WBS 2021/6/25(金)

東芝、議長らの再任否決
異例の総会、混乱続く

今日夕方、東芝の社員には動揺が広がっていました。
その理由は、今朝総会に参加するため集まった株主。
問題の発端となった去年の株主総会。
当時、東芝の経営陣と対立していたもの言う株主の海外ファンドは自らが推薦する取締役の選任を提案しましたが結果は否決。
しかし、この経緯を調査した外部の弁護士は東芝が国と一体になってファンド側の人事案に賛同しないよう一部の株主に入って圧力をかけていたと指摘したのです。

午前10時から始まった株主総会
焦点となったのは経営を監督する立場にある取締役会議長の永山氏が取締役に再任されるかどうか。
会場の株主からは
「取締役会議長が果たして東芝が抱える問題を指摘し修正を指導できる人物なのか。」

東芝綱川社長
「取締役会議長は即座にアクションを取って、取締役の候補者を2名取り下げたり、しっかりとした対応をされたと。」

永山議長を評価した綱川社長。
株主の圧力問題を指摘された永山議長は自ら主導する形で当時の監査委員長等2名の取締役候補を除外。
その決断を綱川社長が評価したのです。

永山議長は取締役会全体として、
「取締役会全体として、これらの指摘を重く受け止めております。経営の透明性の一層の確保を図ってまいります。」

議長として引き続き経営体制の立て直しに意気込みを見せた永山議長。
しかし、大株主のファンドや海外の機関投資家からは不正を見抜く監査委員を指名する立場の永山議長、その再任に反対する声が相次いでいました。

そして総会の最後、永山氏と小林監査委員の再任が否決されました。

どうなる東芝迷走経営
物言う株主がさらに

今後の経営体制についてはいばらの道が続きます。

永山議長の再任に反対していた、もの言う株主の海外ファンド3Dインベストメントは総会後、

「株主との信頼関係の再構築を新たに推し進めることで東芝の新時代の幕開けになると期待している。」

と声明を発表。
今後も東芝の株主であり続けるとしています。

また別の海外ファンド関係者は
「次の臨時株主総会で海外ファンド側が新たに取締役候補案を出す可能性がある。社長ポストも議長ポストもありえるだろう。」

東芝は近く臨時株主総会を開き、新しい取締役人事案を提案する方針です。
つまり臨時株主総会では会社提案の取締役案と物言う株主側の取締役何が再び争う可能性があるのです。

ある市場関係者はこんなシナリオを。
株主が提案する取締役候補者が承認される可能性が高い。
そのタイミングで綱川社長が退任し、株主の意思を反映する取締役会が誕生すると見ている。

日本を代表するメーカー東芝はどこへ向かうのか。
経済産業省の関係者はこう指摘します。

「海外の役員の数を増やすことで、技術の流出などの切り売りに繋がらないように注視していく。」

新任取締役が抗議の辞任
東芝、今後の経営体制は?

午後一時前に株主総会が終わった後、綱川社長ら役員たちは東芝本社に移動して取締役会を開きました。
会議は数時間に及び、総会後の取締役会としては異例の長さです。
まさに議長退任の混乱を引きずった形と言えます。

東芝は先ほど永山議長の代わりに綱川社長を暫定議長に据える人事を発表しました。
また株主総会で取締役に選任されたジョージ・オルコット氏から辞任の申し出があり、これを受理したと発表しました。
東芝関係者への取材でオルコット氏の辞任は永山議長の退任が最大の理由だと明かしました。

オルコット氏は社外取締役のトップとして永山議長の手腕を高く評価していましたが、東芝が永山氏を守ろうとせず、株主からの批判を一人に背負わせたことへの抗議の辞任だということです。
オルコット氏の辞任で東芝の取締役会のメンバーは当初の13人から8人にまで減ったことになります。
経営の弱体化がより鮮明になったと言えそうです。

東芝議長ら異例の再任否決

入山先生
東芝の問題は非常に複雑なんで簡単には言えないんですが、整理すると二つの致命的なミスがそもそもあったかなと私は思ってます。

一つ目は上場維持で物言う株主が台頭してしまった。
2017年に東芝は当時経営危機だった時に、上場をどうしても維持したいということで、当時の綱川社長らの経営陣は6000億の資金を外から得るために、物言う株主、アクティビストファンドみたいなのを大量に受け入れてしまった。
全体の株主の半分ぐらいが物言う株主になってしまった。

そうなると大きな問題があって、一つはやっぱり新しい新規事業みたいなことをやりづらくなるんですよ。
東芝は本当はすごい技術のある会社で、現場の社員も頑張ってますし、執行役なんかでも頑張ってる方いらっしゃるんですね。
そういったところが成果を出すのは時間がかかる。
物言う株主の方はなるべく短期で成果を出してほしいということで齟齬が生じます。

もう一つがオーバーハングという問題があって、物言う株主、ファンドがいっぱい株を持っちゃうとか株価が上がらなくなる。
ファンドはいつか売るっていうことを他の投資家が期待しちゃうんで、大量に売られたら株が下がっちゃいますから、買えないっていう状態になってくるんで、潜在力以上に株価が低迷しがちになるんですね。
そうすると株価が上がらないとファンドは抜けられないから、物言う株主のファンドは残って、でも株価上がらないから配当いっぱいよこしなさいって話になるんですよ。
そうすると東芝の成長のために回すお金が配当に回さざるを得ないという悪循環にもなるって言う事です。

もう一つの致命的な問題が、経済安全保障制度の甘さ。
東芝というのは民間企業で上々企業なんですけど、一方で原発ですとか、それからこれから重要な量子暗号といった国防に係る技術を持ってるわけですね。
ですのでそういったところをある程度国防を考えるとファンドから守る。
そこで例えば切り売りされて、そういった技術が海外に流れるみたいなことを守らなければいけないわけです。
日本は実はその辺の規制というのが先進国で一番甘いといわれていて、アメリカに東芝があったら、こういうファンドとか社外からの役員が来たら多分政府が介入してやらせないですよ。

市場原理としては株主の存在というのはもちろん無視できないですね。
一方で国家安全保障ということを考えると、国がある程度守る必要があって、その辺のスタンスがはっきりしてない。
はっきりしてないから経済産業省と東芝が議論せざるを得ない。
それが投資家から見ると談合や癒着をしてんじゃないかって見えてしまう。

夏のセール、消費復活の兆し
背景に貯蓄など過去最高

午前10時前、新宿伊勢丹にはオープン前から長い行列が。
開店と同時に客が店内に流れ込みます。
都内の多くの百貨店では今日、夏のセールを開始。
去年は多くの店が中止としたため2年ぶりの開催です。

同じく今日セールを始めた西武池袋。
例年とは違うセール初日に。

見てみますと、殺到しているというよりは穏やかに手に取ってみていらっしゃるような様子ですね。
以前のセールの様子と比べるとその差は一目瞭然です。

やはり消費の復活にはまだ程遠いのかと思いきや、売り上げは上向きに。
西武池袋本店では感染対策を行いながら2年前よりも期間を一週間長く設定。
1日あたりの来客数を減らしつつ、消費の復活を狙います。

特に好調なのが、外出機会が増えつつある中、スポーツウェアや日傘などが人気だといます。

さらに西武は先を見据えてこんな需要にも狙いを定めます。
「旅行は一番苦戦してるアイテムのひとつなんですけれども、ずっと我慢してたお客様が非常に多いですから、この秋以降に伸びて行くアイテムとして期待しております。」

消費復活の兆しが見える背景には消費者の懐事情の変化もあります。

日銀が今日発表した各家計の金融資産の合計は3月末時点で1946兆円、1年前に比べ7.1%増えて過去最高となりました。
外出自粛などでお金を使う機会が減ったことなどが影響しました。

内訳を見てみると、現金預金が1056兆円と全体の半分以上を占めています。
この貯まったお金が徐々に消費の復活を産み始めているのです。

消費復活の意外な現場
なぜ?レモン・大葉の注文急増

消費復活の兆しは意外な場所にも。
午前1時過ぎ東京都内、入ってみるとあかりが。
ダンボールをフォークリフトで運ぶ人の姿も。
特別に中に入れてもらいました。

中では野菜や果物などをダンボールに詰めている多くの人が。
こちらは飲食店からの注文に応じて野菜や果物を仕分けするベジクル
扱っている野菜や果物はおよそ500種類にも上ります。
最近ある変化が。
届け先の店ごとに仕分けられた箱を覗いてみると、どの箱にも多くのレモンが。
一箱に10個入っているものもあります。
レモンの注文は前の週に比べ20%以上増加。
他にもグレープフルーツや、大葉、みょうがなどの注文が急増しているといいます。

夜が明け、東京神田駅前にある居酒屋。
そこには届けられたあのダンボールがありました。
こちらの箱にもレモンがたくさん。

理由はお酒の提供解禁でした。
緊急事態宣言が解除され都内では21日から二人以下の客や午後7時までなどの条件付きでお酒の提供が解禁されました。
こちらの居酒屋もそれに合わせて2か月半ぶりに営業を再開。
ハイボールやレモンサワーに使うレモンを多く注文していたのです。

さらに、酒と共に注文することが多い刺身に添える大葉の発注も増やしています。
飲食の現場でも徐々に見え始めた消費復活の兆し。
ただ都内の感染状況も日々変わり、客足もその影響を受けるため、仕入れる量も慎重に調整する考えです。

東京、感染拡大に警戒感
10月に集団免疫との予測も

今日東京で新たに確認された感染者数は562人で6日連続で前の週を上回りました。
政府も拡大への懸念を深めています。
感染状況によっては酒類提供の停止要請や4度目の宣言発令などに躊躇なく踏み切る姿勢を強調しました。

1日あたりおよそ100万回のワクチン接種が進み、職域接種も本格化。
東京では今日、営業時間の短縮などに協力している飲食店の責任者に対する接種も始まりました。

野村證券は10月中旬にも集団免疫が獲得できるとの予測を発表。
これまでの予測から2か月以上前倒ししました。

集団免疫の獲得には人口の7割以上の接種が必要とされ、経済の正常化にとっても重要なひとつの要素です。

スマホ&PCにも銅箔って?
独自技術の製造工場へ

スマートフォンにパソコン、これらの基盤に必ず使われているのが電気の通り道となる銅色の部分、それが銅箔と呼ばれるものです。
セロハンのように薄いです。
銅箔の生産で高いシェアを持つ日本電解が今日東証マザーズに上場しました。
日本電解が持つ技術には世界が注目していますが、いったいどのようなものなのか取材しました。

今日上場セレモニーで笑顔を見せた日本電解の中島社長。
終値は1967円と公開価格を上回りました。

日本電解が得意としているのはEV電気自動車に搭載するリチウムイオン電池用の銅箔の製造です。
国内で56%、北米で40%のシェアを占めています。

電気自動車の普及を追い風に、この5年で売上は2倍以上に。
好調な業績を支えているのは他社には真似できない技術です。
一体どんな技術なのか。

こちらが銅箔の製造装置です。
銅を溶け込ませた液体を電気分解。
回転ドラムが巻き取っているのは極めて薄い紙状となった銅。
銅箔です。
薄さは8マイクロメートル、髪の毛の1/10以下。

これを使えば電池を小さく軽くすることができ、電気自動車の航続距離を伸ばすことができます。
薄いだけでなく丈夫、これが日本電解の強みです。
特殊な機械で銅箔がどれくらい伸びるか計ると。
21%伸びている。通常だと5から10%ぐらい。

電池は充電などの際に膨張と収縮を繰り返します。
この銅箔は破れるリスクが低いため長く使うことができるといいます。
日本電解は今回の上場で得た資金をアメリカ工場の増強にあて、生産を拡大する考えです。

入山先生
日本で製造業が上場するのは珍しいですよね。
れからのITの時代って半導体とか電気自動車が重要になってきますよね。
この中で一番重要になってくるのは素材の技術なんですよ。
実は素材の技術が強い日本の企業っていうのがこうやって飛躍する可能性が出てきたっていうことですよね。

入社2カ月で転職検討
コロナ禍が生んだミスマッチ

転職サイトを運営する学情。
オフィスも訪れてみると、転職の相談が相次いでいました。
こちらの男性は今年春に大学を卒業して人材会社に就職。
入社してまだ2ヶ月ほどですが、すでに転職を考えています。
去年この中で望んだ就職活動では選考のほとんどが対面ではなくWeb面接。
企業の雰囲気を肌で感じられず、入社した後になってギャップを感じたといいます。
こちらの男性も。

入社してみると大半の社員がマスクをせずに働く社風。
感染対策に関する考え方が自分と大きく異なることが入社前にはわからなかったといいます。

こちらの会社では転職の相談が4月以降増え続け社会人1年目で登録する人の数は例年に比べ倍増しています。
学情ではこうした転職を考える20代向けの情報提供サイトを来月オープン。
また転職先の仕事を体験できる仲介サービスを9月以降に始める予定です。

動き始めた転職市場。
20代の転職希望者を積極的に採用しているのがアイリスオーヤマです。
いわゆる第二新卒の入社希望者はおととしに比べおよそ10倍に増えていて、そのうちおよそ半数が社会人一年目だと言います。

人事部 佐藤さん
「離職の理由の所で言うとミスマッチが一番大きい。色々な考え方を持った方を採用して、いろんな視点で会社を大きくしていきたいというところで第二新卒は強化している。。」

人口0.7%減、1億2622万人に

総務省が今日発表した2020年の国勢調査によりますと、外国人を含む日本の総人口は12622万人と5年前の調査と比べて0.7%減少しました。
人口の減少は前回に続き2回連続です。
都道府県別では1都3県の東京圏が人口の3割近くに拡大する一方、全国の市町村の82.4%で人口が減少し、二極化が鮮明になりました。

今回の調査結果を衆議院選挙区別で集計すると、人口が最も少ない鳥取2区と最も多い東京22区では一票の格差が2.094倍で議席配分方法のアダムズ方式を適用すると、15の都県で10増10減の見直しが必要との結果になりました。

東京都議選が告示

任期満了に伴う東京都議選がきょう告示されました。
新型コロナ対策や東京オリンピックパラリンピックの対応などが主な争点になりそうです。
各党は秋までに行われる衆議院選挙の前哨戦と位置付けて選挙戦を展開します。
今回の都議選は小池知事が特別顧問を務める都民ファーストの会が第一党を維持できるかや、前回過去最低の議席となった自民党が公明党と合わせて過半数を獲得できるかどうかが焦点となります。
共産党や立憲民主党などの野党は議席の上積みや新たな議席の獲得を目指します。
投開票は7月4日です。

アメリカ、マンション崩落4人死亡
159人と連絡とれず

アメリカ南部フロリダ州で12階建てのマンションが崩落した事故で、25日死者が4人になったと発表しました。
一方連絡が取れない居住者は159人に上っています。
引き続き捜索活動を続けていますが、居住者の中には特定の時期だけ滞在する人もいて、全容把握は難航しています。

縮む日本、人口86万人減

国勢調査なんですが前回の調査から人口がさらに減少しています。
メキシコに抜かれて日本は11位と。
もちろん少子化が進んでいるので納得のカタチではあるんですけれども、このままでいいのかどうか。

入山先生

私自身は日本は人口というものを国家戦略として考えるって事を真剣にやらなければいけないんじゃないかなと思ってまして、数百年ぐらいの人口統計を日本で見てみると、昭和から高度成長にかけて急激に伸びている。
これからの予測は真っ逆さまに落ちてきます。
どんどん人口は減っていくんですね。

一方で経済成長を考えると、やはりそ人口が増える方がGDP伸びますし、それから人口が伸びる国って若い人が多い。
若い人の活力とかイノベーションとか創造性とか、生まれやすいわけですね。
ですので国家戦略であるべきなんですよね。
実際にフランスとかロシアとかってのは、かなり出生率を上げることで人口を増やすって戦略を取ってますし、それからアメリカは移民で増やす形で人口を増やそうとしてると。
ですから日本は意外と景気や税制みたいな話をしますけど、人口をどうするんだって議論ってあんまり本格的に政府もそれほどやってる印象はないですし、我々もそんなに議論しないと思うんです。

基本は増えた方がいいんですが、一方で減ったって一人当たりが豊かになればいいじゃないかという議論もあって、そもそも我々人口増やしたいの減らしたいのっていう、そっから本当は議論する必要がありますよね。
その意味は本当に国家がちゃんと戦略を持って、政策を打ち出していくのかというところを改めて考えないといけないということですね。

パナソニック、全テスラ株売却
24億円→4000億円に

パナソニックはテスラと電池の供給契約を結び、2010年にテスラ株をおよそ24億円で取得していました。
テスラの株価が急騰したことから、今回の売却額はおよそ4000億円に膨れ上がりました。
Panasonicはアメリカのソフトウェア大手、ブルーヨンダーをおよそを7700億円で買収する予定で、売却資金はこうした投資の原資に使うと見られます。
業績回復への期待から今日のパナソニックの終値は前の日と比べて4.9%高い1309円となりました。

入山先生
パナソニックがテスラ株を売却と。
これはすごく良い意思決定だと思います。
アメリカは過剰流動性で株は上がり気味ですし、テスラはかなり高いですから、このタイミングできちんと売って、他のM&Aの資金に使うということだと思いますんで、非常に良い意思決定だと思いますし、これでテスラとの関係が壊れるわけではないので、事業は続きますから良いと思います。

アメリカ130兆円インフラ投資
日本株押し上げ

今日の日経平均株価です。
190円高と小幅に上昇しました。
アメリカでバイデン政権が24日、議会上院の超党派のグループと会談し、1.2兆ドルおよそ130兆円規模のインフラ投資法案について最終合意した事が株価を押し上げました。

Windows11発表

Microsoftは24日、新しいOS基本ソフトWindows11を発表しました。
6年ぶりの刷新で年末までに提供を始めるということです。
Windows11ではGoogleのスマートフォン用のOS、Androidのアプリが使えるようになります。
また、コロナ禍で利用が増えたビデオ会議のアプリをOSに統合するほか、高画質でゲームを楽しむこともできます。

王将、持ち帰り・宅配専門店

餃子の王将を展開する王将フードサービスは、王将としては初めてとなるテイクアウトとデリバリーの専門店をオープンしました。
王将のテイクアウトとデリバリーの売り上げはコロナ前と比べて2倍以上に成長しています。
客席を設置しない、こうした店舗の開業費用は通常より3割ほど安く、王将は今後出店の拡大を検討します。

政投銀から300億円調達

牛丼のすき家などを展開する外食大手のゼンショーホールディングスは日本政策投資銀行から300億円の資金調達を行うと発表しました。
新型コロナで打撃を受けた飲食業や宿泊業を対象に、政策投資銀行が始めた支援策を使い、コロナ収束後を見据えて財務体質の強化と海外での出店を加速させる方針です。

スズキ、鈴木修会長退任
最後の言葉は皆に感謝

軽自動車を庶民の足として広く普及させた鈴木修会長。
83年にはライバルに先駆けてインドへの進出も決断。
静岡の中小企業だったスズキを世界的メーカーになるまで育て上げた修会長の最後の言葉は
「スズキを愛してくださる全ての皆さんに感謝、感謝いたします。来年以降はそちらの方に座りまして、株主としてよろしくお願いいたします。どうぞありがとうございました。」

経営トップ43年功績と課題

入山先生
日本と世界のモータリゼーションの基礎を作ったのが鈴木修さんなんじゃないかって思うことすらあります。
例えば今東南アジア、バイクがモータリゼーションの基礎作りましたよね。
それはスズキのバイクってのが貢献しているわけです。
それからインド、あそこもスズキが入ってマルチってブランドを作ることでインドのモータリゼーションが進んでいった。
そして日本も高度経済成長期から日本の経済を支えたのは軽自動車ですよね。
特に地方に行くと皆さん軽自動車に乗って、軽トラックに乗って農作業したり、あれが日本を支えてきたわけです。
そう考えると本当に世界の日本のモータリゼーションを支えた会社だと思いますね。

Q:このタイミングというのは自動車産業は100年に一度の大転換期と言われます、もちろん課題もありますよね?

特に言うまでもなく電気自動車ですよね。
おそらくこのEVの波は、普通の乗用車よりも軽自動車から先に来るはずなんですね。
そのEVの波がもし来た時にそれにちゃんと乗れるかっていうことですよね。
ここはスズキのこれからの大きな課題だと思います。