WBS 2021/4/1(木)

菅総理、4月解散否定的
感染防止が最優先

Q:まん延防止等重点措置中は解散はなさらないという理解でよろしいんでしょうか?

「基本的に今申し上げましたようにコロナの感染拡大を最優先ですから、最優先で行っていくということが大事だと思ってます。」

菅総理はこのように述べ、大阪などを3府県にまん延防止措置が適用される期間内の衆議院解散に否定的な姿勢を示しました。
まん延防止措置の期間は来月5日までのため、一部で取り沙汰される菅総理訪米後の4月解散論を否定した形です。

また菅総理が今日、自民党の二階幹事長に対し設立に向けた党内議論を支持したこども庁については、長年の縦割りの中で子供たちにとって何が良いのか考える必要があるとして、子供に関する政策を一元的に担うこども庁の設立に強い意欲を示しました。

まん防で感染拡大防げるか
宮城、大阪、兵庫に初適用へ

今夜の総理官邸、具体的な対象地域は仙台市と大阪市の他、兵庫県では神戸・尼崎・西宮・芦屋となる予定です。
期間は5日から来月5日までの1ヶ月間です。
対象地域の飲食店には営業時間を午後8時までに短縮するよう要請します。

時短要請に応じた事業者への協力金はこれまでのように一律に支給するのではなく事業規模に即して金額を変更します。

大阪府では今日も新たに616人の感染を確認。
新規感染者数は感染第3波のピークに迫る水準まで急速に増加しています。
吉村知事は今日、大阪市内で14日に予定されている東京オリンピックの聖火リレーについて中止すべきだとの考えを示しました。

東京都にまん防適用は?
夜の繁華街では人出が急増

一方、大阪の動向に注目しているのが東京です。
今日東京で新たに感染が確認された人は475人と緊急事態宣言解除後の最多を更新しました。

大阪のようなペースで増えるのではないかという今の大阪は3週間後の東京という危機感が広がっているのです。
今日開かれた東京都のモニタリング会議でも今後の感染爆発への懸念が指摘されました。

繁華街で夜8時以降の滞留人口が急激に増えていることを受けて、早めの抑制が必要とする指摘も上がりました。
そして注目は今後東京にもまん延防止等を充填措置が必要なのか。

菅総理インタビュー注目は

三つ印象に残ったんですけれども、今はコロナ対策に専念するということで早期解散については事実上封印するという。
重ねて質問したんですけども強く否定しておられたのが印象的でしたね。

そして外交に関して、もちろん日米首脳会談なんですけれども価値観の共有を強調ということでした。
重要なのは自由・人権・法の支配といった価値観の共有を強調しておられましたよね。
バイデン大統領も価値観外交ですから関係を築く上でここは重要なポイントになってくると思います。

こども庁の創設に関しましては非常に力が入っていらっしゃいました。
縦割り打破の問題と表裏一体だということがよくわかりました。
ここは政治の世界でかなり中心一丁目一番地になってくる話題でしょうね。

アメリカインフラ投資に250兆円

アメリカのバイデン大統領は31日、8年間で2兆2500億ドル。
およそ250兆円規模の投資計画を発表しました。
交通インフラ整備などに6200億ドルを拠出して電気自動車の普及を促すほか、中国を意識して半導体のサプライチェーンの強化などに3000億ドルを充てる方針です。
財源は法人税率を7%引き上げることなどで賄います。

TSMCが11兆円投資

半導体大手台湾のTSMCは今後3年間で1000億ドル日本円でおよそ11兆円を投資し、生産能力を増強することを明らかにしました。
半導体はスマートフォンやサーバー向けに加え、自動運転技術の搭載や電動化が進む自動車でも需要が高まっています。

一方世界的に半導体が不足している中、先月19日に主力工場で火災があった自動車向け半導体大手のルネサスエレクトロニクスは今月下旬に半導体の生産を再開し、出荷量は100日前後で火災前の水準に戻るという見通しを示しています。

アポロステーション開始

出光興産は新たな給油所ブランドアポロステーションの展開を始めました。
2年前に昭和シェルと経営統合した後も両社のブランドが併存していましたが2023年末までに新ブランドに統一します。
それぞれの会員カードも今日から共通化しています。

ソニーや富士ゼロックス
社名変更の理由とは

今日オンラインで入社式を開いたソニー。
会社名をソニーからソニーグループに変更。
63年ぶりです。

ソニーの事業はオーディオ製品などの他、ゲームや音楽などのエンターテインメント、半導体・金融など6分野に渡ります。
ソニーグループはこの6事業を束ねる司令塔となります。

同じく金融や携帯電話などに事業を広げている楽天も今日から楽天グループに会社名が変わります。

他にも、複合機富士ゼロックスから富士フイルムビジネスイノベーションに名前が変わった。
オフィス向け複合機大手の富士ゼロックスは3月末にアメリカのゼロックスとの技術契約を終了。
今後はゼロックスの名前が使えなくなるため、独自ブランドとして製品を展開します。

またこれまでゼロックスとの契約上、認められていなかった欧米市場での販売も自由に出来るようになります。

なぜ?社名変更の狙いとは

滝田さん
一言で言えば時代の変化への適応ですよね。
実は年間で約50社の上場企業が会社名を変えてるんですよね。
ここへきての変化というの三つにちょっと分類してみたいんですね。
ソニーと楽天なんですけれどもこれは司令塔強化型という風に言える。
グループ企業を束ねるというそういう機能を強化するのが狙いなんですね。

回転寿司チェーンのスシローグローバルホールディングス。
一種の業態拡大型というふうによると思うんです。
というのはですねスシローグループ、居酒屋とか台湾茶の専門店などと広げてるわけです。
フードアンドライフカンパニーと大きく出ましたね。
まさに業態拡大型。

企業を取り巻く環境変化に対応してるというパターンだと思うんです。
富士ゼロックスについては複写機コピーマシンってまだゼロックスという非常に好ブランド力あるじゃないですか。
新しい分野でどう挑戦していくか注目したいですね。

新型コロナ関連ニュース

今日新たに感染が確認された人の数は2606人で、亡くなった人の数は18人です。

マスクをしたまま顔認証ができます。
三井住友フィナンシャルグループが開業したこちらのビル。
出入口だけでなく執務スペースに入るときもマスクをしたまま顔認証ができます。
かかる時間は1秒未満未登録だとはじかれます。
ビル一等まるまるマスクに対応していてこの規模は国内最大級です。

100%の効果が確認されたということです。
ファイザーはビオンテックと一緒に開発しているワクチンについて、変異ウイルスが流行している南アフリカで800人を対象に行われた治験で100%効果が確認されたと発表しました。
また変異前のウイルスについては2回目の投与から6か月たっても高い効果が確認されたということです。

真夜中の埋葬作業です。
暗闇の中、運び出されているのはコロナによる死者の棺です。
1日あたりの死者数が3780人と最多になったブラジルでは防護服を着た作業員が日中だけでは間に合わず夜も埋葬を続けています。
様子を見守る弔問客らの悲しみが広がっています。

世界初の承認です。
ロシアの動物検疫当局は31日ペットや家畜のコロナ感染を予防するワクチンが国内で承認されたと発表しました。
今月にも大量生産が始まる見通しです。
動物向けのワクチンの承認は世界で初めてだとをしています。

世界が注目、日銀短観とは
コロナ禍での回復に明暗

今日の日経平均株価は前の日から210円上がり29388円で取引を終えました。
この上昇の一因は今日発表された日銀の短観が予想以上に改善したことです。
全国企業短期経済観測調査という長い名前から短観と取っていまして、海外でも短観で通じるなどを広く知られているんです。
特に注目されているのが業況判断指数という指数です。
これは日銀が3ヶ月に1度全国のおよそ1万社に景気の現状について、良い・さほど良くない・悪いの三択で聞いて、景気が良いと答えた企業の割合から悪いと答えた企業の割合を引きプラスかマイナスかで企業の景況感を把握しています。

続いてこちらは大企業のその景況感を示したグラフです。
東京では新型コロナの影響で去年6月はマイナス、34まで落ち込みましたが今回の調査で1年半ぶりのプラス、新型コロナ感染拡大前の水準まで戻しました。
一方で飲食や宿泊などの非製造業では大企業でも-1ということで景気が悪いと答えている企業の方が多く、業種によっては改善のペースに差が出ていることがわかります。

こうした企業の景況感にも影響を及ぼす為替ですが現在は1ドル110円の60銭台となっています。
今回の短観では企業は1ドル106円と見込んでいましたが現在円安進んでいますのでの今後輸出企業にとっては業績上振れの可能性があるかもしれません。

そしてニューヨークの株式市場は3指数そろって上昇。
S&P500は4000を付けました、史上初めて4000を付けています。

コロナ禍の入社式
新入社員の門出に工夫

新型コロナウイルスの影響で今年も入社式を取りやめる企業がある一方、感染防止に配慮しながら対面で式を行う企業も増えています。
新入社員の門出をどう祝うか、企業も様々な工夫をしています。

去年出席人数を制限して入社式を行った住宅メーカーのアキュラホーム。
今年は席の間隔を空けるなど感染対策を取り、新入社員85人が一堂に会しました。
毎年式では社長が鉋削りを見せるのが恒例で、今年は新入社員が抱負を書き込んだ木材を削りました。

総合商社の伊藤忠商事では去年に続き入社式を取りやめましたが、300本の満開の桜の枝を玄関に飾り、社長と会長が新入社員1人1人の初出社を出迎えました。

ファイザー株式市場にポジティブ

滝田さん

南アフリカではほとんど変異ウイルスと言われてますから、株式市場にとってはポジティブサプライズだと思うんですよね。
今日アメリカがS&Pが4000ポイントつけましたけれども結構追い風になってるんじゃないのかというふうに僕思います。

非製造業浮上のカギは?

滝田さん

日本に目を向けますと日銀短観を見ますとやはり明暗が分かれています。
製造業なんですけれども製造業全体がプラスに浮かんだこともさることながら、注目したいのは日本の主要産業ですよね。
自動車と電気がはっきりと水面上に浮上したことだと思いますね。
かなり経済全体プラスの効果大きいと思います。

一方で非製造業これ厳しい全体として依然として厳しい。
対個人サービスと宿泊して飲食ですよね、さらに深く沈んじゃってるわけですから、やっぱり今のコロナ禍で一番きつい部分はここにあると思います。
100より下にはいかないというものですから、海の底スレスレなんです。
やっぱり経済対策の基本というのは一番弱い部分にやっぱり光を当てるということで、非製造業の対個人サービスとか宿泊・飲食というところに救いの手を差し伸べてほしい。