WBS 2021/7/30(金)

2日連続、新規感染1万人超
五輪開催中に宣言拡大へ

今日午後7時会見に臨んだ菅総理。
埼玉・千葉・神奈川・大阪の4府県に来月2日から緊急事態宣言を発令すると発表しました。

緊急事態宣言により埼玉など3件の飲食店でも酒類の提供が禁止になります。
これまで通り夜8時までの時短営業や不要不急の外出の自粛も求められます。
期限は8月31日までで、すすでに発令されている東京都と沖縄県も延長します。
また北海道や京都府などで新たに蔓延防止等充填措置が適用されます。

今日新型コロナの新たな感染者数は全国で10743人と三日連続で過去最多を更新しました。
神奈川や千葉・茨城。鳥取では1日の感染者数としてはこれまでで最も多くなりました。

若い世代で急増、重症患者

第5波と言われる今回の感染拡大。
これまでにない特徴が重症者の低年齢化です。

第3波があった半年前の東京都の資料です。
当時重症者は141人、40代はわずか3人でした。
一方今日の資料、重症者は88人と半年前より減っていますが、40代は16人に増加しています。
さらに半年前は0だった20代や30代にも広まっていて、重症者全体の4人に1人が40代以下となっているのです。

東京都内で新型コロナの患者を受け入れているこちらの病院でも低年齢化が進んでいるといいます。
この病院では現在50歳以下の患者のほとんどが重症のひとつ前の中等症ですが、中等症患者が増えれば重症者も増え、病床が逼迫するリスクが高まるといいます。

抗体カクテル治療、課題は?

感染者の増加を病床逼迫に直結させないためには軽症や中等症の患者が重症化するのをいかに防ぐかが重要になります。
政府が期待するのが、今月日本で特例承認された新たな治療法、抗体カクテル療法です。
入院中の新型コロナの患者に2種類の抗体を同時に投与することでウイルスの増殖を防ぎ、重症化するリスクを軽減することができる治療法です。
去年トランプ前大統領が感染した際にもこの治療法が行われました。
政府はすでに7万回分の薬を確保し医療機関への無料配布を開始しています。

この薬は数に限りがあることもあり、今は入院している患者にしか投与できません。
しかし本当に医療現場の負担を減らすためには入院しなくても済むような症状が軽い患者にも使えるようにしたほうが効果的だと言います。

ソフト投手も着用冷却ベスト

25日のカナダ戦で打者を打ち取った後藤投手がベンチに戻り手に取ったのは赤いベスト。
実は暑さ対策のアイテムなのです。
開発したのはスポーツ用品メーカーミズノ

一見普通のベストに見えますが、広島大学と共同で開発したこのベスト。
太い血管がある首筋や脇の下に当たるよう保冷剤のポケットを設置し冷却効果を高めました。

運動直後と15分休憩した後の皮膚の温度を測定すると、ベストを着用しない場合はおよそ一度しか下がりませんがベストを着用した場合、3度近く低下するという結果が出たと言います。

熱中症から守るユニホーム

一方で選手の活躍を陰で支えるのはボランティア。
外での活動も多い彼らが暑さ対策で使っているのがかぶる傘。
実はこれ、東京都の希望する人たちに貸し出しているもの。

当初8万人を予定していた大会ボランティア。
大会の延期そして無観客開催の決定などで観客の案内を予定していた17000人は別の役割へ配置転換。
そしておよそ1万人が辞退しました。

「賛否両論はあったんですけども、選手たちは本当に一生懸命やっているので今僕らはそれを本当に支えたい」

そのボランティアを熱中症のリスクから守ろうと5年前に開発を始めていたものがあります。
それがこの青いユニフォーム
開発担当者アシックス落合さんです。

およそ2年前、WBSはその開発の舞台裏を独占取材していました。
アシックスは服の形状や素材を研究するスペシャリストを社内で集め、チームを結成。
夏はメンバー自らサンプルを着用し、シャツの内側の温度を計測。
実際に競技会場の近くを歩いてデータを取るなど体も張った開発を続けました。
試行錯誤を繰り返し、たどり着いたのはある形状の生地。

よく見ると六角形の縁に沿って、大きめの穴が開いています。
この形状ならば肌が透けることなく通気性を十分確保できるといいます。
マネキンを使った通気性のテストでは服の中の温度を測ると、開発品の方が平均で1.1度低くなりました。

開発から5年、いま競技会場などでは青いユニフォームを着た人が活動しています。
オリンピックに照準を定め技術革新を進めてきたアシックス。
今回のユニフォーム開発から生まれた生地や通気性の技術を生かし、今年一般向けのスポーツウェアを発売売れ行きも好調です。

猛暑対策、今からでも

山川さん

イノベーションが生まれているっていうのはもう素晴らしいことだと思います。
その反面、暑さ対策に関するともうちょっと根本的なところにメスを入れられなかったのかなと思うんですよ。

テニスのジョコビッチ選手とメドベージェフ選手、トップランカー2人が不満を言ったら結局テニスのスタート時間って変更になったんですよ。
元々午前11時からスタートだったものが昨日から午後3時からのスタートに変わった。
いえばできるじゃないかという思いなわけですよ。

放送局などの都合で試合時間って変えられないって聞かされてます。
日本側からすると時間変更は最初から難しいものと思って、おそらくIOCなどに強くね要請してなかったんだと思うんですけども、選手が二人言っただけで変わるんだったら日本がちゃんと本気で言ったら変わってたはずで、こういうところが日本人の良くないところで、ルールって一回作っちゃうと変えられない、そのルールの枠内で自分たち何とかしようとして工夫する。

一つあるとすれば負い目があるんです。
元々承知した段階で東京都がIOCに提出した報告書にはこうあるんです。
「この時期の東京は晴れる日が多く温暖、アスリートが最高の状態でパフォーマンスを発揮できる理想的な気候」って記してるんです。

今更、実はこの時期ものすごく暑いんですって言えないわけですよ。
今でも私は遅くないと思ってます。
死人が出たら元も子もないわけですから、逆に前向きに考えたらこそ天気予報も分かるわけですから、ここからデータで少しでも時間を調整するとか、種目によってはやるべきじゃないかと。

高速走行、モーター開発
パナの電動アシスト自転車

パナソニックが発売する電動アシスト自転車
フレームと一体化した電池やスピードを出しても安定した走行ができるのが特徴です。
実はこの自転車のベースになったのはオリンピック競技競輪の先導車。
これまで競輪では先導車としてバイクが使われていましたが、東京オリンピックでは環境負荷の少ないパナソニックの電動アシスト自転車が採用されました。

先導車は選手の前を走り、風除けなどの役割。
実際の会場での走行試験を重ね、高速走行に対応できるモーターを開発。
フレームも常に安定性を確保できるよう配慮しました。

このノウハウをもとに今回発表した市販用の商品を開発。
モーターの制御機能などに先導車と同じ技術を活かしました。
日本ではあまり見ないスポーツタイプの電動アシスト自転車ですが、パナソニックは今後市場が広がるとを見ています。

新型コロナ関連ニュース

今日確認された全国の新規感染者数は3日連続で過去最多を更新し、重症者の数は87人増えて626人となっています。

デルタ数は水疱瘡並みの感染力だとしています。
CDCアメリカ疾病対策センターがデルタ株について、感染力が強い水疱瘡並みだとし、深刻な疾病を引き起こす可能性があるとの内部文書をまとめたとニューヨークタイムズが報じました。
CDCは今週ワクチン接種後のマスク着用について不要としていた指針を、屋内では着用すべきに変更しましたが、これは今回の内部文書に基づいたものだということです。

ワクチンを接種した人に奨励金を出すよう要請しました。
アメリカのバイデン大統領は新たにワクチン接種をした人に100ドルおよそ11000円を支給するよう地方自治体に呼びかけました。
伸び悩む接種率を引き上げるのが狙いです。
バイデン大統領は新型コロナで死亡した人のうち99%は接種していなかったとしてワクチンの有効性を訴えています。

四十歳以上に限定して接種を認めました。
厚生労働省はアストラゼネカのワクチンを公的接種に加え、対象は原則40歳以上にすることを決めました。
アストラゼネカのワクチンはごくまれに血栓が生じるリスクが報告されていることから日本では使用を見合わせていて、六十歳以上で検討していましたが、40代から50代の重症者が増えていることを考慮しました。
当面は希望する自治体に供給します。

デルタ株蔓延を受けて僧侶に集団接種です。
タイの首都バンコクで僧侶や寺院で働く人への集団接種が今日始まりました。
市内にある221の寺院に対し、アストラゼネカ製ワクチンを提供し、その後は他の地域でも実施する予定です。
バンコクを中心にデルタ株の拡大が深刻な中、ワクチン接種率は5.6%に止まっています。

そしてイスラエルでは世界で初めて3回目のワクチン接種が始まりました。
ファイザー製で60歳以上が対象です。

時短要請拒否黒字へ
グローバルダイニング決算

グローバルダイニングの今年1月から6月までの最終損益は5億8700万円の黒字となりました。
一部の店舗を休業していた1年前の9億4000万円の赤字から転換した形です。
グローバルダイニングは時短要請に応じず商業施設以外の店舗で通常営業を続け、類の提供もしてきました。

コロナ禍の決算
交通各社、赤字続く

コロナの影響が大きい交通関連の企業は赤字が続いています。
ANAホールディングスの4月~6月までの最終損益は511億円の赤字でした。
売上高は国内線の旅客収入が2倍以上に伸びて64%増えました。
ANAでは最悪期は脱しつつあるとしていて、来年3月までの1年間の業績予想は35億円の黒字を維持しました。

一方、鉄道ではJR東日本・西日本・東海の3社何も赤字となりました。
1年前に比べて赤字幅は縮小したものの、旅客需要の回復はまだ見通せない状況です。

時短要請応じずV字回復

山川さん
実際深夜まで開けてるお店が限られていれば、そのお店に対してお客さんが集中するわけだし、グローバルダイニングの場合はそこに東京都に対して反旗を翻したんで、応援しようっていう応援消費がが重なってるって言うのもありますね。

Q:こういう状況見てしまうとルールを守った飲食店としてをやりきれないですよね?

外食チェーンの経営者の方に取材してみても、このグローバルダイニングは焼け太りだと。
ルールを守ってる人からするとちょっと頭に来ますよね。
ただ私は基本的にはグローバルダイニングについて言うと同情的に見ていまして、そもそも最初の時、東京都は当時2000店は見ただけでも守ってないお店があった中で、なぜかグローバルダイニングのお店だけを命令して、見せしめにしたような形だった。
グローバルダイニングの業態を考えた時に、協力金って雀の涙で、このままルールを守っていたら、どこかで借金がかさんで倒産するの目に見えてたんです。
ですから経営者としては座して死を待つには行かないという、そういう状況だったと思います。

Q:他の所はどうなんですか?

最近日経新聞が足で歩いて調べたことがあって、新宿などの東京都内の繁華街の飲食店、今時短営業などのルールを守ってないところの方が半分以上です。
都心になればなるほど家賃も高いし支援金だけではやっていけないわけですね。
私はこの1年、思うのは政治力が最も乏しいのが飲食業界で、そこがあまりにも過剰なぐらい負担を強いられてきた。
それ考えると今また緊急事態宣言ですけど、飲食店の視点から見た時に果たしてどのくらい守られるのか、つまり今回の緊急事態宣言の効果ってどの程度なのかっていうのは懐疑的になってしまいますね。

ユーロ圏、実質GDP2.0%増

EUヨーロッパ連合の統計局が発表したユーロ圏19カ国の今年4月から6月期の実質GDPの速報値は前の期と比べ2.0%増えました。
プラス成長は去年7月から9月期以来第3四半期ぶりです。
新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐ外出規制の影響で景気は低迷していましたが、ワクチンが普及し経済活動が段階的に再開され個人消費などが持ち直しました。

ふるさと納税過去最多

総務省は今日、ふるさと納税による去年の寄付総額が6724億9000万円と過去最多になったと発表しました。
新型コロナの感染拡大に伴う巣ごもり消費や地場産業の支援を目的とした寄付の増加が要因とみられています。

桜を見る会再捜査へ

桜を見る会前日の夕食会をめぐる事件で不起訴処分になった安倍前総理大臣について、検察審査会は寄付行為を禁じる公職選挙法違反など一部の容疑を不起訴不当と議決しました。
検察審査会ば十分な捜査を尽くしたとは言い難いと指摘した上で、秘書がやったことだと言って関知しない姿勢は国民感情として納得できないとしました。
今後東京地検特捜部が再捜査し改めて処分を決めます。

香港、国家安全維持法違反

香港の高等裁判所は今日、香港国家安全維持法の国家分裂扇動罪とテロ活動罪で有罪判決を受けた唐英傑被告に禁錮9年を言い渡しました。
国家安全維持法違反事件で量刑が言い渡されるのは初めてです。
去年7月の抗議デモの際に、香港独立の主張意味するスローガンが書かれた旗を掲げバイクで警官隊に突っ込みました。

6月失業率2.9%に改善

総務省が発表した6月の完全失業率は前の月より0.1ポイント低い2.9%となり、3ヶ月ぶりに改善しました。
新型コロナで打撃を受けた宿泊や飲食サービス業などで就業者数が増えたことが主な理由です。
一方、厚生労働省が発表した有効求人倍率は前の月に比べ0.04ポイント高い1.13倍になりましたが、田村厚生労働大臣は雇用情勢は厳しさが続いている認識としています。

共通テストへの導入を断念

萩生田文部科学大臣は今日の会見で2025年1月以降の大学入学共通テストで導入を検討してきた英語の民間試験と記述式問題について、導入を断念すると表明しました。
受験機会の公平性や採点の正確性を確保するのが難しいと結論付けました。

マーケット情報

取引が始まってるNY株式市場。
3指数とも揃って下落しています。
アマゾンドットコムの決算が予想を下回ったことで大きく下落しています。
その結果株式市場の重しになっています。

トレたま:草刈りロボット

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これは自動車大手のホンダが開発した草刈りロボット、グラスミーモです。
使い方はいたって簡単、スマートフォンなどでスタートを指示します。

地面に埋められた送電ワイヤーの区画内の自在に動き回り、バスケットコートおよそ10面分、4000平方メートルの草を自動で刈り取ってくれます。
高さ3CMほどの段差であれば自力で乗り越える他、木など障害物に触れると方向転換します。

充電が切れると自ら充電スペースに戻って充電し、終わるとすぐさま草刈りを再開します。

価格は643500円で初年度は200台の販売を目指します。

アストラ製どう活用?

山川さん

多くの専門家がだいたい口を揃えているのは基本的にはこのアストラ性もかなり良いワクチンであると。
有効性が76%として劣るって言ってますけど、インフルエンザワクチンと比べたら相当高い数字だっていうことですね。
なんといっても温度管理が楽だってこと。
常温で保存できるってことで、例えば寝たきりのあのご老人の方のところに訪問して接種するとか、そういうことには非常に使い勝手がいいと思います。
あと最近はいくつかの種類のワクチンをミックスして打ったらより効果が高いなんていうのも外国ではいろいろ検証結果出てきてますから、いろんな使い勝手あると。

政府が判断間違ったのは確かです。
物流のところで過剰在庫がたまることを読みを誤ったのは確かなんで、そこははっきりすべきですけど、何と言っても専門家がこのデータをちゃんと検証して、心配されている血栓などのことを説明することです。