散をするのが良いというのが自民と外の見方になっています。
信を問うというのは民主的なプロセスとしては重要だと思います。

本来であれば党員投票、全国100万人近い党員の投票を反映させるんですが、今回はおそらく両院議員総会という形で、党員票の影響力は小さい形で行われる方向になるということです。
そうすると石破さんには不利な形式になるんじゃないかなと。

アメリカゴルフ会談、蜜月関係は?

海外の反応についてです。
アメリカ・中国そして韓国から中継で伝えてもらいます。

まずはワシントン支局の秋山記者

まだトランプ大統領からの公式な反応はありませんが、シンゾー、ドナルドと互いにファーストネームで呼び合うほどの蜜月関係にあったトランプ大統領にとっては打撃となりそうです。
安倍総理による辞任表明のニュースはアメリカのメディアでも一斉に伝えられていて、中でもワシントンポストはゴルフを通じてトランプ大統領と親しくなった安倍総理について、長期政権を築くことで日本のイメージを向上させたと評価するとともに、アメリカとの強固な同盟関係を保ち続けたとしています。

まだトランプ政権の高官も安倍総理の存在はトランプ大統領にとって特別と形容するほど、世界の首脳の中でも一目置かれる存在であったと言えます。
注目される公認候補ですが、ニューヨークタイムズは麻生副総理、石破元幹事長、岸田政調会長、菅官房長官の四人の名前をあげています。

アメリカは現在へ大統領選挙の真っ只中でトランプ大統領の再選も不透明な状況ですが、今後安倍総理の後任の首相が同じように親密な日米関係を築くことができるのか注目されています。

中国意外にも友好ムード

続いて中国北京です。
安倍総理の突然の辞意表明を受けて、中国の国営テレビは今日およそ15分という異例の長い時間を割いて伝えました。
国営のCCTVはニュースで、第2次安倍政権の発足以来、連続在任期間が歴代最長となった直後であることに加え、今月病院に検査のため7時間半滞在したことなど最近の経緯を含めて詳しく報道しました。
またCCTVのインターネットニュースは、ポスト安倍として麻生副総理や自民党の岸田政調会長さらには小泉進次郎環境大臣などの名前をあげています。

また、中国政府は今回安倍総理の辞意について業績などの評価などは避け、短く言及するだけにとどめています。

中国外務省 趙立堅報道官
「日本の内政のことなのでコメントしない。中国と日本は隣国であり継続的に中日関係を改善し発展させていく。」

中国政府にとっては通称摩擦や香港問題を巡ってアメリカとの衝突が激しくなる中、日本との対立が深まることは避けたいものの国民に妥協したとみられるような態度をとることはできない模様です。
今日も中国海警局の船が尖閣諸島がある日本の領海に入っていて、領海侵入は今年20日目となり緊張状態が続いています。

停滞している習近平国家主席の訪日の計画を実現できるのかどうか、中国側はポスト安倍を睨みながら硬軟取り混ぜた対応を続けると見られます。

韓国過去最悪、問題は山積み?

安倍総理の辞意表明については韓国メディアも相次いで速報で伝えました。
韓国の通信社聯合ニュースは安倍総理について比較的厳しいトーンで報じました。
安倍総理が靖国神社への参拝や元徴用工を巡る裁判など、歴史問題で強硬な態度を見せたとした上で、次の総理の就任で日韓関係の変化が注目されると伝えています。

先月いわゆる従軍慰安婦問題を象徴する少女像とその前で跪く男性の像が北東部のピョンチャンに設置されていたことがわかり物議をかもしました。
男性の像はあくまで安倍総理をイメージしたものではないとしていますが、像を設置した植物園の園長は今夜テレビ東京の取材に対し安倍総理が韓国に謝罪してから辞任すれば永遠に歴史に名を残すことができたのに残念だとコメントしています。
安倍総理と韓国のムンジェイン大統領に象徴される日韓関係は、元徴用工巡る裁判や日本政府による輸出管理の強化などを巡り一気に冷え込みました。
今年に入ってからはムンジェイン大統領が演説などで対話による事態の打開を日本側に呼びかける機会が目立ちますが、安倍政権は基本的には応じてきませんでした。
今後の焦点は元徴用工巡る裁判で差し押さえられた日本企業の資産が現金化されるかどうかです。
韓国側からは解決に向け、歩み寄る姿勢は見られず、今後の日本との膠着状態が続く見通しです。

各国首脳との会談数は?

憲政史上在任期間で最長となった安倍総理なんですが、第2次政権では実に81回の外国訪問を行いました。
各国首脳との会談の回数なんですが、まずトランプ大統領とは14回、電話会談を入れるとちょうど50回でした。
そして中国の習近平国家主席とは近年の日中関係改善もあって12回。
ムンジェイン大統領は他と比べて少なく5回。
今日の会見で安倍総理自身も悔しさをにじませた北方領土交渉の相手ロシアのプーチン大統領とは24回も会談。
北朝鮮の金正恩委員長とは0。
安倍総理は拉致問題を最重要課題としていましたが、日朝首脳会談は実現していません。

第2次安倍政権の7年8か月
アベノミクスで円安・株高

戦後最年少の52歳で総理大臣となった安倍総理。
しかしわずか1年で健康悪化を理由に退陣します。
その5年後、自民党総裁として民主党から政権を奪取した第2次安倍政権ではアベノミクスを前面に押し出しました。
就任してすぐに政府と日銀が異例の共同声明を発表。
異次元の金融緩和に乗り出した日銀と共にデフレからの脱却を目指しました。

マーケットも反応。
就任時に1ドル85円台だった円相場は円安に。
2015年には一時125円台を付け、輸出企業に追い風となりました。

日経平均株価も急回復。
第2次政権が発足した日の株価は10230円。
2018年10月には24270円を付け、およそ27年ぶりの高値となりました。

安倍総理は政権奪取等も含めて衆参合わせて6回の選挙に勝利するなど、安倍1強と呼ばれる磐石の体制を築き上げました。
こうした中、2014年4月には消費税を8%に。
去年10月には2度の延期を経て消費税10%の引き上げに踏み切りました。

経済政策・外交どう評価

長年日本の政治を見てきた日本経済新聞の芹川論説フェローは

Q:安倍政権の総括として成果と課題はどうご覧になってますか?

「成果としては二つ言えると思います。
 一つは経済ですよね。経済をある程度立て直したということです。
 2012年11月が景気の谷。
 安倍政権が発足する1か月前が谷なんです。
 それから71ヶ月間ずっと上っていくわけですが、その波に上手く乗れたわけなのであるいみラッキーだったと思いますけども、3本の矢である程度経済を立て直した。
 とりあえず経済はある程度戻したっていうのは経済界も評価していますね。

 もう一つは外交だと思います。
 むしろここは私はもっと評価してあげてもいいんじゃないかなと思ってるんですね。
 つまり長期政権になったこともありますし、トランプさんと安倍さんの馬が合ったということもありますけども、明らかに安倍さんになって日本の国際的な地位は上がりましたので、世界の目が変わりました。」

2016年には日本で8年ぶりにサミットを開催。
去年6月にはG20大阪サミットも開催しました。

IOC国際オリンピック委員会の総会で自ら演説し、東京オリンピックパラリンピックの招致にも成功しました。

日本を訪れる外国人も去年は3000万人を超え、就任した年の4倍に増え日本はインバウンド消費に沸きました。

長期政権で安倍1強

安全保障面ではそれまでの政権の方針を大きく転換。
憲法解釈を変更し、安保関連法を成立させて集団的自衛を行使できるようにしました。

一方で長期政権の緩みも。
森友学園・加計学園の問題では、官僚の官邸への忖度など安倍1強の弊害が指摘されました。

ポスト安倍の課題とは

そして今年、世界を襲った新型コロナウイルス。
コロナ対策と経済再生という大きな課題は後任の総理に託されることになります。

芹川論説フェロー
「2040年には生産年齢人口が一番減るわけですね。
 そうしますと、ちょっと前から長期的にこの国をどういう風にしていくのかという、長期ビジョンを持って行ってるのかどうか。
 不利益の分配、負担の分配をする政治が求められると思うんです。
 それをやるためには、やはりちゃんと説明をして、説得・納得してもらうということがすごく大事だと思うんです。」

日本の存在感低下の懸念

滝田さん
政権がある程度長く安定してなきゃできない課題ということもあって、その意味でも後任の方は大変ですね。

Q:外交についていかがでしょうか

政権の長期化というところをアセット、資産に出来たってことは強みだったと思うんですね。
そして現状なんですけれども、中国が南シナ海にミサイルを撃ったり、尖閣の方に来てるわけですよね。
大変安全保障上難しい局面にあるわけですよね。
後任の方はその点ですごく大変だと思いますね。

そして、アメリカと日本との間を首脳同士はツーカーの間で話したっていう関係を一から築かなきゃいけないじゃないか、これも大変だと思います。

その意味では次の後任のかたの鬼門というのか難しい点になると思います。

アベノミクスが残したもの

Q:経済運営アベノミクスについてはいかがでしょう

アベノミクスを端的にいうと、僕はGDPの拡大、つまり付加価値の拡大をもたらした大変な成果だと思うんです。
就任時に比べてピーク時までに65兆円、名目GDPを増やしたわけですよね。
その成果というのは相当高く評価していいと思うんです。

ただし消費税の引き上げ、今年コロナショックに見舞われるって言う事で上がった分を行ってこいになっちゃってるわけです。
そこをどうやって立て直すのかっていう課題が今直近、喫緊の課題になってると言って良いと思います。

マクロの政策を僕が欠かせないと思うんです。
分配から入っちゃいけない。
最初にやっぱり成長から入るべきだと思うんですけれども、それと並んでやっぱり構造改革ですね。
一言で言うとやっぱり企業がどれだけ収益を高めていくのかっていうことを考えなきゃいけないし、あとデジタル。
新しい方向を示してそういう姿勢が問われてくると思います。

全国民分のワクチン確保へ

安倍総理大臣は新型コロナウイルス感染症対策パッケージで来年前半までに国民全員文のワクチン確保を目指す方針を表明しました。
また検査に関し1日に10万件が可能となるよう体制を拡充するとしています。
対策パッケージにはワクチンの副作用による健康被害の賠償で製造販売業者に生じた損失は国が保証できるよう法的措置を講じることや、感染拡大地域の医療機関や高齢者施設の全職員を定期的に検査することが盛り込まれています。

東京で226人が感染

東京都は今日、新型コロナウイルスの新たな感染者が226人報告されたと発表しました。
1日あたりの感染者が200人を超えるのは三日連続です。
感染経路別で最も多かったのは家庭内で39人でした。

一方全国の新規感染者は876人となり、1日当たりの感染者が1000人を下回るのは7日連続となります。
都道府県別では長野県が19人、福井県が16人で1日当たりの感染者が過去最多となりました。

また全国で亡くなった人の数は19人、重傷者の数は11人減り、現在は227人となっています。

アメリカ、ウォルマートMS陣営に

アメリカの小売大手ウォルマートが中国系の動画投稿アプリTikTokのアメリカ事業の買収を検討していると表明しました。
既に買収交渉を進めているマイクロソフトと連携します。
動画をネット通販や広告と融合させるTikTokのノウハウを取り込み、ネット通販事業の強化につなげる狙いとみられます。
買収額は他の事業なども含め、およそ2兆円から3兆円に上る見通しです。

トランプ氏、米国を最も偉大に

11月のアメリカ大統領選で共和党が候補に指名したトランプ大統領が指名受諾演説に臨み再選への決意を表明しました。
またリードを許す民主党候補のバイデン前副大統領をアメリカの破壊者と呼び猛反撃しました。

「アメリカンドリームを救うか、社会主義的な政策に米国の運命を破壊されるかを決める選挙になる。」

円高ドル安が進行

アジア株が軒並み堅調な中、日経平均の下げが目立っています。
現在も取引が続くヨーロッパ午後11時15分現在何も下落となっています。
続いてニューヨーク株式相場の現在の値です。
NYダウは現在50ドル上昇、ナスダックも60ポイントの上昇で最高値近辺。
そしてS&P500最高値近辺での取引が続いています。
円相場1ドル105円30銭台となっています。
安倍総理の辞意が伝わる前は106円台後半で取引されていましたが、1円以上円高ドル安が進んでいます。
前の日にアメリカの中央銀行FRBが発表した新しい物価目標のもと、緩和政策が長期化するとの観測もドル安を後押ししていて、金価格の上昇をサポートしているようです。

7月米中けん引で改善

自動車の国内大手8社が発表した7月の世界での生産台数は前の年と比べて14.1%減り2,007,328台でした。
日本国内では新型コロナウイルス感染拡大によるマイナスの影響が残りましたが、アメリカと中国の2大市場が回復し、6月の25.5%減から改善しました。
世界的に想定を上回るペースで需要が改善していて、トヨタは生産は今後も回復する見通しだとしています。

ワクチン供給、モデルナと交渉

新型コロナウイルスのワクチンについて、加藤厚生労働大臣は今日、アメリカのバイオ医薬品企業モデルナと来年前半に2000万人分の供給を受ける方向で交渉を進めていることを明らかにしました。
政府はこれまでにイギリスのアストラゼネカやアメリカのファイザーと合計1億2000万人分の供給を受けることで基本合意していて、モデルナとの交渉がまとまれば1億4千万人分のワクチンを確保できることになります。

米駆逐艦が領海侵入

中国人民解放軍で南シナ海を管轄する報道官はアメリカ海軍のミサイル駆逐艦マスティンが中国が領有権を主張する南シナ海の西沙諸島の領海に侵入したと非難する談話を発表しました。
アメリカは中国による西沙諸島の領有権主張を認めていない一方で、中国は南シナ海への弾道ミサイル発射など軍事活動を活発化するなど米中両軍の偶発的な衝突への懸念が現実味を増してきました。

内海桂子さんが死去

漫才コンビ内海桂子好江で人気を集め、女性漫才師の第一任者として活躍した漫才協会名誉会長の内海桂子さんが22日多臓器不全のため東京都内の病院で亡くなりました。
97歳でした。
内海さんは1938年に漫才師としてデビュー。
晩年はTwitterでの率直な発言が若者たちに支持されていました。

長期政権後の株価は

滝田さん

要はアベノミクス安倍さんの経済運営というのは株高と表裏の関係にあったわけですから、安倍さんが辞めるということで反動が出て下がったところは一つあると思う。
実は安倍さんの前がどうだったかちょっと振り返る必要があると思うんですよね。
2007年ぐらいからの株価、なんで右肩下がりになってるかというと、1年1政権だったわけですよね。
長期政権が終わった後で、また不安定の時代が来ちゃ困るというような心理も働いてるんじゃないかと思いますよ。

要は総選挙次第だと思うんですよね。
早期の解散総選挙はあった後の選挙結果はどうなるのかということだと思います。

1年1政権になった背景というのも2007年の7月に安倍さんの時の参議院選挙で自民党惨敗して、安倍さんその後辞任したという、その後1年1政権になったという経緯がありますから、この次の総選挙で果たしてどういう結果が出るか次第という面も非常に強いと思います。
自民党の勝ち方と思います。
今の状況から見るとその歴史は僕は必ずしも繰り返さないと思いますけどね。